- 更新日 : 2025年8月8日
ヤマトビジネスメンバーズを個人事業主が使うには?メリット・料金・注意点まとめ
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)は、ヤマト運輸が提供する法人・個人事業主向けの発送支援サービスです。個人事業主でも契約が可能で、送り状の発行、集荷依頼、月次請求、Webでの請求書管理など、日々の発送業務を効率化する機能が多数用意されています。本記事では、ヤマトビジネスメンバーズの基本情報から、利用の流れ、料金体系、導入時の注意点までを解説します。
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目次
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ヤマトビジネスメンバーズの基本概要
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)は、法人や個人事業主を対象にヤマト運輸が提供するビジネス会員向けWEBサービスです。
宅急便の出荷業務を効率化し、ビジネスの効率化や拡大支援につながる様々なソリューションを提供しています。送り状発行システム「B2クラウド」による簡単な送り状(伝票)作成、Web請求書提供サービスによる運賃請求書のオンライン管理、さらには見積書・納品書・請求書・領収書など各種ビジネス書類の作成・送信機能や、EC事業者向けサービス、API連携なども含まれます。これまで宅急便を利用する際に手間だった作業をオンラインで一括処理できるため、発送業務だけでなく経理・総務面までサポートしてくれる総合的な業務支援ポータルサイトといえるでしょう。
個人事業主がヤマトビジネスメンバーズを利用するメリット
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)は、法人向けの仕組みをベースとしながらも、個人事業主でも契約・利用が可能であり、小規模なビジネスでも活用する価値があります。ここでは、YBMを導入することで得られる主なメリットを4つの視点からご紹介します。
請求を月まとめで支払える
YBMの利用により、運賃の支払いは月単位でまとめて行えるようになります。発送のたびに現金やクレジットカードで支払う必要がなくなるため、事務処理の手間が大きく軽減されます。支払い方法は銀行振込や口座振替、クレジットカード、払込票などから選ぶことができ、自社の経理体制に合わせて柔軟に対応できる点も魅力です。
集荷依頼が簡単にできる
個人事業主の場合、荷物を持ち込む手間が大きな負担になることがありますが、YBMを通じてWeb上から集荷依頼を行うことで、その問題を解消できます。依頼は専用画面から数ステップで完了し、担当のセールスドライバーが指定の時間に集荷に訪れます。これにより、発送準備から出荷までの流れが効率的に進み、時間を有効に使うことができます。
送り状を自分で発行できる
YBMでは「B2クラウド」という送り状発行システムが利用でき、自宅やオフィスのプリンタで簡単に宛名ラベルを印刷できます。手書きの伝票と比べて入力ミスが減り、作業時間の短縮にもつながります。発行されるラベルはシール式で見た目も整っており、相手先に対して信頼感を与える効果もあります。リピーターの多い事業では、送り先情報の登録機能も活用でき、業務の効率化が進みます。
請求書をWeb上で管理できる
運賃や発送実績は、YBM上の「Web請求書提供サービス」で確認・管理することができます。紙の請求書を郵送で受け取る手間がなくなり、必要な時にすぐデータを確認・ダウンロードできる点が大きな利点です。過去の取引履歴も保存されているため、送料コストの見直しや経費計上に役立ちます。確定申告や会計処理の場面でも、帳簿と照らし合わせる資料として活用しやすくなります。
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個人事業主がヤマトビジネスメンバーズで利用できる配送サービス
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)では、個人事業主でも複数の配送サービスを契約料金で利用できます。以下に代表的なサービスを紹介します。
宅急便・宅急便コンパクト
YBMでは、一般的な宅急便に加え、専用BOXを使用する宅急便コンパクトの送り状も発行できます。クール宅急便、着払い、代金引換などのオプションも契約により利用可能です。運賃は契約内容と月間発送量をもとに設定され、通常の窓口料金より割安になるのが一般的です。具体的な単価は契約時に提示されるため、発送規模に応じて料金に差が出る仕組みです。
ネコポス
ネコポスは、厚さ2.5cm・1kg以内の小型荷物をポスト投函で届けるサービスです。YBMを通じて専用ラベルを発行し、法人・個人事業主向けの契約として利用できます。運賃は全国一律を基本としつつ、発送量などの条件に応じて料金が変動します。一般の個人では利用できませんが、YBM会員であれば自社業務での発送に活用可能です。
クロネコゆうパケット・ゆうメール
YBMでは、日本郵便と連携した「クロネコゆうパケット」や「クロネコゆうメール」にも対応しています。これらは小型発送に適しており、専用の送り状をB2クラウドから発行できます。各サービスにはサイズ制限や利用条件がありますが、法人契約を通じて個人事業主でも問題なく使用できます。運賃はネコポス同様に契約内容によって変動します。
ヤマトビジネスメンバーズの料金
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)の料金体系は、登録費用・年会費が無料で、基本的なシステム利用料もかかりません(一部機能に有料サービスあり)。発送時の運賃は、法人契約にもとづく「契約運賃」が適用され、荷物のサイズや距離、発送量などに応じて個別に設定されます。契約後は、YBMの管理画面から自社の運賃表を確認でき、宅急便やネコポスの料金を一覧で把握できます。支払いは月次請求のため、都度の支払いが不要で効率的です。
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ヤマトビジネスメンバーズの登録の流れ【個人事業主の場合】
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)を利用するには、ヤマト運輸との「法人(掛売り)契約」を結ぶ必要があります。この名称ではありますが、個人事業主でも問題なく契約でき、多くの事業者が利用しています。登録費用や年会費はかからず、審査に通れば月次請求による発送サービスの利用が可能になります。以下に、個人事業主が登録するまでの流れをステップごとにご説明します。
(1) Webから仮申し込みを行う
まずはヤマト運輸の公式サイトにある法人契約の申込フォームから、仮申し込みを行います。入力項目は、事業者名や所在地、連絡先、想定される月間の発送個数などです。この時点では、個人事業主であることを証明する開業届の写しなどは求められません。ただし、後続の審査段階で必要に応じて確認書類の提出を依頼されることもあります。
(2) ヤマト運輸による審査と連絡
仮申し込みの内容をもとに、ヤマト運輸にて審査が行われます。審査に通過すると、数日以内に担当のセールスドライバーや営業所スタッフから電話などで連絡が入り、本契約に進む旨が伝えられます。法人と比較しても、個人事業主だからという理由で審査が厳しくなることはほとんどありません。ただし、事業内容が確認できる資料の提示を求められる場合があります。
(3) 契約書を取り交わす
担当者が訪問し、契約書類への記入・押印を行います。契約書には、事業所名(屋号または本人名)、代表者の氏名、希望する支払い方法、請求締日などを記載します。個人事業主の場合でも、「会社名」欄に屋号や個人名を記載することで問題なく手続きが進められます。ここで正式に法人(個人事業主)契約が成立します。
(4) 運賃見積書の提示を受ける
契約書を提出すると、ヤマト運輸から「契約運賃」の見積もりが提示されます。これは申し込み時に申告した発送予定数や実績をもとに設定されます。少量の発送でも通常価格より安くなる場合があるため、契約のメリットを感じやすいステップといえます。納得できる内容であれば、そのまま契約運賃が適用されます。
(5) 本登録完了とサービス利用開始
契約完了後、数日以内にメールでYBMのログインIDと初期パスワードが届きます。この情報を使ってWebサイトにログインすれば、各種サービスの利用が可能になります。後日、「クロネコカード」と呼ばれる会員証が郵送されますが、カードが手元に届く前でもシステムの利用に支障はありません。ログイン後は、送り状発行や集荷依頼、請求書の確認など、YBMの機能をすぐに活用できます。
ヤマトビジネスメンバーズと確定申告・経理処理
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)は、発送業務だけでなく経理処理にも役立つサービスです。送料や取引情報を一元管理できるため、確定申告や帳簿づけの効率を大きく向上させることが可能です。
請求書と明細を電子で管理できる
「Web請求書提供サービス」を使えば、毎月の送料請求や伝票ごとの明細をPDFで確認・保存できます。確定申告時の経費証憑として活用でき、インボイス制度にも対応しています。適格請求書として税務処理に使える点も安心です。
領収書も柔軟に対応できる
YBMでは見積書、納品書、請求書、領収書を自社用に発行できます。ヤマト運輸発行の請求書で通常は十分ですが、証憑として不安な場合は、「未収計算書」と併せて保管しておくと安心です。
会計ソフトとの連携が可能
YBMのデータはCSV形式で出力でき、会計ソフトに取り込んで経費計上に活用できます。マネーフォワードとの連携により、請求書作成や入金管理までを一括で処理できる機能もあり、確定申告前の作業がスムーズに進みます。
ヤマトビジネスメンバーズを利用する際の注意点
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)は、便利なサービスですが、導入・活用にあたってはいくつかの注意点があります。個人事業主として無理なく使いこなすために、事前に理解しておきたい留意事項を以下にまとめました。
利用開始までに時間がかかる
YBMはWebでの申し込み後すぐに利用できるわけではなく、審査や営業担当との契約手続きが必要です。通常、登録完了までには1~2週間ほどかかることが多く、繁忙期にはさらに日程調整に時間がかかる可能性もあります。すぐに利用したい場合は、余裕を持って申し込みましょう。
コンビニからの発送は利用できない
法人契約で利用する送り状には契約者コードが記載されており、セブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニでは取り扱ってもらえません。発送の際は、集荷を依頼するか、ヤマト運輸の営業所・宅急便センターに直接持ち込む必要があります。普段コンビニ発送に慣れている場合は、この点に注意が必要です。
他の営業所からの発送には制限がある場合がある
契約時に指定された営業所以外で発送したい場合、地域によっては事前の確認が必要になることがあります。とくに出張先などから契約伝票を使って大量に送る場合は、受付できないケースも想定されるため、事前にヤマトへ問い合わせておくと安心です。
操作に慣れるまでにやや時間がかかる
YBMの管理画面は業務向けの設計になっており、最初は送り状発行のために依頼主や配送先のマスタ登録、メニュー設定などが必要になります。個人向けサービスと比較すると操作は複雑に感じられるかもしれませんが、テンプレートや履歴機能を活用すれば、継続利用において大きな時短効果が見込めます。マニュアルやFAQも充実しているため、初期段階で操作に慣れておくことが大切です。
ヤマトビジネスメンバーズを導入して、日々の業務をもっとラクに
ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)は、個人事業主にとって発送業務の効率化やコスト削減を実現できる有益なサービスです。割引運賃や月次請求、Web上での送り状発行・請求管理といった機能により、業務全体がスムーズになります。一方で、利用開始までの期間やコンビニ発送の制限、操作画面への慣れなど注意点もあります。導入前には仕組みをよく理解し、事業規模や用途に合った使い方を見極めることが大切です。
将来的に発送量が増える見込みがある場合にも、早めの導入が業務改善の助けとなります。継続的な活用で、より効率的なビジネス運営を目指しましょう。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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