- 更新日 : 2025年2月6日
個人事業主が屋号付き口座を開設するメリットは?手続きの流れや準備について解説
個人事業主が屋号付き口座を作るメリットとして、事業資金と個人資金を明確に分けられることが挙げられるでしょう。取引先や顧客からの信頼性の向上を期待できます。
本記事では、個人事業主が屋号付き口座を開設するメリットや注意点、開設方法について詳しく解説します。
目次
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屋号付き口座とは
屋号付き口座とは、個人事業主が事業において使用する「屋号」を口座名に付与して開設する銀行口座を指します。
なお、屋号は個人事業主がビジネスで使用する通称であり、法人における会社名に相当するものです。ただし屋号は、法人のような別人格は有しません。また個人事業主であれば屋号を持たなければならないわけではなく、屋号なしで事業を展開している個人事業主も存在します。
通常の銀行口座との違い
通常の口座と屋号付き口座の主な違いは、口座名義の表記方法です。通常の口座が個人名のみの名義であるのに対し、屋号付き口座は「屋号+個人名」または「個人名+屋号」の形式で表記されます。
また、口座開設の手続きにあたっての必要書類も異なります。屋号付き口座では屋号の確認書類の提出が求められることに加え、事業実態を示す書類も追加資料として必要になるケースがあります。
開設目的も異なり、通常口座が生活用であるのに対し、屋号付き口座は事業専用の入出金管理が目的です。
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個人事業主が屋号付き口座を開設するメリット・注意点
屋号付き口座は、個人事業主にとって多くのメリットがある一方で、事前に押さえておくべき注意点も存在します。
ここでは、屋号付き口座を開設することで得られるメリットと、開設時や運用時に気を付けるべきポイントについて詳しく解説します。
メリット
屋号付き口座のメリットとしては、事業用の資金と個人的な資金を分けて管理しやすくなる点が挙げられます。個人の口座に事業の売上が振り込まれると、プライベートな引き落としと事業経費の支出が混在し、帳簿の整理や確定申告の際に混乱を招きやすくなります。
しかし、屋号付き口座であれば、基本的には事業関連の資金だけを扱うため、経理処理を効率的に進められます。税理士などが関与する場合は、プライベートな支出は見せずに済むメリットもあるでしょう。
また、取引先に対しても屋号付き口座を提示することで、「きちんと事業として活動している」という信頼感を与えられます。さらに、屋号付き口座を経営管理の面で活用することにより、今後、事業の融資や拡大を図る際の対外的なアピール材料になるでしょう。
注意点
屋号付き口座は通常の個人口座とは異なる審査を受けることもあるため、開設には必要書類が増えたり、手続きに時間がかかったりすることも少なくありません。
銀行によって審査基準が異なるうえ、申請内容や事業歴によっては開設が難しくなるケースもあります。また、すべての銀行で屋号月口座の開設ができるわけでないため、希望する銀行で開設できないケースもあることには注意しましょう。
個人事業主が屋号付き口座の開設に準備するもの
屋号付き口座を開設するには、金融機関が指定する提出物をもれなくそろえる必要があります。
不備があると審査が進まなかったり、開設が遅れたりする原因になるため、適切に事前準備を行うことが大切です。ここでは、個人事業主が屋号付き口座の開設に準備するものを紹介します。
本人確認書類
屋号付き口座の開設には、本人確認書類として 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどの顔写真付きの公的な身分証明書が必要です。これは個人向けの口座でも屋号付きでも変わりません。
なお、顔写真付きの身分証明書がない場合は、住民表の写しや戸籍の附票の写し、健康保険証、年金手帳などの複数の公的書類で本人確認に対応していることがほとんどです。ただし有効な書類の組み合わせなどが銀行によって異なるケースもあるため、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
個人事業の確認書類
屋号付き口座を開設するのであれば、「事業を営んでいる」ことを確認できる書類の提出が求められます。
なお、すでに事業を営んでいて確定申告を行っている場合は、直近の確定申告書、所得税や地方税の納税証明書または領収書などを提出するケースがほとんどです。金融機関が「事業の実態がある」と判断できる資料が必要になるため、該当する書類をきちんとそろえておきましょう。
屋号の確認書類
税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」や、青色申告を行う場合の「所得税の青色申告承認申請書」を提出している場合は、その控えなどが屋号の確認書類になります。
屋号の印刷されたパンフレットやフライヤー、屋号での営業の事実を示す公共料金の領収書などの資料も確認書類として認められるケースもありますが、これもどの書類が有効なのかは金融機関によって異なるため、確認が必要です。
届出印
通常の銀行口座を開設する際と同様に、届出印が必要です。届出印とは、金融機関に「これが届出印です」として登録する印鑑のことです。
個人用の銀行口座とは別に、屋号付き口座のために新たに印鑑を作る場合もあれば、すでに屋号入りの印鑑を用意している場合はそれを利用するケースもあります。なお、インクを含んだスタンプ式の印鑑は避けましょう。
個人事業主が屋号付き口座を開設するまでの流れ
屋号付き口座を開設するには、各金融機関の定める手続きや審査基準を踏まえながら進める必要があります。以下のような流れが一般的ですが、金融機関によって細部は異なる場合があるため、事前に必要書類や条件を確認することが大切です。
開業届の提出を行う
屋号付き口座を開設するには、銀行での手続きの前に屋号を届け出る必要があります。個人事業として活動する際に税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」に、屋号を記載して提出しましょう。
開業届を提出すると、個人事業主として正式に税務署に登録される形となり、開業日や事業内容などが記載された控えが手元に残ります。この開業届の控えが、後の屋号付き口座開設時に重要な確認書類として使われることが多いため、紛失しないように保管しておきましょう。
必要書類を準備する
屋号付き口座の開設に必要な書類としては、基本的に前項の「個人事業主が屋号付き口座の開設に準備するもの」に挙げた本人確認書類と屋号の確認書類です。
金融機関によっては、事業内容を証明するものなど追加書類の提出を求めるケースもあります。
金融機関で口座開設の申込みを行う
必要書類が揃ったら、希望する金融機関に赴く、もしくはネット銀行の場合はオンライン上で申請手続きを進めますが、屋号付き口座は窓口での対応となるケースが多い傾向があります。
窓口やオンラインフォームで「屋号付き口座を作りたい」と伝え、用意した書類を提示・提出することで審査が行われます。金融機関の担当者から事業内容や開業の時期、今後の入出金の見込みなどを尋ねられる場合もあるため、口頭で説明できるようにしておくと手続きが円滑に進みやすいでしょう。
ネット銀行の場合は書類を郵送するか、オンラインアップロードによって送付する方式が一般的です。
審査を経て口座開設完了
書類に不備がなく、金融機関側が問題なしと判断すれば、屋号付き口座が開設されます。審査期間は金融機関によってまちまちで、数日から数週間かかる場合もあります。
口座開設が完了すると、通帳やキャッシュカード、ネットバンキングの情報などが手元に届きます。
屋号付き口座を開設できる金融機関
個人事業主が屋号付き口座を開設できる金融機関は多岐にわたりますが、それぞれ取扱い条件や審査基準、手数料などに違いがあります。
自身の事業スタイルや利用目的に合った金融機関を選ぶことが大切といえるでしょう。ここでは、主な金融機関の種類と特徴的なポイントを紹介します。
メガバンク
都市部を中心に全国展開している大手銀行(いわゆるメガバンク)では、屋号付き口座を開設できるケースがほとんどです。店舗数やATMの設置数が多いため、現金での取引が多い個人事業主にとっては利便性が高いでしょう。
ただし審査が厳しい傾向があり、手数料も比較的高めです。
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
これらのメガバンク銀行は、いずれも屋号付き口座の開設が可能です。
ネット銀行
近年、多くの個人事業主がネット銀行で屋号付き口座を開設しています。ネット銀行は店舗を持たない分、口座維持手数料や振込手数料が比較的安価だったり、24時間いつでもオンラインで申込みができたりする点がメリットです。
以下のネット銀行は、屋号付き口座の開設ができます。
- PayPay銀行
- 楽天銀行
- GMOあおぞらネット銀行
地方銀行・信用金庫
地域密着型の地方銀行や信用金庫でも、屋号付き口座を開設することは可能です。地元企業や個人事業主を支援する姿勢が強いため、事業内容や地域での活動実態を詳しく説明すれば、メガバンクより柔軟に対応してもらえる場合もあります。
特に、商店街や地域コミュニティと連携した事業を行っている場合には、地元の金融機関と関係を築くメリットが大きいでしょう。
信託銀行
信託銀行は、大口の資金管理や資産運用など特殊なサービスに強みを持っているところが多いため、将来的に資産運用や相続関連の業務を見据えている個人事業主であれば、相談先として視野に入れておくのも方法のひとつです。
ただし屋号付きの口座開設を行っている信託銀行はあまりないのが現状です。一部の信託銀行では屋号付き口座を取り扱っている場合もありますが、一般の銀行と比べると、取り扱い店舗数が少なく、口座開設条件が限られていることがあるため、事前に問い合わせることをおすすめします。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行で屋号付き口座を開設する場合は、振替口座として開設になります。振替口座は通帳の交付がないため、注意しましょう。
全国各地に窓口があるので、地方に住んでいる個人事業主でも利用しやすいメリットがあります。
屋号付き口座は開業前に開設できる?
基本的に、開業届提出前の段階での屋号付き口座開設はできません。
その理由としては、事業実態や屋号の確認書類(開業届の控えなど)の提出が口座開設の条件のひとつであるためです。屋号は開業届に記載し、税務署に届け出て受理されたのちに「屋号」として使用できます。
そのため原則としては、開業後に手続きを行うことになります。
屋号付き口座の名義は屋号のみで開設できる?
個人事業主が屋号付き口座を作る際の名義は、「屋号+個人名」または「個人名+屋号」であり、原則として屋号のみでの開設はできません。
屋号はあくまでも通称であり、法人のように別人格を持つわけではないため、屋号単独での開設は不可のケースがほとんどです
屋号付き口座にはメリットが多い
個人事業主が屋号付き口座を開設することで、事業資金と個人資金を分けやすくなり、経理作業や帳簿付けの効率化が期待できます。また、取引先の信頼感を得やすくなるのも大きな利点です。
開設後に得られるメリットや、将来の事業拡大や法人化のステップを考えると、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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