確定申告が必要な申告分離課税とは?


所得の合計金額に課税する総合課税とは別に、特定の所得に対してそれぞれ単独の計算式で課税をしていくのが分離課税です。この分離課税の中にも天引きの源泉分離課税と確定申告が必要な申告分離課税があります。この申告分離課税について再確認してみましょう。

総合課税と分離課税の違い

総合課税とは、所得を合算した総所得金額に課税する方法で、サラリーマンの給与所得やアパートなどの賃貸経営者の不動産家賃収入、個人事業主の事業所得などがあります。

それに対し、分離課税とは不動産売却による所得や銀行預金の利子所得、株の売却による所得に単独の計算で課税する方法です。これは相続した土地が値上がりして生じた利益や退職金など、一時に大きな金額が手に入った時、その金額を通常の課税所得とは切り離して計算をすることで、他の所得にも高い税率が適用されないようにする制度です。

源泉分離課税

源泉分離課税は支払われる時点で所得税分が引かれているので、ご自身で納税手続きをする必要がなく、確定申告時も申告不要です。源泉分離課税の対象となる主な所得は下記です。

(1) 利子所得に該当する利子等(総合課税の対象となるものを除く)
(2) 特定目的信託のうち、社債的受益権の収益の分配に係る配当
(3) 私募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る配当
(4) 懸賞金付預貯金等の懸賞金等
(5) 次の金融類似商品の補てん金等
イ 定期積金の給付補てん金
ロ 銀行法第2条第4項の契約に基づく給付補てん金
ハ 一定の抵当証券の利息
ニ 貴金属などの売戻し条件付売買の利益
ホ 外貨建預貯金で、その元本と利子をあらかじめ定められた利率により円又は他の外国通貨に換算して支払うこととされている一定の換算差益
ヘ 保険期間が5年以下などの一時払養老保険や一時払損害保険等の差益

出典:No.2230 源泉分離課税制度|所得税|国税庁

申告分離課税

次に挙げる所得に対しては申告分離課税の対象となるため、確定申告が必要です。

・株式の譲渡所得など(特定口座、少額投資非課税制度(NISA)など確定申告が不要なものもある)
・不動産売却による譲渡所得
・先物取引やによる雑所得
・山林所得

また上場株式配当所得は、総合課税か申告分離課税かを選べます。
(参照:No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|所得税|国税庁
(参照:No.2240 申告分離課税制度|所得税|国税庁

申告分離課税所得と所得税の計算方法

先に挙げた所得の申告分離課税の計算方法はこちらです。

株式譲渡所得

譲渡価格から取得費と譲渡費用を差し引いたものが譲渡所得(譲渡益)となり、他の所得とは分けて税金の計算をする申告分離課税となります。

また、先物取引の場合は、その取引にかかる事業所得の金額、譲渡所得の金額、そして雑所得の金額を合算したものを雑所得等の金額とします。

雑所得×15%を所得税、雑所得×5%を地方税、さらに平成25年から平成49年までは所得税額の2.1%が復興特別所得税として納める必要があります。

(参照:No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例|所得税|国税庁

不動産譲渡による譲渡所得

不動産譲渡による所得に対する税額は、譲渡するまでに保有していた期間が5年を超えるかどうかで「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」とに分かれます。また、一定の条件を満たしたものに関しては税率が軽減されるものもあります。さらに、不動産譲渡においても、それぞれ所得税額の2.1%の復興特別所得税が加算されます。

土地建物の譲渡取得における長期譲渡所得と短期譲渡所得の計算方法は下記の通りです。

・所有期間が5年を超えるものを譲渡した場は所得金額の15%が所得税、5%が住民税となります。

・所有期間が5年を超えるものを国などに譲渡した場合や交換譲渡、優良住宅建設や宅地造成のための譲渡は2000万円以下に対し10%が所得税で4%が住民税となり、それを超える部分は15%が所得税、5%が住民税となります。

・所有期間10年を超える自宅用の土地建物を譲渡した場合6000万までの部分は10%が所得税で4%が住民税となり、それを超える部分は15%が所得税、5%が住民税となります。

・所有期間が5年以下の土地建物を譲渡した場合の短期譲渡所得は30%が所得税で9%が住民税、国などに対する譲渡や交換譲渡は15%が所得税、5%が住民税となります。

・山林所得の税額計算は課税山林所得金額の1/5に総合課税の税率をかけて算出した金額を5倍にします。これは5分5乗方式による計算です。

ただしこれらの計算はおおまかな原則となっていますので、個別の事例に対しては税務署にお問い合わせください。

課税方法や計算方法は一見複雑ですが大変理にかなった方法がとられています。今は該当しなくても近い将来の節税につながるかもしれません。

株式や不動産の確定申告は以下の記事も参考にしてみてください。
株式等の譲渡所得等の確定申告方法
家賃収入があるときに必要な確定申告



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