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  • 更新日 : 2021年3月26日

確定申告で貸借対照表の現金がマイナスになる場合の対処法

確定申告で貸借対照表の現金がマイナスになる場合の対処法

貸借対照表を作らなければ、ならない」
「でも、現金がマイナスになる」
このようなことは、実際に帳簿付けを行っているとありえます。
中には、現金がプラスで多すぎるケースもあります。

この記事では、そんな方に向けて現金が合わない場合の原因や調整方法を説明していきます。お手上げになる前に、必ず合わせる方法もあります。

貸借対照表で現金がマイナスになることはある?

理屈的には、貸借対照表で現金がマイナスになることはありません。
理由は、お財布の中身がマイナスにならないことと同じです。
手持ちの現金以上に、支払うことはできません。

そもそも貸借対照表の現金は、ある日付の会社のお財布で、現金をいくら持っていたと言っていることと同じです。このときに、マイナス2,000円持っていたと言うことはできません。
したがって、貸借対照表の現金はマイナスになりません。
ただ、実際に帳簿付けを行っていると現金がマイナスになることがあります。貸借対照表で現金がマイナスになるのは、なんらかの原因が必ずあるため、調べて修正しましょう。

貸借対照表で現金がマイナスになる原因

貸借対照表で現金がマイナスになる根本的な原因は、以下の2つです。

  • 現金の入金処理を忘れている
  • 現金の支払金額が多くなるような間違いがある

上記を前提として、具体的には以下の原因が考えられます。

  • 現金売上を計上していない
  • 売掛金の消込(けしこみ)を忘れている
  • 預金から現金への振替を忘れている
  • 数字の入力ミス

それぞれ確認していきましょう。

現金売上を計上していない

現金売上とは、以下の仕訳です。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
現金100万円売上100万円

上記の仕訳を計上しないと現金が増えません。
売上の計上忘れがないか必ず確認しましょう。

売掛金の消込を忘れている

売掛金の消込(けしこみ)とは、以下の仕訳です。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
現金100万円売掛金100万円

もし貸借対照表の売掛金の残高が大きい場合は、上記の仕訳を忘れていないかどうか確認しましょう。不自然に売掛金が大きすぎると、この仕訳を忘れている可能性が高いです。

預金から現金への振替を忘れている

預金から現金への振替とは以下の仕訳です。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
現金100万円預金100万円

上記仕訳の意味は「銀行口座から現金を引き出した」ということです。
よくあるのは、売上は銀行振り込みで預金になり、経費は現金で支払うというパターンです。当然のことながら、経費を現金で支払うと、銀行口座から現金を引き出します。
このとき銀行口座から引き出した処理を忘れると、結果として現金のマイナスに繋がります。

数字の入力ミス

数字の入力ミスは、仕訳のあらゆるところで起こる可能性があります。
ご自身の事業内容からみて、不自然に金額が大きいものがないか調べましょう。
具体的には、消耗品費で10万円の商品を購入したところ、100万円になっていないかどうかなどがあります。

会計ソフトや表計算ソフトで帳簿付けを行っている場合は、現金と金額のフィルターで不自然なものがないか確認しましょう。

現金の残高を合わせる方法

ここまでの説明で、貸借対照表の現金が大きくマイナスになることを防ぐことができるでしょう。
次は、帳簿上の現金残高を実際の手持ち残高に合わせる方法を説明していきます。

帳簿上の現金残高を実際の手持ち残高に合わせる方法は、主に「現金過不足という勘定科目を使う方法」と、個人事業主の場合の「事業主借・事業主貸を使う方法」という2つのやり方があります。

まずは、現金過不足を使う方法を確認していきましょう。

現金過不足を使う

現金過不足とは、現金を調整するための勘定科目です。
ただし、現金過不足という勘定科目は、貸借対照表に記載しない点に注意が必要です。
現金過不足は以下の仕訳のように、現金残高の調整が終わったあとは雑損または雑益になり、結果として現金過不足の残高は必ずゼロにします。

この方法は、実際の現金と帳簿の現金との差額が少額である場合に使用します。もし差額が多くある場合は、それだけ多額の損益を計上するため、おすすめしません。

現金の調整は、実際の残高が多いケースと、帳簿の残高が多いケースの2つがあります。
それぞれ例題で確認していきましょう。

実際の現金残高が多いケース

【例題】
手持ちの現金は100万円に対して、帳簿の現金は98万円であった。

【現金の残高を合わせる仕訳】

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
現金2万円現金過不足2万円

まず、上記の仕訳で帳簿の現金を2万円増加させます。したがって、借方は現金の勘定科目を使用します。貸方は現金過不足の勘定科目を使用します。

【現金過不足を消す仕訳】

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
現金過不足2万円雑益2万円

次に、現金過不足を取り消すように仕訳を行います。例題の場合は、借方勘定科目を現金過不足とすることで残高がゼロになり、消すことができます。貸方勘定科目は、雑益や雑収入などの勘定科目を使用します。

補足として、現金過不足を消す仕訳は期末で行います。期の途中では基本的に行いません。

帳簿の現金残高が多いケース

【例題】
手持ちの現金は90万円に対して、帳簿の現金は95万円であった。

【現金の残高を合わせる仕訳】

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
現金過不足5万円預金5万円

帳簿の現金が多い場合は、帳簿の現金を減らす仕訳を行います。つまり、現金を貸方にすることで帳簿の現金が減ります。借方は現金過不足とします。

【現金過不足を消す仕訳】

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
雑損5万円現金過不足5万円

次に、現金過不足を消すため、貸方勘定科目を現金過不足とします。
借方勘定科目は、雑損や雑費などの勘定科目を使用します。

事業主借・事業主貸を使う

個人事業主の場合は「事業主借」または「事業主貸」という勘定科目を使用することで現金の残高を調整することができます。
この方法は、損益を計上しないため、利益が変わらず税金への影響がありません。
さらに、原因がわからず、現金が合わない場合の最終的な方法です。

帳簿の現金を増加させるケースと減少させるケースがあるため、それぞれ確認していきましょう。

帳簿の現金を増加させるケース

【例題】
手持ちの現金は100万円に対して、帳簿の現金は96万円であった。

【帳簿の現金を増加させる仕訳】

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
現金4万円事業主借4万円

まず、帳簿の現金を増加させるため、借方勘定科目を現金とします。貸方勘定科目は事業主借とします。金額は手持ちの現金と帳簿の現金との差額である4万円とします。

帳簿の現金を減少させるケース

【例題】
手持ちの現金は94万円に対して、帳簿の現金は100万円であった。

【帳簿の現金を減少させる仕訳】

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
事業主貸6万円現金6万円

まず、帳簿の現金を減少させるため、貸方勘定科目を現金とします。借方勘定科目は事業主貸とします。金額は手持ちの現金と帳簿の現金との差額である6万円とします。

現金は最後に調整しよう

現金は、仕訳1つで簡単に変わってしまう勘定科目です。
決算や確定申告では、以下の手順を参考に現金の調整はあくまでも最後に行いましょう。

  1. 売上の仕訳を確定させる
  2. 経費の仕訳を確定させる
  3. 預金から現金の振替がないか確認する
  4. 事業主借・事業主貸がないか確認する
  5. ゴールとなる現金の残高をハッキリさせる
  6. 現金を調整する

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド確定申告

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