• 更新日 : 2023年12月7日

仮想通貨(暗号資産)取引で確定申告は必要か不要か?やらない場合はどうなる?

仮想通貨(暗号資産)取引で確定申告は必要か不要か?やらない場合はどうなる?

ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)取引で利益が出た場合、一定の条件を満たすと確定申告が必要になります。この記事では、仮想通貨取引で初めて利益が出た人でも確定申告について正しく理解できるよう、必要な場合と不要な場合、所得の計算法や課税方式、仕訳をする際の勘定科目などについて紹介していきます。

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仮想通貨(暗号資産)取引の所得は確定申告が必要?

ビットコインやアルトコインなどの仮想通貨の取引で、20万円を超える利益が出た場合は確定申告(青色申告)が必要です。また、利益が20万円以下の場合でも、給与所得退職所得以外の所得金額との合計が年間20万円を超える場合は確定申告が必要になります。

一方、仮想通貨取引で損失が出てマイナス収支になる場合や、給与所得や退職所得以外の所得金額との合計が年間20万円に満たない場合は、確定申告の必要はありません。

この場合の20万円とは「取引所から出金して銀行に振り込まれた金額が20万円」ではないため注意をしましょう。利益とは取引によって得た金額から必要経費を差し引いた額(所得額)です。また、振り込まれたタイミングではなく、取引をして利益が確定したタイミングで所得が発生します。

仮想通貨(暗号資産)で得た所得を確定申告しなかった場合はどうなる?

故意であってもうっかりミスであっても、確定申告(青色申告)をしないとペナルティが待っています。
ペナルティには延滞税と加算税があり、両方を支払う必要があります。

申告が遅れたり、税務調査で確定申告額が誤っていることが判明すると、延滞税が課せられます。申告期限の翌日から納付した日までの日数に応じて、最大14.6%の年利をプラスした金額を納めることになります。

さらに、延滞税にプラスして加算税が発生します。申告額が正しい額より少なかった場合の「過少申告加算税」は最大15%、申告の遅れや申告の忘れの場合の「無申告加算税」は、最大30%です。また、悪意を持って申告額をごまかしたり申告をしなかった場合の「重加算税」は最大50%の利率にまでなります。

税務署は取引所に対して取引情報の開示を求めることができます。この情報を調べれば誰がいくら利益を出しているか、簡単に分かってしまいます。甘い判断で「ばれない」と考えずに、まずは利益を計算して確定申告が必要か不要かを見極めてペナルティを受けることがないようにしましょう。

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仮想通貨(暗号資産)取引で所得が発生するタイミング

保有している仮想通貨を手放した時点で所得が発生します。単に仮想通貨を購入しただけでは所得は発生しません。所得が発生するタイミングは主に次の3つの時です。いずれも取引所からの出金のタイミングではなく、取引が完了したタイミングであることがポイントです。

仮想通貨(暗号資産)の売却時

仮想通貨を売却して利益が出たときに所得が発生します。保有している状態で評価額が上がり含み益が出たとしても所得には関係ありません。あくまでも売却した時の損益で判断をします。

利益の計算方法は売却時の価額から取得時の価額を差し引いて算出します。取得時の価額には手数料など取得に必要な経費も含めて計算します。所得額の具体的な計算方法は次のとおりです。

「売却時の価額」-「取得時の1単位当たりの価額」×「売却した数量」=所得額

仮想通貨(暗号資産)での決済時

仮想通貨で決済するという行為は、仮想通貨をいったん売却して日本円に換えて、商品やサービスを購入する取引とみなされます。仮想通貨をいったん売却しているため、その時点で仮想通貨の価額が所得時の価額を上回っていれば、所得が発生するという考え方です。

仮想通貨で決済をした時の所得額の具体的な計算方法は次のとおりです。

「商品やサービスの価格」-「取得時の1単位当たりの価額」×「売却した数量」=所得額

仮想通貨(暗号資産)を他の仮想通貨(暗号資産)取引に使った時

仮想通貨と仮想通貨を交換する取引も、仮想通貨で決済をした時と同じ原理で所得が発生します。仮想通貨をいったん売却して日本円に換える取引をした後、新たに他の仮想通貨を購入したとみなされます。

仮想通貨での決済や仮想通貨同士の取引は、実際は日本円に換えていないため、課税されないと勘違いしてしまうかもしれません。しかし、課税の対象になりますので注意が必要です。

仮想通貨を他の仮想通貨取引に使ったときの所得額の計算方法は次のとおりです。

「購入した仮想通貨の取得時の価額」-「売却した仮想通貨の取得時の価額」=所得額

仮想通貨(暗号資産)の勘定科目

個人事業主の場合、仮想通貨は雑所得として扱うのがよいでしょう。事業所得とは関係がないので、仕訳が必要な場合には「事業主借」の勘定科目で処理しておけば問題ないでしょう。

雑所得とは「給与所得」や「事業所得」、「譲渡所得」など9つに区分された所得区分のいずれにも該当しない所得を指します。本業以外のFXによる収入や、ネットショップでの販売収入、講演料などが雑所得の代表的な例です。

仮想通貨(暗号資産)の課税方式

仮想通貨による所得は雑所得とした場合、給与所得や事業所得など他の所得と合算して課税される総合課税になります。例えば、仮想通貨により300万円の所得を得て、かつ給与所得が500万円ある場合は、両者を足した800万円から控除額などを差し引いた金額に課税されます。

また、所得税は所得が高くなれば税率も高くなる累進課税です。最高で45%、住民税と合わせると55%の税率になります。

税額の計算方法

暗号資産の所得額は「売却時の価額」-「取得時の1単位当たりの価額(取得価額)」×「売却した数量」で算出しますが、取得時の1単位当たりの価額の計算方法は2通りあります。移動平均法と総平均法です。いずれかの計算方法を選択できます。

ただし、取得した年の確定申告の期限までに、税務署へ選択した計算方法について届出が必要です。「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」によって届出ます。

購入の都度計算する移動平均法

暗号資産を購入する都度、取得価額を計算する方法です。購入の都度、購入した金額の合計÷数量=取得価格(単価)を計算、期末時点での取得価額を所得の計算に利用します。

購入の都度計算するので、手間はかかりますがより実態に即した計算方法といえます。毎回計算しているため、年度の途中であっても所得金額の見積もりがすぐできるという点がメリットです。

1年をまとめて計算する総平均法

1年間に購入した金額の合計÷1年間に購入した数量の合計=取得価額(単価)を計算、1年の終わりにまとめて出した平均を所得の計算に使用します。シンプルな取引のみの場合、取引事業者より発行される年間取引報告書を、国税庁が用意する計算書に転記するだけで自動で計算できます。

購入の都度計算する移動平均法に比べて、1年に1度の計算になるので簡便な方法と言えるでしょう。ただし、年の途中で所得金額の見積もりをしづらいという点はデメリットです。

見落としがちな必要経費も正しく計上

取得価額には手数料のほか、仮想通貨取引に直接関係するセミナー費用やセミナー場所への交通費、書籍代、専用のPC代なども計上できます。また、通信費や家賃なども家事関連費との割合を明確にすることで計上できる場合もあります。

取得価額の計算や所得額の計算のために、国税庁は計算書の雛形を用意しています。国税庁のHPよりダウンロードできるので活用してみてはいかがでしょうか。

仮想通貨(暗号資産)は損益通算できる?

仮想通貨取引で生じた損失は、損益通算できません。損失が出た場合でも給与所得や譲渡所得など他の区分の所得と相殺できないということです。これは仮想通貨による所得が、雑所得であるためです。
雑所得は他の区分所得とは通算できないという性質を持ちます。また、株取引で生じたの損失のように翌年以降に繰り越すこともできません。

正しく計算して所得や税金を把握しておこう

この記事では確定申告が必要となる条件や、所得額の計算方法、課税方式などを紹介しました。仕組みをあまり理解せずに仮想通貨の運用をすると、所得額の計算で見落としがあって必要以上の所得税を払うことになったり、うっかりミスでペナルティを課せられたり、思わぬ損害を被ることもあります。正しい計算方法を理解して、正確な所得や税金を把握しておきましょう。

確定申告(青色申告)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


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よくある質問

仮想通貨取引の確定申告(青色申告)は必要?

利益が20万円を超える場合には必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

仮想通貨取引で所得が発生するタイミングは?

仮想通貨を売却、決済、交換をした時に所得が発生します。詳しくはこちらをご覧ください。

仮想通貨の税額の計算方法は?

移動平均法か総平均法のいずれかを選択して計算します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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