- 更新日 : 2023年2月8日
確定申告で口座振替を選ぶメリット・デメリット
確定申告の社会保険料控除で適用される国民年金ですが、口座振替で前納することによって保険料が割引される制度があるのをご存じですか?
今回は前納することによって保険料が割引される「国民年金前納割引制度」とこの制度を使用した際の確定申告の控除、さらに確定申告で口座振替を選ぶメリット・デメリットについて紹介します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
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口座振替で前納する「国民年金前納割引制度」とは
「国民年金前納割引制度」とは、国民年金保険料を口座振替で前納することによって割引が適用される制度です。
前納する単位は、1か月、6か月、1年、2年の4種類あります。令和5年度の1回あたりの国民年金保険料は16,520円ですが、前納する単位ごとに割引を適用すると、以下の通りとなります。
振替方法 | 本来の納付額 | 割引額 | 2年目に換算した割引額 | 振替日 |
---|---|---|---|---|
当月末振替(早割) | 16,470円 | 50円 | 1,200円 | 当月末日 |
6か月 | 97,990円 | 1,130円 | 4,520円 | 4月末日 10月末日 |
1年 | 194,090円 | 4,150円 | 8,300円 | 4月末日 |
2年 | 385,900円 | 16,100円 | - | 4月末日 |
※令和5年度の2年前納割引額を記載しています。振替日が休日の場合は翌営業日が振替日になります。
※割引額は年利4%の複利現価法によって計算した額です。
出典:国民年金前納割引制度(口座振替 前納)について|日本年金機構HP
「令和5年度の振替方法別割引額」を加工して作成
最新の割引額につきましては、日本年金機構による前納割引制度の詳細をご確認ください。
参考:国民年金前納割引制度(口座振替 前納)について|日本年金機構HP
国民年金保険料を納付書によって納めるのではなく、口座振替にするだけで割引が適用されることになります。まとめて納付すればするほど納付額は大きくなりますが、確定申告の社会保険控除として差し引くことによって、節税することができます。
国民年金の口座振替の申込み方法は、「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書」を記載して、年金事務所か指定した金融機関へ提出します。
年金事務所へは郵送することも可能です。「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書」は年金事務所の窓口にある以外にも日本年金機構のサイトからダウンロードすることもできます。
国民年金を前納した場合の控除の具体例
前納して割引が適用された保険料であったとしても、確定申告を行なう際に社会保険控除として適用することができます。
2年分の国民年金保険料を前払いする「2年前納」を選択した場合は、
2.各年分に分けて適用する
のどちらかを選択することができます。
それでは、令和5年度の国民年金保険料を参考に具体的な控除額を見ていきましょう。
1の場合、2年前納した385,900円を一括して社会保険料控除として申告することになります。
2の場合は、前納した385,900円を各年分に按分する必要があります。
たとえば令和5年4月分から令和7年3月分まで前納した額は385,900円となるため、
385,900円×9か月※/24か月=144,713円
※令和4年4月から令和4年12月までの9か月
・令和6年に社会保険料控除として適用できる額:
385,900円×12か月/24か月=192,950円
・令和7年に社会保険料控除として適用できる額:
385,900円×3か月※/24か月=48,238円
※令和7年1月から令和7年3月までの3か月
となります。
確定申告は毎年1月1日から12月31日までに生じた所得を申告する制度であるため、4月から前納している場合は、確定申告の1月開始に合わせるために各年分に計算し直す必要が出てくるのです。
確定申告における納税額の計算方法はこちらのページからご確認ください。
確定申告書を使って、計算方法を具体的に説明しています。
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確定申告における口座振替のメリットとデメリット
国民年金保険料の前納制度は、前払いした分だけ割引額が大きくなるメリットがあり、割引後の保険料も社会保険料控除を適用することができますが、確定申告の口座振替制度には納税額が割引されるといったメリットはありません。
確定申告における口座振替制度を「振替納税」制度といい、一度申し込むことで納税する手間を省くというメリットを受けることができます。
確定申告の納付期限は例年3月15日となっており、確定申告の終了日と同じ日となっています。納付期限を過ぎてしまうと、延滞税が自動で課されることになります。
振替納税制度を利用することによって、延滞税を支払うことを未然に防ぐことが可能となります。
ただし振替日に口座残高不足により引き落としできなかった場合は、税務署から通知がくることなく自動で延滞税がかかるというデメリットもあるため、十分な注意が必要となります。
確定申告の振替納税制度の申込み方法は、「納付書送付依頼書」を作成し、税務署か振替する金融機関に提出することになりますが、確定申告をするタイミングで同時に提出することも可能です。
転居によって住所が変更になった場合には。転居先の所轄税務署にあらためて「納付書送付依頼書」を提出しましょう。申請のし忘れにはよく注意しましょう。
「納付書送付依頼書」は税務署に取りに行く以外にも、国税庁のサイトからプリントアウトすることができます。
まとめ
国民年金の前納制度を利用することによって、納付する保険料が割引されます。一度に支払う保険料の額は大きくなりますが、割引が受けられるのは個人事業主にとって大きなメリットになると思います。
保険料を支払っている経営者様はぜひとも国民年金の前納制度を活用して、所得税の確定申告の節税となるようにしてみるというのはいかがでしょうか?
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