- 更新日 : 2024年10月24日
派遣社員で確定申告が必要なケースとは?年末調整ができない時の手続きについて
派遣社員として働いていると、年末調整のやり方が派遣会社によってまちまちなため、困惑することも多いのではないでしょうか。この記事では、どのような場合に確定申告が必要になるのか、また複数の会社を掛け持ちしている場合の対応などを解説していきます。具体例も紹介していますので、ご自分のケースと照らし合わせてみましょう。
目次
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そもそも確定申告って何?年末調整との違いは?
そもそも確定申告がどのようなものか分からない人もいると思いますので、年末調整と確定申告の違いを確認していきましょう。
年末調整とは、会社と雇用関係がある人が対象の手続きです。年に一度、会社から支給される給与所得の金額を改めて計算する手続きで、会社あてに必要な申告を行えば、税額の計算や納税まですべて会社側で終わらせてくれます。会社員の場合、毎年の年末調整を実施していれば原則確定申告の義務がないため、確定申告を実施したことがない人も多いかもしれません。
年末調整の仕組みについて、もう少し詳しく見てみましょう。毎月の給与支払い時には概算の税額が天引きされていますが、あくまでも概算であるため、年末(1年間の給与総額が確定する時期)に生命保険料控除や住宅ローン控除を含めて、会社が改めて正確な所得税額を算出します。これを受け、税金の追加徴収や還付といった調整を行ってくれるため、1ヵ所しか給与所得がない人は年末調整だけで申告・納税手続きが完結します。
これに対して確定申告は、全部で10種類ある所得に関する税額を計算する手続きです。そもそも年末調整されない人、年末調整の対象外の所得がある人は、自分で確定申告しなければなりません。
1年間の所得を自分で計算し、税務署に申告します。確定申告の義務がない人でも申告すれば税金が還付されることがあるので、忘れずに手続きすることが大切です。
派遣社員でも確定申告は必要?
派遣社員の場合は、基本的に派遣会社が年末調整してくれるので確定申告の必要はありません。ただし、派遣社員であっても次のような例外にあてはまる場合は自分で確定申告する必要があります。
年末調整時に派遣会社との雇用関係がない場合
年の途中で退職するなどして派遣会社との雇用関係がない場合は、会社に年末調整をしてもらえないので自分で確定申告しなければなりません。
派遣会社が年末調整できない場合
ほとんどの会社では年末調整を実施してくれますが、会社によっては年末調整をしていない場合があります。また、入社したタイミングによっては、年末調整の対象外となることもあります。
例えば「11月までに入社していないと対象外」「12月に退職していれば対象外」など、基準は派遣会社によって異なりますので、入退社のタイミングが年末近い場合は、念のため確認したほうがよいでしょう。
20万円以上の副収入がある場合
派遣会社の仕事以外にも、アルバイトや副業の収入が20万円以上ある場合は、確定申告が必要になります。金額が20万円に及ばなければ確定申告は不要です。
医療費控除や住宅ローン控除がある場合
医療費控除や住宅ローン控除(1年目の手続きのみ)は年末調整の対象外であるため、自分で確定申告を実施する必要があります。年末調整の対象外とされている所得控除には、以下のようなものがあります。
- 医療費控除
1年間の医療費が10万円以上かかった場合 - 住宅借入金等特別控除
いわゆる住宅ローン控除。1年目のみ確定申告が必要。2年目以降は年末調整で対応可 - 雑損控除
災害や空き巣などの被害の一部を所得から差し引ける - 寄付金控除
国や地方公共団体、特定の団体に寄付した金額の一部を所得から差し引ける
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派遣の仕事を掛け持ちしている場合はどうする?
複数の会社から源泉徴収票が発行されている場合には、12月時点に在籍しているどこか1社に源泉徴収票を提出して、まとめて年末調整してもらうことが可能です。基本的にはメインの派遣会社に年末調整をお願いし、他の会社にはメインの会社で年末調整してもらっているため対応が不要であることを伝えておきましょう。
掛け持ちしている仕事のうち、収入が20万円を超えているにもかかわらず年末調整が行われていないものがあれば、確定申告が必要になるため注意しましょう。
もし確定申告をしなかったらどうなる?
確定申告に対して「複雑」「面倒くさい」といった印象を持つ人は多いでしょう。しかし、確定申告を実施しなかった場合には、大きなペナルティがありえます。「自分はバレないかも」という軽い気持ちで申告を怠ると、後で大きな金額を請求される可能性もあるため、申告義務がある人は必ず期限内に確定申告を実施しましょう。
確定申告の義務があるにもかかわらず申告しなかった場合には、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の金額がペナルティとして課されます。もちろん本来納付する必要があった税額も納付しなければなりません。
期日に遅れてしまっても期限後申告という形で申告可能ですが、確定申告の内容によっては無申告加算税や延滞税が課される場合があります。期日を過ぎると余計な手続きが発生するため、できる限り期日内に申告を完了させましょう。
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派遣社員でも必要なら忘れずに確定申告を
派遣社員として働いている人は勤務先が複数ある場合も多く、年末調整や確定申告の負担が重くなりがちです。年末調整で済ませられるものは、できるだけ年末調整にまとめて、納税の手間を軽減させましょう。
確定申告について詳しく知りたい人は、以下の記事で具体的に解説しているので参考にしてください。
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銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案

自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能

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よくある質問
派遣社員でも確定申告は必要?
基本的には派遣会社が年末調整を実施してくれるため確定申告は不要。ただし、複数の派遣会社で働いている場合など、例外はある。 詳しくはこちらをご覧ください。
派遣の仕事を掛け持ちしている場合は?
複数社から源泉徴収票が出ている場合は、1社に源泉徴収票を提出して年末調整してもらえば確定申告は不要。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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