国民健康保険料の控除額

今回は確定申告時に受けることができる国民健康保険料の控除額について解説します。
例えばあなたが自営業を営む個人事業主であったり、年度内に退職した人の場合、または転職活動中の人は国民健康保険被保険者に該当するため、国民健康保険料を支払うことになります。この国民健康保険料は、確定申告の際に控除を受けられる可能性があります。

控除を受けるために「確定申告が必要な場合」と「申請をしなくてもいい場合」

確定申告をする人全員が、国民健康保険の控除を申請する必要がある訳ではありません。申請が必要かどうかは、年末調整をしたかどうかで判断することになります。

控除を受けられるかどうかを知る方法

年末調整というのはわかりやすく言うと「会社があなたの代わりに確定申告をすること」です。したがって、年末調整を受けた人は、既に社会保険料控除が適用されているため、国民健康保険の控除を受けることができません。

1/1〜3/31は国民健康保険で、4/1から会社の健康保険に切り替えた場合

年度途中でフリーターから社会人になった場合など、国民健康保険から健康保険に切り替えた人が該当します。所得税の計算期間は1/1〜12/31と定まっており、一般的な会計年度4/1〜3/31とズレることが考えられます。そのため、国民健康保険から健康保険に切り替えた場合、イレギュラーな対応が必要になります。

・年末調整の際に、会社にやってもらう

前職の源泉徴収票を人事関連の部署に渡せば、源泉徴収簿で現職の給与データと合算して、年末調整を行ってくれます。

またそれ以外に、あなたが国民年金や国民年金基金を支払っていた場合には、『給与所得者の保険料控除申告書及び配偶者特別控除の申告書』内にある『社会保険料控除』という欄に、以下を記載することで年末調整のときに控除申告を会社にお願いすることができます。

[社会保険の種類:国民年金]
[保険料支払先の名称:日本年金機構]
[保険料を負担することになっている人:あなたの氏名]
[あなたとの続柄:本人]
[本年中に支払った保険料の金額:納入した合算金額]

・年末調整時に、控除申告し忘れた場合

会社からもらった源泉徴収票を持参して、確定申告をすることで、社会保険料控除の適用を改めて受けることができます。

退職後も、健康保険を任意継続していた場合

退職したあとも、健康保険の保養施設などを利用できるメリットがある『任意継続』を選択することもできます。

・退職後、会社に勤めていなければ、確定申告の社会保険料控除の適用対象となります。
・退職後、会社に勤めていれば、年末調整時に社会保険料控除として申告することができます。

介護保険料、国民年金基金、労働保険料…国民健康保険料以外に払ったものがある場合

国民健康保険料だけではなく、いわゆる「社会保険」と称されるものはほとんど、控除対象になります。介護保険料や労働保険料も、控除対象となります。

ただし、国民年金と国民年金基金も同様に控除できますが、証明書類が必要となります。言い換えれば、国民年金と国民年金基金以外の保険料は、自己申告の金額となります。

年末調整後、医療費控除や住宅ローン控除で確定申告をする場合

年末調整後に、医療費控除や住宅ローン控除を受けるために、確定申告する方も多いでしょう。そのようなときに、『社会保険料控除』という欄に自分が支払った(給与から控除された)健康保険の健康保険料1年分を記載される方がいらっしゃいますが、これは申請する必要がありません。

なぜなら、年末調整時に社会保険料はすでに控除されているので、確定申告のときに申請すると、二重申告となってしまうためです。

控除額の計算方法

それでは実際の数値を使って、どのくらい控除されて、減税効果があるのかを見ていきましょう。

控除額の計算方法

1/1〜3/31の国民健康保険分を社会保険料控除として「申告しなかった」場合

1.年間給与総額350万円だったと仮定します。
2.給与総額に対する徴収税額は10万円。
3.給与所得控除後の給与等の金額227万円は、給与所得控除後の金額の算出表に当てはめて導きます。
4.給与から天引きされた健康保険の合計額40万円でした。
5.社会保険料控除 申告による控除分は、申告し忘れたので0円とします。
6.基礎控除38万円は誰にでも控除されるものです。
7.算出所得税額を求めます。227万円から控除するものすべてを減算します。
227万円 -(40万円+38万円)=149万円
8.この149万円を『国税庁:年末調整のための算出所得税額の速算表』に当てはめると、算出所得税額74,500円を導くことが出来ます。
9.この74,500円に102.1%を乗じたものが、本来納めるべき正しい納税額となります。
74,500×102.1%=76,064.5≒76,000円
10.本来の納税額から2の徴収税額10万円を減算したものが、納めすぎた税金すなわち取り戻せる金額となります。
76,000-100,000=-24,000円
※マイナスの数値になればなるほど、納めすぎた分として取り戻すことができます。

1/1〜3/31の国民健康保険分を社会保険料控除として「申告した」場合

1.年間給与総額350万円だったと仮定します。
2.給与総額に対する徴収税額は10万円。
3.給与所得控除後の給与等の金額227万円は、給与所得控除後の金額の算出表に当てはめて導きます。
4.給与から天引きされた健康保険の合計額40万円でした。
5.社会保険料控除 申告による控除分に、1/1〜3/31に納めた25万円を記入します。
6.基礎控除38万円は誰にでも控除されるものです。
7.算出所得税額を求めます。227万円から控除するものすべてを減算します。
227万円-(40万円+25万円+38万円)=124万円
8.この124万円を『国税庁:年末調整のための算出所得税額の速算表』に当てはめると、算出所得税額62,000円を導くことが出来ます。
9.この62,000円に102.1%を乗じたものが、本来納めるべき正しい納税額となります。
62,000×102.1%=63,302≒63,300円
10.本来の納税額から2の徴収税額10万円を減算したものが、納めすぎた税金すなわち取り戻せる金額となります。
63,300-100,000=-36,700円

申告し忘れた場合の-24,000円と比較すると、申告したほうが12,700円還付される金額が多いことがわかります。

このように、7で減算するときの控除金額が多ければ多いほど、課税所得を抑えることができるので、税金が安くなることになります。控除できるものが多ければ多いほど納税額を減らすことができます。

まとめ

確定申告で納税となる場合の申告期限は例年2月中旬から3月中旬まで、還付申告の場合は1月1日から可能です。

確定申告で国民保険料の控除を受ける場合には、早めに金額確認等を行い、忘れずに申告するようにしましょう。



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