源泉徴収される特定口座は使い方次第!

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「特定口座」という聞き慣れない言葉から、その目的や使い方がよく分からないという人もいるのではないでしょうか。実は、金融取引業者のもとに作る「特定口座」は上手く利用すれば、初心者の投資にとって便利なものです。

ここでは、特定口座の賢い使い方や確定申告をしたほうが有利になるケース、不利になるケースなどを解説します。

特定口座と確定申告の関係

証券会社などで金融商品を購入するとき、「特定口座」を開く場合があります。口座といっても、銀行口座のように金銭の出し入れを目的としたものではなく、将来的に売却する株式や投資信託などを計算して管理する帳簿のような役目を果たすものです。

特定口座を開設すると、取引によって生じる所得は証券会社などの取引業者がすべて計算してくれます。さらに、確定申告のために1年分の売買損益を記載した「特定口座年間取引報告書」を作成し、翌年の1月末までに郵送してくれる段取りになっています。そのため、納税者は簡単に申告を済ませることができます。

また、特定口座では、源泉徴収のありかなしかを選ぶことができます。「源泉徴収なし」の口座を「簡易申告口座」、「源泉徴収あり」の口座を「源泉徴収口座」といいます。

「源泉徴収あり」を選択するときは、その年の最初の譲渡の時までに、取引業者に「特定口座源泉徴収選択届出書」を提出します。「源泉徴収口座」の場合は、原則的には確定申告は必要ありません。

ただし、源泉徴収の有無は一度決めたら年の途中では変更することができないと定められています。

特別口座の開設から、源泉徴収の有無に基づき、確定申告までをまとめた図は、以下のとおりになります。
151_図
(参照:No.1476 特例口座制度|株式投資等と税金|国税庁

確定申告したほうが有利になるケース

源泉徴収口座の場合は確定申告をしなくてもいいのですが、以下のようなケースでは、必要に応じて確定申告をしたほうが有利になることもあります。

・他の証券会社の取引に、損益通算できる譲渡損失がある場合
・利益が所得控除(基礎控除や扶養控除)の限度額におさまる場合
・上場株式にかかる譲渡損失を繰越控除する特例の適用を受ける場合

上場株式にかかる譲渡損失の繰越控除のメリットとは

源泉徴収口座内で、上場株式の譲渡損失が生じた場合、その年分の上場株式などから生じた配当所得の金額と損益通算をすることができます。

損益通算してもその年に控除しきれない売却損分は、翌年から3年間にわたって、確定申告をする際に、株式譲渡や配当金で得た所得金額から控除することが可能です。(ただし、このときに相殺できる配当所得は、申告分離課税を選択した分のみとなります。)

また、繰越控除をする際には、株式などの譲渡がない年があったとしても譲渡損失を翌年に繰り越すために、3年間継続して毎年確定申告書を提出しなければなりません。
(参照:No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除|株式投資等と税金|所得税|国税庁

確定申告すると不利になるケース

一方で、確定申告ができるからといって、しないほうがいいこともあります。株式の売却によって得た利益が所得に加算されると困るケースです。

・配偶者控除の要件を超える所得になってしまい、配偶者控除が受けられなくなる場合
・国民健康保険料や住民税の計算の根拠が増えて、翌年度の保険料や住民税が増額される場合、住民税の申告不要を選択した場合、住民税の所得に加算されない。

たとえば、配偶者控除を受けている専業主婦、扶養家族などは、特定口座を持っている場合でも「源泉徴収あり」を選択することをお勧めします。

まとめ

証券会社などで金融商品を購入するときに開設する「特定口座」は、使い方次第で便利かつ有用なものになります。源泉徴収をするかどうか、確定申告をするかどうかは、自分の利便性や他の収入の状況を計算した上で判断するようにしましょう。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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