• 更新日 : 2025年10月21日

確定申告をGeminiで効率化するには?活用方法・プロンプト・注意点を解説

Geminiなどの生成AIを使って確定申告を効率化したいと考える個人事業主が増えています。レシートや帳簿整理といった煩雑な作業を自動化できる点で、GoogleのGeminiは注目されています。

本記事では、Geminiの確定申告における使い方や活用するメリット、注意点などを解説します。

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Geminiを確定申告に使うメリットは?

GeminiはAIツールであり、確定申告にかかる作業の負担や心理的ストレスを軽減できます。ここでは主なメリットについて解説します。

時間の節約と作業効率の向上

Geminiを活用すれば、確定申告にかかる時間を大幅に短縮できます。従来、領収書の整理や経費の記帳には多くの時間がかかっていました。GeminiはAIによる自動整理とデータ化により、これらの作業を一括でこなせるため、従来は1日かかることもあった作業が、環境やデータ量によっては短時間で完了する場合があります。

これにより、本業に費やす時間を確保できるのは、個人事業主にとって大きな利点です。

ミスの削減と正確性の向上

人為的ミスを減らし、申告内容の正確性を高められます。金額の打ち間違いや勘定科目の誤分類など、手入力によるミスは避けがたいものです。Geminiは一定のルールに基づいて処理を行うため、作業のばらつきを減らし、ミスの発生率を下げられます。

ストレス軽減と心理的ゆとりが生まれる

AIが作業を補助してくれることで、精神的な負担が大きく和らぎます。確定申告は「不安」「面倒」といった感情を伴いやすい作業ですが、Geminiが作業の大部分を代行してくれることで、孤独感やプレッシャーが軽減されます。AIに頼れる安心感は、特に初めての申告者にとって心強い支えになります。Geminiを使えば、時間的・精神的・実務的な負担を軽減できます。

Geminiとは?始め方とアカウントの準備手順

Googleの生成AI「Gemini」は、文章生成から画像・動画の解析まで多様な用途に対応した次世代AIです。個人事業主やフリーランスでも、無料で簡単に使い始められます。ここでは、Geminiを使い始めるための基本ステップを紹介します。

Googleアカウントを準備する

GeminiはGoogleアカウントがないと使えないため、アカウントを準備しましょう。

GeminiはGoogleの提供するサービスの一つであり、利用にはGoogleアカウント(Gmailアドレスなど)へのログインが前提となります。既にGoogleアカウントを持っている場合は、そのまま利用可能です。

アカウントを持っていない場合は、Googleの公式サイトから無料で新規作成できます。作成時には氏名や生年月日、メールアドレスなどを登録し、ログイン用パスワードを設定します。セキュリティ強化のため、2段階認証の設定も推奨されます。

Geminiの公式サイトにアクセスする

GeminiはWebブラウザからすぐに利用開始できます。アカウント準備後、Geminiの公式ページにアクセスします。ログイン状態でアクセスすると、自動的にGeminiのホーム画面が開き、チャット入力が可能です。

画面下部にあるテキストボックスに質問や命令を入力することで、Geminiが応答を生成してくれます。なお、Geminiには無料版と有料版(Gemini Advanced)があり、無料版でも画像や動画のアップロード、表形式出力など多くの機能を試せます。

動画解析や長文の処理を使いたい場合は、有料プランの検討もおすすめです。

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個人事業主の"経費"、うまく活用できていますか?

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Geminiは確定申告でどう使える?活用例とプロンプト

生成AIであるGoogleのGeminiは、領収書の整理や経費の表形式化、証憑の要約や確認作業など、時間と労力のかかるプロセスを簡略化できます。ここでは、個人事業主がGeminiを活用して確定申告をスムーズに進めるための例と、プロンプトの使い方を紹介します。

経費処理の自動化に活用する

Geminiは領収書の山をAIの力で一気に整理できる便利なツールです。

面倒な経費処理が、たった2ステップでデジタル化され、帳簿入力の下準備まで自動で整います。

ステップ1:領収書を動画で撮影する

領収書を1枚ずつスキャンする必要はありません。動画1本でまとめて処理できます。まず、机や床に領収書やレシートを広げます。

その上をスマートフォンでゆっくりと動画撮影しましょう。カメラは一枚一枚の内容が読み取れるよう、1〜2秒ずつピントが合うように動かします。多少重なっていたり、端が折れていたりしても、映像として判読できる範囲であれば問題ありません。

動画の長さは数十秒〜1分程度で十分です。この「ざっくりとまとめ撮り」する方法により、従来なら半日かかっていた整理作業の準備が、わずか数分で完了します。

ステップ2:Geminiに動画を読み込ませて表を作成する

撮影した動画をGeminiにアップロードすれば、経費一覧表をAIが自動で生成します。Geminiのチャット画面を開き、左下の「+」ボタンから動画ファイルをアップロードします。続いて、以下のようなプロンプトを入力します。

<プロンプト例>

「この動画に映っているレシートから、①日付②支払先③金額(税込)④品目⑤勘定科目を抽出して、表形式でまとめてください。」

⑤の勘定科目には「日本の確定申告における一般的な科目を推測して提案してください。」という一文を入れるといいでしょう。送信後、AIが動画内のレシート情報を解析し、短時間で経費一覧を生成できます。表には「2025/03/10 カフェABC 1,200円 コーヒー2名分 会議費」などの情報が整理されて表示されます。

生成された表は、そのままGoogleスプレッドシートに出力可能です。税理士と共有すればやり取りもスムーズに行えます。さらにCSV形式で保存すれば、会計ソフトへのインポートも簡単です。

AIに経費の妥当性チェックをさせる

Geminiは抽出した経費情報をもとに、勘定科目の妥当性や漏れの可能性についても確認できます。人間が経費分類を行うと、勘定科目の判断に迷ったり、申告の際に不安を感じたりすることがあります。

Geminiでは、出力された経費一覧に対して追加で質問ができ、税務上正しい処理かどうかをAIに確認させることが可能です。

<プロンプト例>

「この経費一覧の勘定科目に誤りがある可能性があれば指摘し、正しい分類を提案してください。また、経費として認められにくい項目があれば理由を添えて教えてください。」

このような使い方をすることで、税務調査への備えとしても役立ちます。Geminiは法的判断はできないものの、過去の情報やルールに基づくアドバイスを提供してくれます。ただし、プライベートの支出は経費にはできない点に注意が必要です。

例えば、仕事でのカフェ利用は会議費などで計上できますが、プライベートで飲食したものは経費計上はできません。

AIが仕事かプライベートかの判断をできるとは限りませんので、AIに問題ないと回答されても、必ず税務調査で指摘されないとは限りません。仕訳が複数必要な場合や、今年だけでなく来年にまたがって発生する費用など、処理が複雑になるとAIでは対応できない場合があります。

そのため、経費の妥当性をAIに任せるのみだと、税務調査で指摘され経費計上を否認されるリスクがあるので注意しましょう。

控除対象の検討・まとめにも利用できる

Geminiに自身の生活状況や支出内容を入力することで、控除対象になり得る経費や制度のアドバイスが得られます。

たとえば、小規模企業共済青色申告特別控除、家事按分など、自営業者が利用できる制度は多岐にわたりますが、すべてを把握するのは難しいものです。Geminiは、概要を与えることでその中から該当しそうな制度をピックアップし、必要な条件も提示できます。

<プロンプト例>

「私はフリーランスのデザイナーで、自宅の一部を仕事場として使っています。2025年度の確定申告で利用できる控除制度と、その適用条件を教えてください。」

このような質問をすることで、制度の見落としを防ぎ、節税に役立つ可能性があります。ただし、すべての控除制度がGeminiで提案されるわけではない点に注意してください。

また、控除には控除証明書が必要なものもあるほか、青色申告をするには決められた期限までに「青色申告承認申請書」の提出が必要になります。控除対象の検討でGeminiを使う場合は確定申告の直前ではなく、確定申告の対象となる年の始めなど、できるだけ早い段階で使用しましょう。

Geminiだけで申告書を完成させることは可能?

Geminiは確定申告における情報整理や書類作成の強力な補助ツールですが、現時点ではすべての作業を完全にAIだけで完結させることはできません。ここでは、どこまでをGeminiに任せられるのかについて解説します。

申告書の作成「補助」までは可能

Geminiは、申告書作成に必要なデータの整理・下書き・試算などの工程を大きく支援できます。

たとえば、領収書の読み取りから経費一覧表の作成、売上データの要約、控除制度の一覧化、必要書類のチェックリスト作成などはGeminiに任せられます。AIは膨大な情報を短時間で処理できるため、帳簿整理の効率化や、数字の整合性チェック、記載ミスの事前検出にも役立ちます。

また、確定申告書類の各項目にどのような情報を記載すべきか、参考例を提示させることも可能です。たとえば「青色申告決算書の『減価償却費』欄には何を記載すべきか?」と尋ねると回答してくれます。

公式な提出書類の作成・提出は自分で行う必要がある

現時点では、Gemini単体で「確定申告書の正式な作成」や「e-Taxでの提出」までは完結できません。GeminiはAIアシスタントであり、国税庁のe-Taxシステムと直接連携する機能は備わっていません。AIが生成した情報をもとに、最終的な入力・調整・確認・送信は本人の手で行う必要があります。

また、申告内容の正確性や法令遵守の観点からも、最終的な責任は納税者本人にあるため、AIが提示する内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、専門家や公式情報による裏付けを取ることが大切です。

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Gemini利用時の注意点は?

Geminiは確定申告を効率化する優れたツールですが、その活用にはいくつかの注意点もあります。ここでは利用者が押さえておくべきポイントを整理します。

AIの回答は必ずしも正確・最新ではない

Geminiの回答は便利ですが、税務上の判断をそのまま任せることはできません。生成AIは過去の情報をもとに学習しているため、すべての回答が最新の税制や法改正を反映しているとは限りません。

特に税法は毎年改正があり、適用条件や控除制度の内容が細かく変わることもあるため、AIの回答には一定の誤差が生じる可能性があります。

Geminiが提示する勘定科目や控除の適用範囲、税率などは参考情報としては有用ですが、必ずしも正確とは限りません。AIの出力結果を鵜呑みにせず、国税庁の公式サイトや信頼できる税理士に確認することが大切です。

申告金額や納税額に関わる部分については、自身でも検算するなど慎重な対応が求められます。

税額に関しては、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や市販の確定申告ソフトを使うと自動計算してくれるため、Geminiと併用すると確定申告の精度を上げられます。

個人情報や機密データの扱いに注意が必要

Geminiにアップロードした情報は、インターネット上のサーバーに送信されることを理解しておきましょう。

Geminiに領収書画像や売上データなどを入力する際、それらのデータはGoogleのAIサーバーに送られて処理されます。Googleはプライバシーポリシーを設け、データ保護に配慮しているとしていますが、入力データがAIモデルの改善に使用される可能性があるという注意書きも存在します。

参考:Geminiアプリのプライバシーハブ

そのため、氏名・住所・顧客情報・口座番号といった機密性の高い情報はGemini上で扱わないか、要約データのみにするなど工夫が必要です。

Geminiはあくまで「補助者」であるという意識を持つ

最終的な申告の責任は自分にあることを忘れないことが大切です。いくらGeminiが高性能で便利でも、「AIが言っていたから正しい」という理屈は税務では通用しません。

税金の世界では、たとえ無意識のミスでも申告者が責任を問われます。Geminiを「すべてを任せる存在」ではなく、「作業効率を高める補助者」として捉える姿勢が重要です。疑問点は必ず公式情報で裏付けを取り、可能であれば税理士に相談するなど、人間の目で最終確認を行うようにしましょう。

Geminiと他の生成AIの違いと使い分け方は?

生成AIツールは各社で特長が異なります。以下でGeminiと主要な他のAI(ChatGPT・Claude・Copilot)との比較と、それぞれどんな場面で使うのが望ましいかを解説します。

Geminiの強みと特徴

Geminiはマルチモーダル入力(テキスト・画像・動画)を一度に処理でき、Googleサービスとの連携が強いことが利点です。領収書やレシートを動画で一括撮影し、その映像を解析して表形式で書き出すといった処理が得意です。

また、Google スプレッドシートやGoogle Driveなど、Googleのサービスとの連動性が高いためデータの共有・保存・活用がスムーズです。大量の資料を整理する作業で効率化を図るなら、Geminiが力を発揮します。

ChatGPT・Claude・Copilotとの比較

ChatGPT(OpenAI)は文章生成や対話形式での説明力が高く、控除制度の理解や申告書類の下書きに適しています。 文章表現の整理などを求めるときに信頼できるアシスタントです。

参考:ChatGPT

Claude(Anthropic)は比較的丁寧で人間の言い回しに近い文章を生成する傾向があり、長めの解説や制度比較、複数の選択肢を整理したい場面で役立ちます。

参考:Claude

Copilot(Microsoft系)は主にコーディングやドキュメント作成、Office製品との統合で強みを持っており、表計算・スプレッドシート加工・Excelの関数やテンプレート作成など、ツール操作部分で助けになります。

帳簿フォーマットのエクセルテンプレートをCopilotで作って、そこにGeminiやChatGPTで整理したデータを入れる、といった使い分けが考えられます。

Copilotの最新版には画像・画面解析機能やファイル要約機能なども強化されてきており、資料整理や文書中の図表処理などでサポート力があります。

参考:Copilot

Geminiで確定申告の負担を減らそう

煩雑な確定申告の作業も、Geminiのような生成AIを上手に活用することで効率化できます。

領収書整理や経費計算といった手間のかかる処理はAIに任せ、人間は戦略的な節税計画の検討やチェック作業に専念できるようになります。Googleの最新AI Gemini は日本語の税務知識にも対応しており、確定申告の強力なサポーターとなってくれるでしょう。

もちろん最終確認や意思決定はご自身で行う必要がありますが、最新AIの力を借りれば申告作業のストレスとミスは大幅に軽減できるはずです。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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