- 更新日 : 2025年2月21日
赤字でも個人事業主に税務調査が来る?経費処理の注意点
赤字経営の個人事業主でも、確定申告を正しく行わなければ税務調査の対象になりえます。納税を逃れるために売上の過少申告をする場合や、売上に対して経費が多すぎる場合など、税務署から目をつけられる要素はさまざまです。
この記事では、個人事業主が税務調査の対象になる確率や、調査対象にならないための対処法を解説します。
目次
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赤字でも個人事業主に税務調査が来る?
個人事業主が赤字経営の場合でも、支出や収入の申告内容に不自然な情報が見受けられた時は、税務調査の対象になる可能性があります。赤字であることを申告するだけでは、不正の有無を判断するには不十分だからです。
以下のような内容が、税務調査の対象になるケースとして挙げられます。
- 収支の不自然な増減がある場合
- 売上額が昨年から急激に減少している場合
- 申告額が同業他社とかけ離れている場合
- 高い売上がある一方で、多額の経費がかかっている場合
税務調査の対象にならないためには、正確に申告内容を記録することが重要です。赤字だからといって適当に帳簿や記録をつけるのではなく、万が一税務調査の対象になった場合に備えて、透明性のある記録を残しておきましょう。
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個人事業主で税務調査に入る確率は?
過去のデータから傾向を見ることで、個人事業主に税務調査が入る確率の予測ができます。
国税庁が公表している資料によると、令和4年分の個人事業主の消費税に関する申告数は105万5,000件でした。また、別の資料では105万5,000件の申告数に対し、実地調査が行われたのは2万5,513件と報告されています。
この数字を用いて「2万5,513件÷105万5,000件」の計算をすると、税務調査の割合は約2.4%だとわかります。
令和5年分の結果も見てみましょう。個人事業主の消費税に関する申告件数が197万2000件だったのに対し、実地調査数は2万6,576件でした。この数字を見ると、令和5年分の税務調査の割合は約1.3%という結果になります。
これらの結果から、個人事業主に対して税務調査が入る確率は、数%台であると考えていいでしょう。
参考:令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について(報道発表資料)|国税庁
参考:令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況|国税庁
赤字の個人事業主に税務調査が目をつけるケース
ここでは、赤字申告をしているにもかかわらず、個人事業主が調査の対象になる例を5つ紹介します。
1. 数年間売上を1,000万円弱ぎりぎりで計上している
日本の消費税制度では、 個人事業主の課税売上額が1,000万円以下の場合、翌々年の消費税を納める義務が免除されます。
そのため、1,000万円弱の金額(800〜900万円当たり)で何年間も連続して申告している場合は、消費税の納税を逃れるために売上の調整を行なっているのではないかと疑われるかもしれません。
仮に1,000万円以上の売上があるにもかかわらず、意図的に過少申告した場合は、課税内容を隠蔽・仮装したとして、過少申告加算税が課税されます。
参考:消費税の中小・小規模事業者向けの特例に関する資料|財務省
2. 申告漏れ所得金額が多い業種に該当している
国税庁が公開している消費税に関する資料には、申告漏れの金額が多い業種のランキングと1件あたりの申告漏れ所得金額、追徴課税額が記載されています。
ランキングの業種に該当している人が全員疑いをかけられるわけではないかもしれません。しかし、業種全体を見ても申告漏れが多いことから、税務調査の対象になる可能性は高いと考えておいた方がいいでしょう。
3. 経費に疑わしい点がある
低い売上に対して高額な経費が計上されていたり、売上に対して経費が少なすぎたりすると、経理処理の異常性が疑われます。
たとえば、売上が低いにもかかわらず多額の広告費を計上していたり、一般的には交際費がかからない業種で交際費の割合が高すぎたりすると、経費の使い方を疑問視されて目をつけられるケースがあります。
4. 現金商売を行っている
現金商売とは、提供したサービスに対して現金で対価をもらっている商売のことを意味し、飲食店や小売店、美容室などのサービス業が該当します。現金商売は、通帳への履歴が残らないため、改ざんや不正が疑われやすい傾向があります。
会計で現金を取り扱う事業は、売上管理を詳細かつ丁寧に行うことが重要です。
5. 開業後3年が経過している
開業して3年が経過する個人事業主も注意が必要です。理由として以下のような内容が挙げられます。
- 一般的に売上が順調に上がる時期だから
- 消費税の課税義務が発生するのが開業3年目以降だから
- 個人の所得税は過去3年を遡って調査するのが一般的だから
開業3年目以降は、売上が順調に増えたり、会計処理に慣れてきたところでミスが起きたりするなど、調査対象として目をつけられやすい時期です。ほかにも、個人事業主の所得税は過去3年分を遡れるため、過去の申告内容を見直す作業が行われる場合があります。
開業3年目を迎えた個人事業主は、過去の申告内容に不備がないかあらためて確認するのがいいでしょう。
赤字の個人事業主にもし税務調査が入ったら?
ここでは、個人事業主に税務調査が入った場合の流れと対応方法について解説します。赤字経営の場合も税務調査が入る可能性があると認識しておきましょう。
税務調査の流れ
前述したように、何かしらの理由で税務調査の対象となった場合は以下の流れで調査が行われます。
事前通知
税務署が税務調査を行う場合、納税者と税務代理人に事前通知を行うことが原則です。ただし、事前通知をすることで調査に支障が出る場合は、通知をせずに調査を行うことが認められています。
通知事項には、「調査開始日時、調査場所、調査の目的、調査の対象となる税目・期間、調査の対象となる帳簿書類等」などがあります。
質問検査等(税務調査当日)
質問検査では、売上の帳簿や領収書の控え、在庫管理の方法など、確定申告にまつわる内容が隅々まで調査されます。関連書類に関しては、過去3年分を遡って提示しなければならない場合があるため、日頃から正確性と透明性を意識した帳簿管理をしなければなりません。
調査結果の説明・修正申告等の勧奨
税務調査の結果、申告内容に誤りがあると判断された場合は、税務署から納税者に対して調査内容についての説明と、修正申告書の勧奨が行われます。
申告内容に誤りがなかった場合は、納税者と税理士の双方に「更正又は決定をすべきと
認められない場合の通知」が送付されます。
調査中の対応方法
税務署から税務調査の事前通知がきたら、調査を避けることはできません。調査を長引かせないためにも、必要書類を用意し、透明性のある態度で調査に協力しましょう。
調査の中では、調査員からさまざまな書類の提示と説明が求められます。日頃から売上の記録や書類を管理しておくと、税務調査がスムーズに進行するでしょう。税務調査は、関係書類の整理が重要です。ひとりで管理するのが難しい場合は、専門の税理士に相談するといいでしょう。
個人事業主が税務調査の対象にならないための対策
税務調査の対象にならないためには、過少申告や無申告などの不正行為は必ず避け、収入や支出、経費の管理を徹底することが重要です。ここでは、調査対象にならないための対策方法を3つ紹介します。
1. 日々の記帳を正確に行う
収入や支出、経費などを細かく記録して、日々の記帳を正確に行うことが大切です。必要な書類や領収書を月ごとに整理し、正しい額を記載しましょう。意図的でなくてもミスがあることで、税務調査の対象になる可能性があります。
会計ソフトやエクセルを使って売上や経費を管理したり、入金があった時点で仕訳処理を行うなど、細かく記帳する習慣をつけましょう。
2. 経費の内容を把握する
確定申告の際、経費として計上できる内容には限りがあります。個人事業主は家で仕事をしている人も多いので、プライベートと仕事の境目が曖昧にならないように気をつけましょう。
個人事業主が自宅を事務所代わりにしている場合、家賃や通信費の一部は経費として計上できます。一方、衣類の購入費や食費など、事業に関係がないプライベートなものは経費として計上できません。
記帳を行う際は、領収書として残っている経費がすべて事業に関係しているものであるか確認しましょう。
3. 確定申告を正しく行う
確定申告を正しく行うことは、税務調査にならないための対策として非常に重要です。帳簿に記録した内容に沿って、該当する項目を丁寧に転記しましょう。転記した内容に異常な数値があったり、疑わしい経費が見受けられたりすると、不正が疑われるかもしれません。
申告内容に透明性はあるかを充分に確認し、申告の締切を守って提出しましょう。
赤字経営の個人事業主でも税務調査は来る!丁寧な帳簿管理でリスクを減らそう
赤字経営や所得が少ない個人事業主でも、売上や経費を正確に申告していなければ税務調査の対象になります。確定申告を正確に行うためには、日々発生する収入や支出、経費などの動きを丁寧に記録しなければなりません。確定申告の時期にまとめて処理しようとすると、思わぬミスを招く可能性があります。仕入れや入金が行われるたびに丁寧に記録し、帳簿と申告内容に差異がないように注意しましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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