- 更新日 : 2021年7月7日
白色申告で経費にできるもの
今回は白色申告の際に経費にできるものについて、青色申告の場合と比較しながら確認していきたいと思います。なお、経費とは事業にかかった費用のことを指し、白色申告において経費の上限はありません。
白色申告で経費にできるもの
1. 商品の発送に使った運送費や梱包品
商品などの荷造りに使うガムテープや段ボール箱などの梱包材の購入費、商品発送時の宅配便などの配送料は経費に入ります。
2. 業務に必要な交通費
事業のために使った電車・バスなどの公共交通機関利用時にかかった運賃、有料道路の通行料、駐車料金、宿泊代などは経費に入ります。
3. インターネット代や通信費
事業で用いるインターネット代や電話代も経費に入ります。
なお、電話などを事業と私用で兼用している場合には、電話代の中で事業用に使用している部分が経費に入ります。
4. 取引先に対する接待費
取引先との飲食費などは経費に入ります。
5. 器具、備品などの修理費用
機械設備・器具備品などの修理代は経費に入ります。
6. 文房具などの備品
文房具などの事務用品、机・椅子などのオフィス家具のような少額の備品は消耗品費として経費に入ります。
7. 事業に関わる保険料
商品などを対象とする損害保険料、事業に用いている自動車のための自動車保険料は経費に入ります。また、損害保険料・自動車保険料でも経費に入るのは、事業で使用している部分のみとなります。なお、事業主自身の生命保険料は経費に入りません。
8. 事業用に使う自動車に関わる費用
事業用の自動車に関わる費用は経費に入ります。ただし、経費に入るのは事業に使用している部分のみとなります。
9. 事業に関連する書籍や新聞の購読費用
書籍の購入や新聞の購読など勉強のために使った費用は、その支出が事業に関係があるということが説明できれば経費に入れることができます。
10. 白色申告者の事業専従者控除
以下2つの金額のうち低い金額を上限として経費とすることができます。
(1)事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円
(2)事業専従者控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額
白色申告の事業専従者控除を受けるための条件は、次のとおりです。
(1)白色申告者の営む事業に事業専従者がいること。
事業専従者とは、次の要件のすべてに該当する人をいいます。
・白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
・その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
・その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。
(2)確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載すること。
なお、青色申告の専従者給与は上限がなく、全額を経費として計上することができます。
ただし、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出している場合に限られます。
白色申告と青色申告の経費の取り扱いの違い
売上や経費に関して、青色申告では損益計算書を決算書として作成するのに対して、白色申告では収支内訳書を決算書として作成し、毎年3月15日までに税務署へ提出する必要があります。
損益計算書では、製造原価や貸倒引当金への繰入額の計算を行うなど、収支内訳書に比べて記入する項目が多くなるほか、収支内訳書と異なり月ごとの売上の明細を報告しなければなりません。
なお、白色申告の際には、従来では、事業所得・不動産所得・山林所得の合計収入が300万円以上となる事業主に限り、記帳を行う義務が発生していましたが、2014年1月1日から売上が300万円未満の事業者も含め、すべての事業主に対して記帳を行なうことが義務付けられるようになりました。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
白色申告で経費にできるものは?
商品の発送に使った運送費や梱包品、業務に必要な交通費、インターネット代や通信費、取引先に対する接待費、器具・備品などの修理費用などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
白色申告者の事業専従者控除を受けるための条件は?
白色申告者の営む事業に事業専従者がいることと、確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載することです。詳しくはこちらをご覧ください。
白色申告と青色申告の経費の取り扱いの違いは?
売上や経費に関して、青色申告では損益計算書を決算書として作成するのに対して、白色申告では収支内訳書を決算書として作成し、毎年3月15日までに税務署へ提出する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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