- 更新日 : 2026年10月5日
確定申告は過去分をさかのぼって申告できる?還付金はもらえる?
所得税法では、修正申告は更正を受けるまで、更正の請求は申告期限から原則5年以内に行う必要があります。
- 還付を受ける更正の請求は期限を過ぎると請求できなくなる
- 無申告のまま放置すると期限後申告でも加算税が発生する
- 重加算税は本来の税額の35〜40%が上乗せされる
証明書類を揃え、不明点は税務署に確認して早めに申告しよう。
確定申告で申告した税額が本来の税額より多い、もしくは少ない場合は、過去分の申告をやり直す必要があります。確定申告で多めに納税していれば、還付金を受けられる可能性もあるでしょう。
今回は、過去分をさかのぼって確定申告をするやり方について解説します。
おかげさまで、確定申告期に多くのユーザーさんにお読み頂いております。 「初心者向け 確定申告書の記入ガイド」は、すでにお持ちでしょうか?
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確定申告は過去分をさかのぼって申告できる?
確定申告は、1月1日から12月31日までの所得税を正しく計算し、税務署に申告するための手続きのことです。一般的には、毎年2月16日から3月15日までが確定申告の期間となっていますが、実はこの期限を過ぎても、過去分をさかのぼって申告できる制度があります。
期限後申告
確定申告の期限内に申告できなかった場合の申告手続きを「期限後申告」といいます。提出期限を過ぎてから確定申告を行うと、無申告加算税が課される可能性があるため注意が必要です。
修正申告
すでに提出した確定申告書に誤りや不足が見つかった場合の申告手続きを「修正申告」といいます。例えば、経費の計上漏れや、所得の申告漏れなど、申告した内容が実際と異なる場合は「修正申告」で正しい金額を申告します。
もともと申告した金額よりも多く税金を納める必要がある場合は、税務署から指摘される前に自主的に修正申告を行うことで、ペナルティの一部軽減が見込める場合があります。修正申告について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
更正の請求
すでに提出した確定申告書で、本来より税額を多く申告してしまった場合の申告手続きを「更正の請求」といいます。
修正申告と異なり、納めすぎた税金や、受け取れなかった還付金を返してもらうことを目的としています。更正の請求について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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確定申告は最長5年分さかのぼって申告できる
過去の確定申告の内容を修正したり、納めすぎた税金の還付を受けたりする手続きには、それぞれ取扱いが異なります。
納める税金が少なかった場合は「修正申告」を行います。修正申告について、納税者側に「法定申告期限から5年以内」という一律の提出期限が定められているわけではありませんが、誤りに気付いた場合は、できるだけ早く手続きを行うことが大切です。
一方、納めすぎた税金を取り戻す「更正の請求」は、原則として法定申告期限から5年以内に行う必要があります。
過去分の確定申告を検討している場合は、5年以内を目安に手続きを進めましょう。
特に、更正の請求で還付を受けるには5年という期限が厳格に適用されるため、期限を逃してしまうと手続きができなくなる恐れがあります。「過去5年分ならあとで申告すればよいだろう」「修正申告のやり方がよくわからない」とそのまま放置せず、気付いた段階で早めに申告することをおすすめします。
一方、確定申告をしていなかった場合は、期限後申告の扱いになります。期限後申告は、形式上5年を過ぎても可能ですが、無申告加算税や延滞税がかかり、最終的に多額の追徴課税になる可能性もあります。
また、納めすぎていた税金があっても還付対象にならない可能性があるため注意が必要です。
確定申告で過去分をさかのぼって申告するやり方
過去分をさかのぼって申告する場合も、通常の確定申告と同様に、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から確定申告書を作成できます。
なお、確定申告書の作成方法には、確定申告ソフトで作成する方法や手書きで作成する方法もあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
期限後申告のやり方
「確定申告書等作成コーナー」のトップ画面から、「作成開始」をクリックします。

提出方法を選択後、「過去の年分の申告書等の作成」から対象年度を選んで、「所得税」をクリックすると、期限後申告の確定申告書を作成可能です。

修正申告・更正の請求のやり方
「確定申告書等作成コーナー」のトップ画面の下部にある「提出した申告書に誤りがあった場合」の中から「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」を選択します。

提出方法を選択後、「作成する更正の請求書・修正申告書の選択」から対象年度を選んで、「所得税の更正の請求書・修正申告書」の「作成開始」をクリックすると、修正申告・更正の請求が可能です。

作成した確定申告書は、印刷して税務署に直接持参する他、インターネット経由で税務署に送信する方法(e-Tax)、税務署に郵送する方法で提出することができます。
自宅で確定申告を済ませたい方は、e-Taxの利用がおすすめです。
過去分の確定申告を行うと還付金は受けられる?
過去分の確定申告で本来よりも多い税額で申告をしてしまった場合は、還付金を受けられる可能性があります。
更正の請求によって、間違って申告した税額から本来の税額を差し引いた金額を還付してもらうことが可能です。過去の確定申告の控えや医療費の領収書、保険料控除証明書など、所得控除を証明できる書類をきちんと揃えておきましょう。
なお、通常の確定申告と同様、税務署の処理状況などによって還付金が振り込まれるまでにはある程度の期間を要します。時間に余裕を持って対応できるように準備を進めましょう。
過去分の確定申告に関するペナルティ
過去分の確定申告をしていなかった場合や、本来の納税額より少なく申告していた場合は、「延滞税」「無申告加算税」「重加算」「過少申告課税」「青色申告の取消」といったペナルティが発生します。時間の経過とともにペナルティが重くなるため、早めに申告しましょう。
延滞税
延滞税とは、納税期限を過ぎても納税されなかった場合に発生する税金です。延滞された日数によって税率が変動し、延滞日数が長くなるほど税率が上がります。
延滞税の税率は、法律上の原則では納税期限から2ヵ月以内は年7.3%、2ヵ月を超えると年14.6%です。ただし、実際には市中金利に応じた特例基準割合により軽減されており、令和8年分については2ヵ月以内が年2.8%、2ヵ月超は年9.1%となっています(税率は毎年見直されます)。
このように、納税が遅れるほど延滞税の負担額が増えます。延滞期間をできる限り短くできるよう、早めの申告が必要です。
無申告加算税
無申告加算は、確定申告の期間内に申告をしなかった場合に加算される税金です。加算される税額は、本来申告しなければならなかった税額に応じて変動します。
加算される税額は、本来申告しなければならなかった税額に応じて変動します。
税務署の調査を受けた後に期限後申告をした場合を例にすると、税額が50万円までであれば15%、50万円を超え300万円までの部分は20%、300万円を超える部分は30%の税率が課されます(令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する申告から適用)。
「確定申告に必要があると知らなかった」「申告期限がいつか間違えていた」など申告漏れが起きないようにくれぐれも注意しましょう。
重加算税
重加算税は、意図的な所得隠しや虚偽の申告を行った場合など、悪質な行為に対して課される非常に重いペナルティです。
本来の税額の35%もしくは40%の税が課せられるため、無申告加算税や過少申告加算税が課された場合よりも大きな金額になるでしょう。
過少申告加算税
過少申告加算税は、確定申告の内容に誤りがあり、本来よりも所得や税額を低く申告していた場合に課される税金です。原則として、新たに納付することとなった税額の10%が基本となりますが、一定額を超える部分については15%となる場合があります。
自分では正しく確定申告したつもりだった場合でも、内容に不備があった場合も過少申告加算税の対象となるため注意しましょう。
青色申告の取消
青色申告者が税務署からの指摘で重大な違反や不備を繰り返し、適正な申告をしていないと判断された場合、青色申告が取り消されることがあります。
青色申告とは、確定申告において所定の手続きを期限内にした場合に受けられる優遇措置です。これにより青色申告特別控除という措置がとられ、最高65万円が控除されます。
青色申告の承認を取り消された場合、再度青色申告の承認を受けるための申請については、取消しの通知を受けた日以後1年以内に申請書を提出していないかなどが審査されます。
期限内の確定申告ができるよう心がけましょう。
確定申告の不明点を放置せず正しい申告を
確定申告は過去分をさかのぼって申告することができます。ただし、過去分の申告内容に差異があったり意図的に偽造したりすると、加算税が課せられるなど厳しいペナルティを受けることになります。
確定申告は複雑でわかりづらい点が多くありますが、「こんなこと知らなかった」「申告漏れをした項目があった」と後悔しないように、不明点は税理士や税務署へ確認して正しく申告しましょう。
確定申告に関して詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。
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よくある質問
確定申告は過去何年さかのぼって申告できる?
税金を取り戻すための還付申告であれば、過去5年にさかのぼって申告できます。つまり「正しい申告にするための猶予期間が5年ある」とも言い換えれます。詳しくはこちらをご覧ください。
過去分をさかのぼって申告すると還付金は受けられる?
過去分の確定申告を行うことで還付を受けられる可能性があります。更正の請求により、税額の差額を返してもらえます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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