• 更新日 : 2026年6月30日

住宅ローン控除で住民税も安くなる?

Point住宅ローン控除住民税は安くなる?

所得税から控除しきれない残額がある場合に限り、住民税からも控除されます。

  • 引ききれない残額は翌年度分から差し引かれる
  • 上限は課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)となる
  • この控除に市区町村への申告は要らない

令和8年度税制改正大綱では、適用期限が令和12年末まで延長される見込みです。

住宅ローンを返済している人に対する税制上の優遇措置である住宅ローン控除ですが、これは所得税の減税なので、通常は住民税が安くなることはありません。

ただし、所得税が少なく住宅ローン控除の額が所得税から引ききれない場合は、残額を住民税から引くことになるので、住民税が安くなります。

なお、住宅ローン控除は令和7年12月31日までの適用期限とされていましたが、令和8年度税制改正大綱により、適用期限が令和12年12月31日まで5年間延長されました。あわせて、子育て世帯・若者夫婦世帯(特例対象個人)に対する借入限度額の上乗せ措置の拡充も盛り込まれています。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

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所得税から控除しきれない場合に住民税から控除

まずは、住宅ローン控除の仕組みについて解説します。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅ローンを返済している人の税負担を軽減することを目的にした税制上の優遇措置です。住宅ローン控除は租税特別措置法という時限立法に基づくものですので、適用については都度見直しが行われます。

税額控除される上限額については、取得する住宅、居住の用に供した年などによって異なりますが、令和4年以降に居住を開始した場合の控除額は年末ローン残高の0.7%です。令和8年度税制改正大綱においても、この控除率0.7%は維持することとされています。

<新築住宅の取得等の例(令和8年度税制改正大綱に基づく内容)>

住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅) 令和8年~令和12年 4,500万円 0.7% 13年
ZEH水準省エネ住宅 令和8年~令和12年 3,500万円 0.7% 13年
省エネ基準適合住宅 令和8年・令和9年 2,000万円 0.7% 13年

<特例対象個人(子育て世帯・若者夫婦世帯)の借入限度額>

令和8年度税制改正大綱において、特例対象個人に該当する場合は、借入限度額を次のとおり上乗せすることが盛り込まれています。

住宅の区分 居住年 借入限度額
認定住宅 令和8年~令和12年 5,000万円
ZEH水準省エネ住宅 令和8年~令和12年 4,500万円
省エネ基準適合住宅 令和8年・令和9年 3,000万円

「特例対象個人」とは、次のいずれかに該当する個人とされています。

  • 年齢40歳未満で配偶者を有する者
  • 年齢40歳以上で年齢40歳未満の配偶者を有する者
  • 年齢19歳未満の扶養親族を有する者

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

なお、それぞれの認定住宅等の詳細については上記国税庁サイトを参照ください。

<中古住宅の取得等(令和8年度税制改正大綱に基づく内容)>

住宅の区分 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅 令和8年~令和12年 3,500万円 0.7% 13年
ZEH水準省エネ住宅 令和8年~令和12年 3,500万円 0.7% 13年
省エネ基準適合住宅 令和8年~令和12年 2,000万円 0.7% 13年
その他の住宅(一般住宅・増改築等) 令和8年~令和12年 2,000万円 0.7% 10年

なお、令和8年度税制改正大綱では、中古住宅(認定住宅等である既存住宅の取得)の場合も、特例対象個人に対する借入限度額の上乗せ措置が盛り込まれています。特例対象個人の場合の借入限度額は、認定住宅およびZEH水準省エネ住宅で4,500万円、省エネ基準適合住宅で3,000万円とされています。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

なお、増改築の場合については、中古住宅の一般住宅に準じます。

参考:No.1211-4 増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

住宅ローン控除を受けるためには、主に次のような条件を満たす必要があります。

  • 自らが新築等の日から6ヶ月以内に居住すること
  • 床面積が50㎡以上あり、かつ、床面積の1/2以上を居住の用に供すること(令和8年度税制改正大綱では、床面積40㎡以上50㎡未満の居住用家屋についても本特例の対象とすることが盛り込まれています。ただし、その年分の合計所得金額が1,000万円を超える年は適用されません)
  • 耐震性能を満たしていること(中古住宅の場合)
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上あること
  • 所得が2,000万円以下(一定の場合には1,000万円以下)であること など

住宅ローン控除の申請は、世帯単位ではなく個人単位でできます。たとえば、住宅が夫婦共有名義であれば、夫婦は2人とも住宅ローン控除を受けることができます。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

所得税から控除しきれない場合に住民税から控除

住宅ローン控除前の所得税額が住宅ローン控除額より少ない場合は、所得税から住宅ローン控除額が引ききれません。このようなときは、住宅ローン控除額のうち所得税から控除できなかった部分を住民税から控除します。

ただし、住民税から控除できる額には上限があります。令和4年以降に居住を開始した住宅の場合、上限額は原則として課税総所得金額等の5%に相当する額(最高9.75万円=97,500円)です。なお、平成26年4月1日から令和3年12月31日までに居住を開始した場合は、一定の要件を満たすと課税総所得金額等の7%相当額(最高136,500円)が上限となるケースがあります。

令和8年度税制改正大綱では、令和8年分以後の所得税において住宅ローン控除の適用がある者(住宅の取得等をして令和8年から令和12年までの間に居住の用に供した者に限る)のうち、所得税額から控除しきれなかった残額について、翌年度分の個人住民税において、課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)の範囲内で減額することが盛り込まれています。

詳細については、各市区町村のホームページなどで確認しましょう。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

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住宅ローン控除を受けるための手続き

次に、住宅ローン控除を受けるための手続きを解説します。

初回は会社員でも確定申告が必要

給与から源泉徴収されている会社員や公務員は、年末調整を行うため、通常は確定申告をする必要はありません。ただし、住宅ローン控除を初めて受ける場合には、年末調整とは別に所得税の確定申告をする必要があります。住宅に入居した年の翌年の2月16日から3月15日までに、必要書類を添えて税務署に届け出ます。

なお、2年目からは「住宅ローンの残高証明書」と税務署から届いた「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」を記載し、必要書類とともに勤務先に提出すれば、年末調整で住宅ローン控除が受けられます。

住民税からの控除について申告の必要はない

住宅ローン控除額が所得税から引ききれなかった場合でも、自分で市区町村に申告する必要はありません。所得税の確定申告や年末調整の内容は市区町村に通知され、住民税から住宅ローン控除が行われます。(平成21年より前は、住民税から住宅ローン控除を受けたい場合には市区町村に申告する必要がありました。)

住宅ローン控除額が住民税から引かれている場合は、住民税の納付書に同封されている課税明細や6月の給与明細とともに渡される住民税の課税決定通知書に、控除された金額が記載されています。受け取ったときには目を通すようにしましょう。

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住民税が正しく控除されているか確認しましょう

住宅ローン控除は所得税の減税措置なので、通常は所得税が安くなるだけです。ただし、所得税から控除額を引ききれない場合は、住民税からも控除するので、住民税が安くなります。

住民税からの住宅ローン控除は、自身で申告する必要はありません。所得税の確定申告や年末調整の内容が市区町村に通知される仕組みになっています。

現在住宅ローン控除を受けている人は、この記事を参考にして、住民税が正しく控除されているかチェックしてみてはいかがでしょうか。

※本記事は令和8年度税制改正法成立後の内容を反映しています。
今後の法改正により制度内容が変更される可能性があります。

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よくある質問

住宅ローン控除とは?

マイホーム等を取得して住宅ローンを返済している人の金利負担を軽減することを目的にした税制上の優遇措置です。詳しくはこちらをご覧ください。

住宅ローン控除を受けるためには?

税額控除の初回だけは給与から源泉徴収されている会社員や公務員も、年末調整とは別に所得税の確定申告をする必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。

住民税からの控除について申告する必要はある?

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