- 更新日 : 2021年7月28日
退職所得を確定申告したほうがいいケースとは?
定年退職や中途退職などで会社を辞めた場合、一般的には退職金を受け取ります。
会社は退職金を支給する際に源泉徴収を行いますので、退職金受給者は源泉徴収後の退職金を受け取ることになります。
ここで問題になるのは、退職所得を確定申告しなければならないかということです。
退職後同年内に再就職する場合や会社へ退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出済の場合、退職所得の確定申告は必要ありません。
退職の際、「退職所得の受給に関する申告書」を会社へ出さなかった場合や所得税過納の可能性がある場合などは、確定申告をすると税金の還付を受ける可能性があります。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。
この記事を読む方におすすめ
税理士監修で、40ページ以上の情報がギュッと詰まったお得な1冊となっていますので、毎年使える保存版としてご活用ください。
「マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。
取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに記帳・書類を作成。来年の確定申告は余裕を持って対応できます。
PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。

退職所得とは
退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金なども退職所得となります。
退職所得の計算方法
退職所得額の計算方法は、(退職に基因する源泉徴収前の収入金額-退職所得控除額)×2分の1となります。
確定給付企業年金規約に基づいて支給される退職一時金などで、従業員自身が負担した保険料又は掛金がある場合には、その支給額から従業員が負担した保険料又は掛金の金額を差し引いた残額を退職所得の収入金額とします。
ただし、役員等としての勤続年数が5年をきる人が、その勤続年数に応じた退職金を受け取る場合は、「退職金の額マイナス退職所得控除額」が退職所得額となります。(平成25年分以後の適用)
「役員等としての勤務年数」とは勤続年数のうち役員等として働いた期間(1年未満切り上げ)です。
また「役員等」とは会社の取締役、執行役、監査役、理事、清算人等のほか、国会議員および地方公共団体の議員や国家公務員、地方公務員を含みます。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
退職所得控除額の計算方法
退職所得控除額は、次のように計算します。
(例)勤続年数が8年4カ月月の人の退職所得控除額
40万円×9年(端数の4カ月は1年に切上げ)=360万円
・勤続年数20年超の場合の退職所得控除額は800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。
(例)勤続年数が25年の人の退職所得控除額
800万円+70万円×(25-20年)=800万円+70万円×5年=1150万円
退職所得控除額についての注意点
2.前年以前に退職所得を受け取ったことがあるときや、同年に2カ所以上の会社より退職金を受け取ったときの控除額計算は違う場合がある。
税額の計算方法
退職所得税額の計算は、原則的に他の所得とは別に行います。
退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社へ提出した人は、会社が所得税額の計算をし、正しい源泉所得税額を徴収するので、原則的に確定申告が必要ありません。
「退職所得の受給に関する申告書」の提出をしなかった場合は20.42%が源泉徴収されるため、退職者本人が確定申告をし、所得税額の精算をすることになります。
退職金に対する源泉徴収
会社は役員や使用人に退職金を支払った際は、所得税と復興特別所得税を源泉徴収し、原則翌月の10日までに納税します。
退職金の源泉徴収税額は、退職者が「退職所得の受給に関する申告書」を提出しているかいないかにより変わります。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は退職者本人が確定申告をする必要はありません。ただし、確定申告をするほうがいい場合もありますので注意が必要です。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出してない場合は、一律20.42%の所得税および復興特別所得税が源泉徴収されることになるため、退職者本人が確定申告することになります。
ただし、死亡退職による退職金のうち相続税の課税の対象となるものは源泉徴収しなくてもかまいません。
マネーフォワード クラウド会社設立は、個人事業主が法人成りを検討したほうがよいタイミングをまとめた「法人化を検討すべき7つのタイミング」を無料で用意しております。
創業支援に強い税理士監修で、ポイントがまとまったお得な1冊となっていますので、ぜひ将来を見据えた情報収集でご活用ください。
確定申告をしたほうが良い場合
どのような場合に退職所得の確定申告をしたほうがいいのでしょうか?年の途中で退職した場合と他の赤字所得がある場合の事例について説明します。
まず、年の途中で退職し,再就職をしなかったケースでは、所得が小さく源泉徴収された税額が多すぎることがあります。
退職年の所得が少ない場合、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除等の所得控除を全て控除できていないことがあるからです。このような場合には、退職所得を含めて確定申告することで源泉徴収税の還付を受けることができます。
退職者に不動産所得や事業所得があり赤字の場合
退職者がアパートなどの不動産経営をしていて退職した年の不動産所得が赤字になった場合や、退職後に事業を始め、その事業所得が赤字になった場合等は確定申告で退職所得と損益通算できます。
ただし、退職所得と損益通算する前に、まず事業所得や不動産所得の赤字を給与所得、配当所得、雑所得とで損益通算しなければなりません。
そのうえで、まだ損益通算しきれない赤字がある場合に退職所得と損益通算でき、還付金を受け取ることができます。
退職所得を含めた確定申告は源泉徴収税の還付を受けられる可能性があると同時に、確定申告した所得は次年度の住民税や社会保険料の算定基準になるので、翌年の税金軽減のためにも大切です。
退職した人はとりあえず退職所得の試算をしてみてはいかがでしょうか。疑問点があるときには所轄の税務署に相談に行くことをお勧めします。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得

銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案

自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能

白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える
有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む11サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。

合わせて読みたいおすすめ資料
マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。会社員の確定申告 丸わかりガイド

青色申告1から簡単ガイド

個人事業主が知っておくべき経費大辞典


マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
退職所得とは?
退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金なども退職所得となります。詳しくはこちらをご覧ください。
退職所得額の計算方法は?
(退職に基因する源泉徴収前の収入金額-退職所得控除額)×2分の1となります。詳しくはこちらをご覧ください。
確定申告をしたほうが良い場合とは?
退職年の所得が少ない場合、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除等の所得控除を全て控除できていないことがあり、その場合には、退職所得を含めて確定申告することで源泉徴収税の還付を受けることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
退職の関連記事
新着記事
個人事業主は事業用口座を開設すべき?メリットや開設方法、注意点を解説
個人事業主は、事業用口座を開設することができます。事業用口座とは個人の事業用で、口座名義に屋号を入れるなどができる口座のことです。 この記事では、事業用口座の概要や事業用口座を開設するメリット・デメリット、開設するタイミング、開設方法などを…
詳しくみる個人事業主におすすめの店舗火災保険とは?保険料の相場や比較ポイントなど
店舗を構えて事業をしている個人事業主は、店舗火災保険に加入したほうがよいでしょう。なぜなら万が一、店舗が火災にあっても一定の補償を受けられるからです。 店舗火災保険は、保険会社によって保険料などが違います。今回は、店舗火災保険の保険料の相場…
詳しくみる個人事業主も社会保険適用拡大の対象!常時5人以上の個人事業所の対応を解説
社会保険の適用拡大により、個人事業主も社会保険加入が必要です。この記事を読めば、「個人事業主で社会保険が対象になる基準は?」「社会保険適用の事務手続きがわからない」という悩みを解決できます。本記事で、社会保険適用拡大の概要や、社会保険の仕組…
詳しくみる保険外交員はなぜ個人事業主?メリットや確定申告・経費についても解説
保険外交員とは、保険契約の勧誘や代理、契約後のサポートなどを行う職種です。本記事では、保険外交員の雇用形態をはじめ、個人事業主として働くメリットやデメリットについて解説します。 保険外交員にまつわるよくある質問と回答も取り上げるため、興味を…
詳しくみる個人事業主は圧縮記帳を使えない!国庫補助金等の総収入金額不算入について解説
圧縮記帳とは、課税の繰り延べをする会計処理のことを指します。税法で規定されており、企業が国からの補助金を利用して固定資産を取得した際に用います。そのため、個人事業主の場合には使えません。本記事では、圧縮記帳の概要や圧縮記帳を活用するメリット…
詳しくみる個人事業主の美容師とは?メリットや年収、経費や確定申告などを解説
個人事業主の美容師とは、法人を設立せずに独立して事業を営む美容師の方を指します。個人事業主として活躍していくためには、独立後の働き方や税務手続き、収入の安定性などを考慮する必要があります。本記事では、個人事業主の美容師の働き方や年収、メリッ…
詳しくみる