• 更新日 : 2023年12月4日

太陽光発電の売電収入には確定申告が必要?経費についてもわかりやすく解説!

太陽光発電で得た電力を販売して収入を得ると、確定申告が必要になる場合とならない場合があります。自宅で太陽光発電を行って余った電力を販売したり、事業として太陽光発電を行ったりする場合は、申告漏れを起こさないように所得税の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

太陽光発電で確定申告が必要になる条件や所得の計算方法、必要経費として計上できる費用が何かについて解説します。

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太陽光発電で確認しておきたい確定申告とは

確定申告とは1月1日から12月31日までの1年間の所得額をもとに所得税を計算して、所得が生じた翌年に確定税額を国に申告する手続きです。

太陽光発電による所得など、年間の所得額が所得控除額を超えて所得税がかかる場合には、原則として確定申告の義務が生じます。年末調整で所得税の課税関係が終了することが多い会社員でも、太陽光発電で一定の所得を得た場合には、確定申告をしなければいけません。

確定申告は申告書などの書類を税務署に持参または郵送して提出するか、e-Taxを使ってネット経由で提出すれば手続きができます。確定申告について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

太陽光発電で確定申告が必要となる条件

太陽光発電は10kWを境に住宅用と産業用に区分が分かれ、発電した電力の買取価格や買取期間が異なります。10kW未満が住宅用、10kW以上が産業用です。

住宅用か産業用かで確定申告の要否が決まるわけではありませんが、売電収入が少ない住宅用は確定申告が不要になるケースが多く、発電量が多い産業用は確定申告が必要になるケースが多くなります。

住宅用太陽光発電(発電量が10kW未満)の場合

発電量が10kW未満の住宅用太陽光発電は、産業用に比べて買取価格が高いものの買取期間は10年と短くなります。発電量が少なく売電収入はそれほど大きな額にはなりません。

会社員の場合は給与所得退職所得以外の所得が年間で20万円を超えると確定申告が必要になりますが、住宅用太陽光発電は売電による所得額が少額になることが多く、売電所得やその他の副業等による所得の合計額が20万円以下であれば確定申告は不要です。

個人事業主が事業として太陽光発電を行う場合は、売電による所得やその他の事業による所得等の合計額が所得控除額を超えて所得税がかかると、確定申告が必要になります。

産業用太陽光発電(発電量が10kW以上)の場合

発電量が10kW以上の産業用太陽光発電は、買取価格が住宅用より低いものの買取期間は20年と長くなります。一般家庭に設置される太陽光発電設備であっても、発電量が10kW以上であれば、区分としては住宅用ではなく産業用です。

産業用の太陽光発電は発電量が多く、住宅用に比べると確定申告の義務が生じるケースが多くなります。会社員は基本的に年末調整の対象になるため、企業が代わりに所得税を納税しますが、太陽光発電による所得額が20万円を超える場合は確定申告をしなければいけません。

個人事業主が事業として太陽光発電を行う場合についても、規模の大きい産業用であれば売電所得額が所得控除額を超えて所得税がかかることが多く、住宅用に比べて確定申告が必要になるケースが多くなります。

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太陽光発電における所得の区分と計算方法

所得税の計算をする場合は、所得を10種類の所得区分に分類して税額を計算します。太陽光発電による所得が該当する可能性があるのは雑所得事業所得・不動産所得の3つの所得区分です。

いずれに該当する場合でも他の所得と合算して税額を計算する総合課税の対象になります。

太陽光発電による所得の区分

太陽光発電による所得が雑所得・事業所得・不動産所得のいずれに該当するかは、どのような目的で太陽光発電が行われているかなどによって決まります。

雑所得になる場合

10種類の所得区分の中で、給与所得や事業所得など他の9種類の所得に分類されない所得が雑所得です。会社員などが住宅の屋根にソーラーパネルを設置して太陽光発電を行うような場合、売電による所得は多くのケースで雑所得に分類されます。

事業として太陽光発電を行って事業所得に該当する場合や、賃貸物件の屋根などに発電設備を設置して不動産所得に該当する場合以外は、太陽光発電による所得は基本的に雑所得です。

事業所得になる場合

事業とは対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことを指し、その事業から得られる所得が事業所得です。個人事業主や法人が太陽光発電事業を行う場合や、他に事業を行っていて付随業務として太陽光発電を行う場合、売電による所得は事業所得に分類されます。

逆に個人が自宅の屋根などに発電設備を設置して売電を行う場合は、基本的に事業とはいえないため事業所得にはなりません。仮に発電量が10kW以上で産業用に該当しても、産業用に分類することと所得税の計算で事業所得として扱うかどうかは別の話です。

事業所得に該当するかどうかは、太陽光発電を事業として行っているかどうか実態で判断します。

不動産所得になる場合

不動産所得とは、土地や建物などの不動産の貸付けなどで得られる所得です。賃貸アパートの屋根や屋上に太陽光発電設備を設置して、発電した電力をその賃貸アパートの共用部分で使用し、余剰電力を売却して所得を得た場合は不動産所得に該当します。

なお、不動産所得に該当するのは、基本的に賃貸経営など不動産業務との関連性が太陽光発電として認められる場合です。よって、賃貸物件の屋上に発電設備が設置されている場合でも、賃貸物件の共用部分で使わず全量を販売している場合は、基本的に事業所得や雑所得に該当します。

所得額とは「総収入金額から必要経費を引いた額」

所得税は所得額に税率をかけて計算し、太陽光発電による所得額は総収入金額から必要経費を引いて求めます。雑所得・事業所得・不動産所得のいずれに該当する場合でも、総収入金額から必要経費を引いて所得額を求める点は同じです。

例えば、会社員が自宅の屋根に太陽光発電設備を設置して得た売電収入が25万円、経費が7万円であれば、雑所得の金額は18万円と計算できます。会社員は給与所得・退職所得以外の所得額が20万円以下の場合、確定申告は不要なので、このケースでは確定申告をする必要がありません。

なお、自宅兼事務所の屋根にソーラーパネルを設置しているような場合、必要経費に計上する減価償却費の金額の計算では注意が必要です。事業用と家庭用の割合を合理的な基準に基づいて設定し、減価償却費を按分して計上する必要があります。

太陽光発電に課せられる税金

太陽光発電を行う方にかかる可能性がある主な税金は、固定資産税と所得税の2つです。固定資産税と所得税では課税される条件が異なり、いずれの税金も課される場合と課されない場合があります。

固定資産税

固定資産税とは設備などの償却資産や土地、家屋に課される税金で、税額は課税標準額に税率1.4%をかけた金額です。家の屋根や土地に太陽光発電の設備を設置していると、償却資産に該当し固定資産税の課税対象になる場合があります。

発電量が10kW以上の産業用の場合は固定資産税がかかり、10kW未満の住宅用でも法人や個人事業主が発電を行っていれば固定資産税の課税対象です。10kW未満の住宅用太陽光発電を個人が行う場合は、そもそも償却資産には該当せず固定資産税はかかりません。

また、住宅の屋根にソーラーパネルを設置する場合、屋根と一体型のタイプと取り外しができるタイプがありますが、屋根と一体になっていて取り外しができない場合は住宅の一部と見なされて、発電容量に関わらず固定資産税が課税されることになります。

所得税

所得税は1年間の所得額から基礎控除などの所得控除を差し引き、税率をかけて税額控除を引いて税額を求めます。会社から受け取る給料や太陽光発電による収入などを考慮して計算した結果、納付すべき所得税があれば確定申告期間内に申告と納税の手続きが必要です。

太陽光発電において認められる経費の代表例

所得税の税額を正しく計算するためには、どの費用が経費として計上できるのかについて正しく理解しておく必要があります。太陽光発電で必要経費として認められる費用を確認して、所得税の計算で漏れなく計上するようにしましょう。

減価償却費

太陽光発電設備は減価償却資産に該当するため、設備の購入費用は購入した年にまとめて費用計上するのではなく、数年に分けて減価償却費として計上します。選択できる償却方法は定額法と定率法の2つで、太陽光発電を投資目的で行う場合の償却期間は17年です。

固定資産税

産業用太陽光発電を行う場合や法人・個人事業主が住宅用太陽光発電を行う場合には固定資産税がかかり、その年にかかった固定資産税は経費として計上できます。

また、太陽光発電設備を設置するための土地を購入した場合、その土地にかかる固定資産税についても経費計上が可能です。

メンテナンス費用

太陽光発電設備のメンテナンス費用も所得税の計算で経費計上できる費用のひとつです。

法律で義務付けられた点検・任意で行う点検いずれにかかった費用も必要経費として計上できます。このとき、点検を業者に依頼した場合でも、自分で行った場合でもかかった費用を計上することが可能です。

また、単なるメンテナンスだけでなく、修理が必要になった場合には修理費用も経費として計上できますので、修理を業者に依頼した場合の費用や交換する部品の購入にかかった費用なども忘れずに計上してください。

その他の諸経費

太陽光発電に関連するものであれば、ローン利息や損害保険料、発電設備を設置する土地を借りた場合に払う賃貸料なども経費として計上できます。太陽光発電設備がある場所まで移動するときにかかった交通費や、太陽光発電について学ぶために購入した書籍代なども経費計上が可能です。

補助金を受け取った場合の取扱い

太陽光発電に関する経費がかかったとしても、自治体から補助金を受け取った場合には実質的に補填されていて費用を負担したとはいえないので、経費として計上できません。

発電設備の設置等に際して自治体から受け取った補助金がある場合には、設置費用等から補助金の額を引いた額を費用として計上しましょう。

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太陽光発電の特徴を理解して正しく確定申告しましょう

太陽光発電は発電量によって住宅用と産業用に分かれ、どちらに該当する場合でも確定申告が必要になるケースと必要にならないケースがあります。

太陽光発電による売電所得は雑所得・事業所得・不動産所得のいずれの所得区分に該当するのか、必要経費として認められる費用は何か、太陽光発電と所得税の関係を理解して正しく確定申告を行いましょう。

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よくある質問

太陽光発電で確定申告が必要となる条件は?

太陽光発電による所得額が20万円を超える場合は確定申告をしなければいけません。詳しくはこちらをご覧ください。

太陽光発電による所得が該当する可能性がある時の区分は?

雑所得・事業所得・不動産所得の3つの所得区分です。詳しくはこちらをご覧ください。

太陽光発電の設備は固定資産税に含まれる?

家の屋根や土地に太陽光発電の設備を設置していると、償却資産に該当し固定資産税の課税対象になる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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