- 更新日 : 2025年8月8日
TikTokビジネスアカウントとは?個人事業主が成果を出すための運用・収益・税務を解説
個人事業主にとって、SNSは集客やブランディング、顧客との接点づくりに欠かせない時代となりました。中でもTikTokは、短尺動画を通じて多くのユーザーにリーチできる強力なプラットフォームです。
本記事ではTikTokのビジネスアカウントと通常アカウントとの違いから、活用メリット、収益化の仕組み、税務処理まで知っておきたいポイントを解説します。
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目次
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TikTokビジネスアカウントとは?通常アカウントとの違い
個人事業主がTikTokを集客・販促に活用するなら、通常アカウントとの機能差を理解し、ビジネスアカウントを正しく使いこなすことが鍵となります。このセクションでは、通常アカウントとの違いを3つの視点から解説します。
利用目的
通常アカウントは個人の娯楽目的が主で、趣味や日常の投稿を共有するために設計されています。一方、ビジネスアカウントは、あらかじめ商用利用を前提として作られており、ブランドの認知向上、商品・サービスの告知など事業的な活用に適しています。たとえばプロフィール欄には自社サイトへのリンクを設定できるなど、集客導線の構築に役立つ機能が備わっています。
分析機能
ビジネスアカウントでは「アナリティクス」と呼ばれる投稿分析機能が利用できます。これは、再生回数やエンゲージメント率(いいね・シェア・コメント)、フォロワーの属性やアクティブ時間帯などを可視化するもので、投稿の改善や配信タイミングの最適化に役立ちます。通常アカウントにはこの機能が標準では搭載されていないため、マーケティング活用には不向きです。
使用できる音源
TikTokでの動画作成において、使用可能な音源にも大きな違いがあります。通常アカウントでは最新のヒット曲や一般音楽を自由に使用できますが、これらは非商用利用に限定されています。ビジネスアカウントでは、著作権のクリアされた「商用音源ライブラリ」が提供されており、法的リスクなく動画に音楽を挿入することが可能です。商用利用を前提とするなら、この点も大きな判断材料となります。
個人事業主がTikTokビジネスアカウントを活用するメリット
個人事業主がTikTokを使って効果的に集客・ブランディングを進めるなら、通常のアカウントではなく「ビジネスアカウント」への切り替えが有効です。以下では、運用上の主なメリットを3点紹介します。
プロフィールに外部リンクを設置できる
TikTokビジネスアカウントでは、自社ホームページや予約フォーム、通販サイトへの外部リンクをプロフィール欄に掲載できます。個人アカウントではフォロワー1,000人以上が必要ですが、ビジネスアカウントなら条件なしで即設定可能です。これにより、動画を見て興味を持ったユーザーをスムーズに自社サイトへ誘導し、商品購入やサービス予約といった「成果」へつなげやすくなります。とくにECサイトやネット予約を活用している個人事業主にとっては、有効な導線の強化手段となります。
分析機能で投稿の効果を数値で把握できる
ビジネスアカウントでは「インサイト」機能が解放され、動画ごとの再生回数、視聴時間、フォロワーの属性(年齢・性別・地域)など詳細なデータが確認できます。これにより、どのような投稿が反応を得やすいか、どの時間帯にユーザーが多く視聴しているかといった傾向を把握でき、投稿戦略の最適化が可能になります。データをもとに改善を繰り返すことで、無駄な投稿や機会損失を避け、集客効率を高められる点はビジネス利用において非常に有用です。
商用ライセンス付き音源が使える
ビジネスアカウントでは、TikTokが用意する「Commercial Music Library(CML)」の音源を自由に利用できます。これは商用利用に適した著作権クリア済みの楽曲集で、個人事業主でも安心して動画のBGMに使うことができます。流行曲は使用できない制限がありますが、著作権違反のリスクを排除しながらコンテンツに音の魅力を加えられる点は、ブランディングや世界観の演出に役立ちます。
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TikTokビジネスアカウントの作成方法
TikTokビジネスアカウントは無料で利用でき、広告なしでも投稿分析やリンク設置などの機能が使えるため、個人事業主の情報発信や集客手段として活用価値があります。ここでは、スマートフォンから簡単に切り替えられる設定手順を紹介します。
作成手順
- TikTokアプリを起動する
個人用アカウントを作成していない場合は、まずTikTokアプリをダウンロードし、基本のアカウントを作成します。 - プロフィール画面に移動する
画面右下の「プロフィール」アイコンをタップし、自分のプロフィール画面を表示します。 - メニュー(≡)を開く
プロフィール画面右上の「三本線」アイコンをタップし、「設定とプライバシー」メニューに進みます。 - 「アカウント」を選択する
設定画面の中から「アカウント」を選び、アカウントに関するオプションを表示させます。 - 「ビジネスアカウントに切り替える」を選ぶ
「アカウントタイプを切り替える」項目をタップし、「ビジネスアカウント」を選択します。 - 業種カテゴリを選ぶ
自分の事業に該当するカテゴリを選択します(例:美容・飲食・教育・小売など)。 - 設定完了後、機能が有効に
切り替えが完了すると、自動的にビジネスアカウント専用の機能(アナリティクスやリンク設定等)が使用できるようになります。
個人事業主のTikTokを活用した集客・ブランディング
TikTokは動画の拡散力が高く、個人事業主でも工夫次第で大きな集客・ブランディング効果を得られます。ここでは、共感型コンテンツの作り方と参加型施策の活用法について解説します。
共感と親しみを生むコンテンツを作る
TikTokでは、宣伝色が強い動画よりも、日常の一コマや共感できる内容にユーザーの反応が集まりやすい傾向があります。例えば、飲食店の店主が「あるあるネタ」や店員の裏話を、ユーモアを交えて発信したところ、「この人に会いたい」「この店に行ってみたい」といったコメントが多数寄せられ、TikTok経由の来店客が増加した事例があります。このように、事業者本人の人柄や考えを前面に出すことで親近感が生まれ、自然とファンが付きやすくなります。視聴者とのコメントのやり取りを通じて、フォロワーとの距離感を縮める姿勢も、ファン化・リピートにつながる重要な要素です。
参加型施策でユーザーの巻き込みを図る
TikTokでは、ユーザーが自ら動画を投稿する「ハッシュタグチャレンジ」などの参加型キャンペーンが非常に効果的です。例えば「#○○に挑戦」といった形で、視聴者に投稿を促すテーマを設定すると、自発的に関連動画が多数生まれ、ブランドの認知拡大やコミュニティ形成に繋がります。大企業でなくても、ユニークな企画や商品との親和性の高いハッシュタグを設定すれば、顧客参加型の投稿が促され、口コミ的な効果をもたらします。コメント欄で視聴者と交流を深めたり、動画内で投稿者を紹介したりすることで、より活発な関係性の構築が期待できます。ファンとの一体感を高めるためにも、双方向の施策を積極的に取り入れてみましょう。
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TikTokの広告機能・収益化機能の使い方
TikTokには、広告による集客支援と、コンテンツから収益を得るための仕組みが整っており、個人事業主の活動に大きな武器となります。ここでは、それぞれの機能と活用法を解説します。
広告配信機能で狙った層にアプローチ
TikTok広告では、広告マネージャーを使って、性別・年齢・地域に加え、ユーザーの興味関心や視聴行動に基づいた詳細なターゲティングが可能です。これにより、関心度の高い層へ効率よく情報を届けられ、無駄のない広告運用が実現します。
さらに、TikTokアプリ内の「プロモート」機能を使えば、過去に投稿した動画を簡単に広告として配信できます。費用を抑えて始められるため、小規模な事業主にも適しており、好反応を得た投稿をより多くの視聴者へ拡散する手段として重宝されます。ただし、プロモートに使用できるのは商用利用可能な音源を使った動画に限られる点に注意が必要です。
収益化機能でコンテンツを収入源に変える
TikTokでは、動画クリエイター向けに「Creator Rewards Program」などの報酬制度が用意されています。参加条件を満たせば、動画再生数に応じてTikTokから報酬を得られる仕組みとなっており、影響力のある発信を継続することで副収入を得る道が開かれます。
また、ライブ配信中に視聴者がギフト(投げ銭)を贈る機能もあり、リアルタイムの配信を通じて応援してくれるファンから収入を得ることが可能です。ライブはフォロワーとの関係を深める場にもなり、信頼構築と収益確保を同時に叶える手段として注目されています。
加えて、今後は「TikTok Shop」のようなEC機能が日本でも導入予定で、動画を通じて自社商品を販売できる環境が整備されつつあります。動画を通じたプロモーションから実際の販売までをTikTok内で完結できるようになることで、収益化の選択肢はさらに広がっていくでしょう。
個人事業主のTikTok収益の確定申告・税務処理
TikTokで得た収入は事業所得として取り扱われるケースが多く、確定申告が必要です。収益の性質や経費の取り扱い、インボイス制度への対応など、個人事業主として押さえておくべきポイントを解説します。
所得区分と開業届の提出
TikTokの収益は、継続的に動画制作やライブ配信などを行い、収入を得ている場合、事業所得として申告します。副業的に始めた場合でも、収益が一定額を超えれば確定申告の対象です。事業所得として申告するには、あらかじめ税務署へ開業届を提出しておくとスムーズです。開業届を出せば青色申告による控除(最大65万円)も活用でき、節税メリットが広がります。開業届を出さずに収入を得た場合は雑所得扱いとされ、青色申告の恩恵を受けられない可能性がある点に注意しましょう。
収益と経費の処理方法
TikTokで得た広告収入やライブギフト、企業とのタイアップ報酬などは、すべて事業所得の収入として合算します。一方で、コンテンツ制作にかかる費用は必要経費として計上できます。たとえば、撮影用のスマートフォンや三脚、照明機材、動画編集アプリの使用料、動画で使用する衣装・小道具代などが経費になります。また、自宅のWi-Fiや電気代も、使用割合に応じて按分して経費に含めることができます。プロモート機能の利用料は「広告宣伝費」として処理可能です。すべての経費について、領収書や利用明細を保管し、支出の内容と事業目的の関連性を説明できる状態を保つことが大切です。
インボイス制度と確定申告の注意点
2023年10月から導入されたインボイス制度により、一定以上の売上を持つ個人事業主には、適格請求書の発行が求められるようになりました。企業からの報酬がある場合、相手方に登録番号の提示を求められることがあります。対象となる個人事業主は、あらかじめ税務署で適格請求書発行事業者として登録を行いましょう。また、確定申告の提出期限は毎年3月15日です。期限を過ぎると延滞税・加算税が発生することもあるため、余裕を持って準備を進めることが大切です。TikTok収益が多くなってきた段階で、税理士や会計ソフトを活用するのも有効な手段です。
TikTokビジネスアカウントで事業を加速させよう
個人事業主がTikTokを活用するなら、ビジネスアカウントの導入が有効です。通常アカウントでは使えない外部リンクや詳細な分析機能が開放され、投稿の効果測定や導線設計が容易になります。さらに、商用ライセンス付き音源を安心して利用できるため、著作権リスクを避けつつ動画のクオリティを保てます。無料で切り替え可能なうえ、集客から収益化まで一貫して支援してくれるビジネスアカウントは、今後のデジタル戦略において心強い武器になるでしょう。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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