「スマホで確定申告」のやり方を徹底解説 対象者、準備、手順は?

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2019年1月4日からスマホを利用して、確定申告書を作成し、「ID・パスワード方式」で本人確認することで電子申告までを完結できるようになりました。

2018年までは、電子申告をするためには、「マイナンバーカードの取得」や「ICカードリーダライタの購入」などの事前準備が必要でした。また、スマホで確定申告書の作成まではできても、電子申告はできませんでした。それが、今年からはスマホ上でワンストップで確定申告ができるようになります。(執筆者:税理士 伯母敏子)

スマホで電子申告ができる対象者

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、確定申告書を作成し、「ID・パスワード方式」を利用することで電子申告を行えます。スマホ一台で確定申告が完結するので、これを機にe-Taxの普及率の高まりが期待されます。

ただ、対象者は未だ限定的で、次のような要件を満たしている場合のみとなります。例えば、年末調整が済んだ会社員の方がふるさと納税のために確定申告する場合などが考えられますね。

<スマホで電子申告するときの条件>

・平成30年分(2018年分)の確定申告である
・1か所からのみ給与を受給している
・給与所得以外の所得がない
・勤務先で年末調整が済んでいる
・医療費控除や寄付金控除のために確定申告をする
・年末調整で受けた控除の追加がない
・年末調整の内容に変更がない

スマホで確定申告する前に準備するもの

スマホで確定申告書を作成する前に、まず事前準備をしましょう。手元に次の書類等を揃えておくとスムーズに進めることができます。

<スマホで確定申告書を作る前に揃える書類等>

・給与所得の源泉徴収票
 支払金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額等を記載します。

医療費控除の書類
 医療費控除を受ける方は、「医療費控除」を適用するのか、「セルフメディケーション税制」を適用するのかを国税庁の「確定申告書等作成コーナー」内で試算することができます。そのためには、あらかじめ支払った医療費の総額、特定一般用医薬品等購入費の合計額を計算しておく必要があります。病院・薬局ごとに集計しておくと簡略化できます。

>>確定申告の医療費控除について詳しく知る!

・寄付金控除の書類
・マイナンバー(記載箇所あり)
・還付される口座の口座番号(インターネット専用銀行は一部不可)
・ID・パスワード方式の届出完了通知

電子申告では、源泉徴収票などの添付書類の提出を省略することが可能です。しかし、法定申告期限である2019年3月15日から5年間は、税務署等から提示または提出を求められることがありますから、保存しておく義務があります。

スマホで確定申告書を作る手順

準備するものが分かったら、次にスマホで確定申告書を作る手順を説明します。

①「確定申告書等作成コーナー」で作成開始する

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、[作成開始]をクリックします。

②申告内容に関する質問に答える

今回、申告する内容について、「平成30年分(2018年分)か」「勤務先の年末調整は済んでいるか」などを聞かれるので答えます。

3.申告書の提出方法は[e-Tax]を選択する

[e-Tax(電子申告)]か[書面]を選択できるので、[e-Tax]を選びます。

④利用規約を確認する

利用規約を確認したら、[利用規約に同意して次へ]をクリックします。

⑤利用者識別番号を入力する

「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されている利用者識別番号を確認し、入力します。

⑥源泉徴収票の情報を入力する

お手元の源泉徴収票をもとに、「支払金額」「所得控除の額の合計額」などを入力していきます。

⑦医療費控除や寄付金控除について入力する

医療費控除、寄付金控除(ふるさと納税の寄附も該当)を受ける方は入力します。

⑧本人情報を入力する

名前や生年月日を入力していきます。

⑨電子申告データを送信する

⑩受付結果を確認する

これでスマホでの確定申告書作成、電子申告が完了です。

「ID・パスワード方式」を利用するための準備

スマホで電子申告をするには、「ID・パスワード方式」を利用する必要があると冒頭でお伝えしましたね。この「ID・パスワード方式」を利用するためには、税務署の窓口で利用者識別番号と暗証番号の交付手続きが必要となります。これはインターネットや郵便などでは手続きできず、納税者本人が最寄りの税務署に足を運ぶことになります。

それでは、必要な書類、届出の時期、届出先についてみていきましょう。

必要な書類

持参する必要書類は「本人確認書類」です。本人確認書類とは、運転免許証、マイナンバーカード、公的医療保険の保険者証などが利用できます。

手続きを終えると、その日のうちに「ID・パスワード方式の届出完了通知」が発行されます。完了通知に記載された「利用者識別番号」と「暗証番号」を利用して電子申告ができるというわけです。

届出の時期

まず届出ができる時期ですが、税務署が開庁している日であれば一年中受付をしています。確定申告期間に限定されているわけではありません。

届出先

届出先は「税務署の窓口」です。税務署といえば納税地にそれぞれ管轄の税務署が存在するため、管轄税務署の窓口なのかというとそういうわけでもありません。職場の近くであるなど、手続きに便利な税務署を選択することも可能で、原則はどこの税務署でも受付しています。

こんな場合はスマホ対応していない

事業所得、不動産所得、雑所得など、給与所得以外にも所得がある場合はスマホで完結させることはできません。また、給与所得のみだったとしても、次のようなケースで電子申告をする場合にはPCからのみの対応です。

<スマホで電子申告できないケース>
・事業所得、不動産所得、雑所得など、給与所得以外にも所得がある

<PCからのみ電子申告ができるケース>
・平成29年分(2017年分)以前の確定申告である
・2か所以上から給与を受給している
・年末調整が未済である
・年末調整で受けた控除の追加や変更がある

これからの電子申告はどうなるのか?

2019年1月4日から始まったスマホでの電子申告ですが、上記のように対象者を絞った上でのスタートとなりました。電子申告がより身近になるかもしれませんが、「ID・パスワード方式」は、マイナンバーカードとICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な措置で、概ね3年を目途に見直しをするとされています。

また、青色申告者は2020年分以後の所得税の計算において、青色申告特別控除額がこれまでの65万円から55万円に改正になります。ただし改正後の青色申告特別控除額は、e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行うことで、引き続き65万円を保つことができることになっています。

いずれは電子申告を始めることになるのであれば、きっかけとして「ID・パスワード方式」でチャレンジしてみてください。その便利さを実感できるかもしれませんよ。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2019年1月15日)のものです。

伯母敏子税理士の記事一覧

■2018年12月20日掲載:
【2018年版】「源泉徴収票」の見方を解説 チェックすべき項目はここ!

■2018年12月10日掲載:
東京都「ふるさと納税減収」 豊洲移転に五輪経費…財源は大丈夫?

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:伯母 敏子(税理士)

伯母敏子税理士事務所
大学卒業後、大手リース会社の営業職として中小企業経営者に向けた融資、リース契約、保険の販売等様々な金融商品の取り扱いを経験。その後、個人税理士事務所へ転職。平成27年に税理士試験合格。平成28年4月に税理士登録、平成29年11月に伯母敏子税理士事務所として独立開業。現在は新宿区神楽坂にて中小企業の経営、事業承継、法人成り、クラウド会計、経理事務改善の提案等のサポートを通じて中小企業経営者向けサービスを提供している。



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