- 更新日 : 2025年3月7日
個人事業主の障害者雇用に使える助成金まとめ【2025年現在】
個人事業主も障害者雇用の助成金の申し込みができます。助成金の申請は、ハローワークを通して行うのが一般的です。ハローワーク以外を通して雇用した障害者については支給の対象外となることがあります。今回は、個人事業主が利用できる障害者雇用の助成金や利用時の注意点などを解説します。
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目次
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個人事業主も障害者雇用の助成金を使える?
障害者雇用関連の助成金は、一定の要件を満たす従業員を雇用する「事業主」を対象としています。ここでいう事業主は、株式会社や合同会社などの法人に限ったものではありません。事業主とは事業を営む者を表します。事業を営んでいる以上、個人事業主も事業主に含まれることから、個人事業主も障害者雇用の助成金を申請可能です。
個人事業主が障害者雇用の助成金を活用するメリット
厚生労働省では、障害者雇用に関するさまざまな種類の助成金事業が行われています。個人事業主が障害者雇用の助成金を活用するメリットは、国からの補助による障害者の雇用を促進できるようになることです。受給した助成金を活用し、従業員となった障害者に対してよりよい職場環境の提供を実現できます。
また、助成金はそれぞれの要件などを満たさなくなるなどがない限り、返済義務は生じません。銀行融資などの資金調達方法とは異なり、将来的に支給を受けた額を返済しなくて済むため、個人事業主の心理的な負担を軽減できるメリットもあります。
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個人事業主の障害者雇用に使える助成金一覧【2025年最新】
個人事業主が障害者雇用に活用できる助成金を紹介します。
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は、障害者の雇用促進と職場への定着を目的とした助成金です。
支給対象者 | 対象となる措置内容 |
---|---|
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支給対象者を有期雇用から正規雇用などへ転換した事業者向けの助成金です。支給対象期間は1年で、最初の6カ月を第1期、次の6カ月を第2期として、1年間の間に2回にわたって支給が行われます。支給総額は、支給対象者の障害の程度や転換措置の内容によって異なります。支給対象者1人につき33万円~120万円です。対象期間における賃金の総額を上限とします。
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は、上記のようにすでに障害のある従業員を雇用している個人事業主やこれから雇用しようとする個人事業主が利用できる制度です。支給対象者となる従業員に支給する賃金の一部を助成金により負担してもらうことで、障害者の正社員化を実現しやすくなります。
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)
厚生労働省のトライアル助成金の、障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコースは、障害者を試用で雇用する事業主を支援する助成金です。
障害者トライアルコース | 障害者短時間トライアルコース | |
---|---|---|
対象労働者 |
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雇い入れ条件 |
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助成金の額 | 最長3カ月~6カ月の支給で対象者1人につき最大24万円 | 最長12カ月の支給で対象者1人につき48万円 |
雇用する障害のある従業員との相互理解のためにトライアル雇用を利用したい個人事業主に向いた助成金制度です。
人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)
障害者の仕事上必要な能力の向上や開発をサポートする助成金です。継続的に実施される一定の教育訓練にかかる費用の一部を支援します。
主な要件 | |
---|---|
訓練対象障害者 |
※職業訓練が必要とハローワーク所長が認めていること |
障害者職業能力開発訓練事業 | 厚生労働大臣が定める基準に適合した、訓練期間や訓練時間などの10の要件を満たす職業訓練であること |
訓練の施設 | 該当する施設に関しては設備の設置や整備、更新が行われていること |
助成金の対象になっているのは、施設や設備の設置・整備・更新の費用や運営費です。例えば、ハローワーク所長が特に就職が困難と認める重度障害者などに対して、事業主が職業能力開発訓練を実施した場合、月額17万円を上限に、1人あたりの運営費の5分の4を乗じた額について助成があります。
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)は、対象となる労働者をハローワークなどの紹介で継続して雇用する場合に受けられる助成金です。雇用主には配慮事項などの報告義務があり、雇用から約半年後にハローワークによる職場訪問が行われます。
助成金の支給額は、対象の労働者1人あたり30~120万円です。中小企業においては支給対象期間2年間のうち全4回に分けて、中小企業以外においては支給対象期間1年間のうち全2回に分けて支給が実施されます。総支給額は、短時間労働者が80万円(中小企業以外は30万円)、短時間労働者以外は120万円(中小企業以外は50万円)です。いずれも支給対象期間における賃金の額が上限となります。
個人事業主が、対象となる発達障害や難治性疾患のある従業員を継続して雇用する場合に利用できる助成金です。
障害者作業施設設置等助成金
障害者作業施設設置等助成金は、障害の特性に合わせて事業所や施設の設置や整備を行う事業主を助成金により支援する制度です。設置・整備の方法により、「第1種作業施設設置等助成金」と「第2種作業施設設置等助成金」に分けられます。第1種は作業施設を工事や購入などにより整備・設置することを対象にした助成金です。第2種は作業施設の賃貸による設置・整備を対象としています。
対象障害者 | 助成額 |
---|---|
| 支給対象費用の3分の2 ※雇用形態や対象者の人数で上限あり |
障害者介助等助成金
障害者介助等助成金は、障害者の特性に応じて職場介助者を配置または外部に委嘱して配置する場合にかかる費用を助成する制度です。支給対象期間が10年間と長く、個人事業主の長期的な障害者雇用の実現に役立ちます。
主な要件 | |
---|---|
対象障害者 |
|
対象措置 | 重度視覚障害者または重度四肢機能障害者に対する直接の介助業務を行う職場介助者を設置または委嘱すること |
助成額 | 職場介助者の配置や委嘱における支給対象費用の4分の3 (配置は月15万円、委嘱は1回あたり1万円を上限) |
個人事業主が障害者雇用の助成金を申請する方法
個人事業主が障害者雇用の助成金を申請する流れを紹介します。
助成金の要件を確認する
障害者雇用の助成金を含む厚生労働省の雇用関係助成金などは、助成金ごとに定められた支給要件を満たさないと支給の対象になりません。例えば、雇用関係助成金については、各助成金に定められた支給要件のほかに、雇用関係助成金のすべてに適用される共通の支給要件が設けられています。助成金の申請前に、共通の要件を満たしているか、また各助成金制度が定める要件を満たしているか、両方について確認しておくことが重要です。
ハローワークなどの公的機関に相談する
ハローワークは、事業主による雇用保険の手続き関係のほかに、事業主向けの各種助成金や給付金の相談にも対応している公的機関です。各種助成金の内容を確認していく中で、不明瞭な部分なども出てくるかもしれません。助成金についての問い合わせは、ハローワークや助成金を扱っている公的機関に対して行うのが確実です。
必要書類を準備して助成金を申請する
申請する助成金によって提出が必要な書類は異なります。応募要領などを十分に確認したうえで書類を準備し、助成金の申請をしましょう。厚生労働省の雇用関係助成金については、郵送での申請ができるほか、電子申請にも対応しています。
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個人事業主が障害者雇用の助成金を申請する場合の注意点
個人事業主が障害者雇用の助成金を申請する前に確認しておくべきポイントを解説します。
ハローワークを通さないと申請できない可能性がある
障害者雇用の助成金については、ハローワークなどを通して対象となる障害者を雇用することが支給条件となっています。民間の紹介事業者を通した雇用も認められていますが、知人などからの紹介による雇用は対象となりません。対象となる障害者を雇用する場合であっても、雇用方法によっては助成金を受けられない可能性もあるため注意しましょう。
助成金目当ての障害者雇用は許されない
助成金の趣旨に反する障害者雇用の助成金の受給は認められない可能性があります。あくまで障害者の雇用促進を目的として設けられている助成金のため、目的の趣旨に従った活用をするようにしましょう。
親族は助成金の支給対象外となる場合がある
例外は存在しますが、基本的に代表者や取締役の3親等以内の親族は助成金の対象外とされています。3親等以内の親族とは、配偶者や父母、子、孫、祖父母、兄弟、おじやおば、姪や甥、配偶者の父母などのことです。申請する助成金によっては親族が対象外となる可能性があることにも注意しましょう。
個人事業主も障害者雇用の助成金を申請できる
厚生労働省では、障害者雇用の促進や障害者が働きやすい環境の整備を目的として、障害者雇用関連の助成金を設けています。障害者雇用関連の助成金は、障害のある人を従業員として雇用する事業主を広く支援する目的であるため、法人だけでなく個人事業主も対象となります。障害者雇用の助成金といってもさまざまなタイプがあるため、状況や環境に合わせて活用を検討するとよいでしょう。
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