確定申告の計算方法

確定申告を行う場合、多くの人は「確定申告書B」という書類を使用することになります。今回はそんな確定申告書Bの記載内容をもとに、納めるべき税金を計算する方法について解説します。

確定申告書Bとは

確定申告書には複数の種類がありますが、自分がどの様式に該当するのかわからないときや自信がないときは、迷わず確定申告書Bを選択しましょう。

確定申告書Aは、給与所得、配当所得、一時所得、雑所得を申告する場合に使用する様式です。

給与所得、配当所得、一時所得、雑所得以外の所得があり申告する必要があれば確定申告書Bを使用することになるわけですが、確定申告書Bは確定申告書Aの内容を包括しているため、給与所得、配当所得、一時所得、雑所得者であったとしても確定申告書Bを使用して申告することが可能です。

また、青色申告と白色申告は所得の種類によってAかBかに分かれますが、確定申告書Bを選択しておけば間違いありません。青色申告は不動産所得、事業所得、山林所得のある事業者であるため確定申告書Bになりますが、雑所得や一時所得のみの白色申告の場合は確定申告書Aを使用することもできます。

確定申告書Bの書き方

収入金額等の項目

確定申告の計算1_収入金額等の項目

・給与(カ欄)には、申請者が受け取ったすべての給与収入を記入します。アルバイトを掛け持ちしていた場合や、夏は海の家、冬はスキー場で働くなど、複数個所からの給与収入がある場合には、すべての給与収入を合算した金額を記入します。

・雑の項目のその他(ク欄)は、雑収入のうち公的年金等でないものが該当します。具体的にはFXによる収入やアフィリエイト収入、ブログなどによる広告収入などが挙げられます。Youtuberなどネット収入で生計を立てているような場合は事業収入になることも考えられますが、一般的なネット収入は雑収入として申告して問題ありません。

・資産を売却したときに得た収入は、譲渡収入として申告します。総合譲渡の短期(ケ欄)には所有期間が5年以内の場合で、長期(コ欄)には所有期間が5年を超える場合がそれぞれ該当します。

・一時(サ欄)の項目は、競馬や競輪の払戻金や生命保険料の一時金が該当します。

所得金額等の項目

所得金額とは、収入金額から必要経費を差し引いたものです。計算方法は収入の種類によって異なります。

給与(6欄)の区分に記載する内容
給与収入金額(カ欄)を1,920,500円に設定し、以降計算していきます。

給与等の収入金額

「1,920,500円」を下記表[A]に当てはめて計算を行います。

収入金額等、所得金額を計算する

(参照:手順2 収入金額等、所得金額を計算する

この場合の計算方法は、
1,920,500÷4=480,125円

ここから千円未満の端数切捨てで480,000円とし、
480,000×2.8-180,000=1,164,000円となります。

給与所得の金額

「総合譲渡・一時(8欄)」について
「総合譲渡・一時(8欄)」の計算式は(ケ:短期譲渡)+{(コ:長期譲渡)+(サ:一時所得)×1/2}となります。

ケ:短期譲渡が600,000円 コ:長期譲渡が1,100,000円 サ:一時収入が1,440,000円の場合、600,000+{(1,100,000+1,440,000)×1/2}=1,870,000円となります。

所得から差し引かれる金額の項目

確定申告の計算3_所得から差し引かれる金額の項目

・雑損控除

申請者が盗難や災害の被害を受けた場合に受けられる控除です。具体的には自然災害や窃盗などにより自宅が損壊した場合が該当します。

・医療費控除

10万円以上の医療費または所得金額が200万円までの場合所得金額の5%以上を超える医療費を支払ったときに申告できる控除です。

・社会保険料控除

申請者が平成28年に支払ったすべての国民健康保険や国民年金の社会保険料の金額を記入することで、控除対象とすることができます。

・小規模企業共済等掛金控除

中小企業基盤整備機構の共済掛金や確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金などが控除対象として該当します。確定申告書に記入する以外に、支払った掛金の証明書の添付や提示が必要となります。

・生命保険料控除

一定の生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合に一定の控除を受けることができます。

・地震保険料控除

損害保険契約に係る地震保険料を支払った場合に一定の控除を受けることができます。

・寄附金控除

ふるさと納税や認定NPO法人への寄附金をしたのであれば、寄附金控除として申告することができます。

・寡婦、寡夫控除

夫と離婚や死別した女性は寡婦控除、妻と離婚、死別した男性は寡夫控除として申告することができます。寡婦控除は合計所得金額が500万円以下であれば扶養親族がいなくても受けることができますが、寡夫控除は生計を一にする子がいることが必須要件となっています。

・勤労学生、障害者控除

勤労学生控除と障害者控除の金額を合算します。勤労学生控除は申告するあなた自身が該当していれば、申告を行うことができます。障害者控除は申告者以外にも配偶者や扶養親族が該当すれば申告を行うことができます。

・配偶者(特別)控除

配偶者の年収が103万円未満であれば、配偶者控除を受けることができます。年収が103万円~141万円の場合は、配偶者特別控除を受けることができます。

・扶養控除

申請者が扶養している親族のうち、平成28年12月31日時点で16歳以上の人がいた場合に受けられる控除です。

・基礎控除

誰でも控除されるもので、一律38万円となっています。

税額の計算

26欄 課税される所得金額の計算方法

26欄_課税される所得金額の計算方法

26欄の課税される所得金額は、合計所得金額9欄から所得から差し引かれる合計金額25欄を引いたものになります。

「又は第三表」というのは、分離課税の所得や山林所得、退職所得がある場合に使用する分離課税用の確定申告書のことをいいます。

27欄 上の26に対する税額の計算方法

27欄_上の26に対する税額の計算方法

27欄の計算方法は、26欄の課税される所得金額を、税額の計算表に当てはめて計算します。この場合、以下の計算式より3,899,430円を導きます。

16,471,000円×0.33-1,536,000=3,899,430円

29欄の具体例

29欄の具体例

29欄は、事業収入がある青色申告者が、租税特別措置法第10条から第10条の6に規定する税額控除の適用を受ける場合に受けられる控除となります。主に試験研究に関する特別控除となり、試験研究を行なうために要した人件費や原材料費、外部委託費が対象となります。

29欄左の空欄に投資税額等と記入し、区分には1を記入します。

納税金額の計算方法

納税金額の計算方法

それでは実際に納める税金の額を計算してみましょう。

(1) これまで課税される所得金額26を元に、それに対する税額27を求めました。
 16,471,000円×0.33-1,536,000=3,899,430円

(2) 27の税額から28から37の項目をすべて差し引いたものを38とします。
 3,899,430円-25,000円-88,200円-332,000円=3,454,230円

(3) 38から災害減免額39があれば差し引き、40とします。
 3,454,230円-0=3,454,230円

(4) 40の再差引所得税額に2.1%を掛けたものを41の復興特別所得税額として記入します。
 3,454,230円×0.021=72,538円(小数点以下は切り捨て)

(5) 42所得税及び復興特別所得税の額は40+41で求めることができます。
 3,454,230円+72,538円=3,526,768円

(6) 44の所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額は、あなたが給与所得などで既に納めた源泉徴収税額を記入します。給与における源泉徴収票を元に記入します。源泉徴収税額が複数あれば合算した金額を記入します。ここでは518,022円だったことがわかります。

(7) 42の3,526,768円から43と44の金額を差し引いたものを45欄に記入します。
 3,526,768円-518,022円=3,008,746円≒3,008,700円(100円未満切り捨て)

(8) 45の金額から46の金額を差し引いて、プラスの金額であれば47に記入します。マイナスの金額であれば48に記入します。

延納の届け出

延納の届け出を書く必要がある場合

もちろん納める税金を一括で支払うこともできますが、事情により納付できないことも考えられます。その場合に税金の延納という制度を利用して、分割払いにすることができます。

本来納めるべき税額の半分以上を平成29年3月15日までに納付すれば、残額を平成29年5月31日までに延納することが可能となります。

延納するための特別な申請書や申込書は不要で、確定申告書に必要事項を記入すれば自動で延納することができます。

延納の届出に関する金額の計算方法

確定申告の計算5_延納の届け出

1. 申告期限までに納付する金額は、本来の納付金額47欄の3,008,700円の1/2以上が必要となります。

2. 3,008,700円の1/2以上つまり1,504,350円以上を納付することが延納の必須条件となります。この条件に合ったものにするため、ここでは1,504,700円を納めるとして、57欄に記入します。これを平成28年3月15日までに納付します。

3. 残額の1,504,000円は58欄に記入します。これを平成29年5月31日までに納付します。

まとめ

確定申告書の各項目と記入すべき金額さえ理解できれば、あとは計算式に従って記入するだけです。とはいえ、各項目の金額をひとつひとつ合計する作業は手間がかかるものです。計算しようと何度も電卓を叩くよりも、会計ソフトを使用することで効率よく作業を進めていきましょう。



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