1. 確定申告ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」
  2. 確定申告の基礎知識
  3. フリーランスなら知っておきたい「働き方」や「お金」のアレコレ。独立を目指す前に準備しておきたい心得20カ条
  • 作成日 : 2015年6月29日

フリーランスなら知っておきたい「働き方」や「お金」のアレコレ。独立を目指す前に準備しておきたい心得20カ条

フリーランスという働き方が一般的になるにつれ、会社員を辞めて独立しようと考える人もいるのではないでしょうか?しかし、フリーランスというのは「全てを引き受けること」であり、会社員時代はやらなくてもよかった「お金」や「働き方(キャリアプラン)」に関することも含まれてきます。

そう述べるのは、『フリーランスの教科書』(星海社新書 2012年)の著者である、税理士の見田村元宣氏と、社労士の内海正人氏。彼ら「お金と働き方」のプロが教えるノウハウを交えつつ、独立する前に準備すべき心得をご紹介します。

目次

フリーランスならではの「働き方」を準備するための8カ条

close up of man working with laptop at home

1.「自由な働き方」という幻想を捨てる

フリーランスというと「自由な働き方」に憧れて独立を考える人が多いと思います。時間や場所の制約を受けず仕事が出来るという点では自由なのは確かです。

〔主人公〕数字が嫌で、経費精算すら苦手で、会社辞めて、やっと自由になったと思ったのに、やっぱり数字はついてくるのね。
(中略)
〔税務署の係の人〕フリーランスってのは自由になることじゃなくて、全部を引き受けることなんです。もう会社に頼れない、ってことなんですよ。   ※〔〕内筆者補足

「自由」という言葉には、「経理業務」や「営業」、「マーケティング」の全てを担うという意味も含まれます。例えば、事務作業の煩わしさから独立を考えているのであれば一度考え直す必要があるでしょう。業務における「全て」を自由に引き受けるという覚悟が独立には必要です。

2.フリーランスと会社員の違いを理解する

独立をする前、フリーランスと会社員の違いが曖昧になりがちなもの。働いて収入を得るという点では同じですが、フリーランスは業務ごとに個別の「契約」を交わしている点が会社員と大きく異なります。

時間や雇用関係において拘束されることはありませんが、業務上の設備はすべて自分で管理しなければならない責任が発生します。

3.未来のキャリアに繋がる仕事を追うようにする

収入が不安定になりがちなフリーランスですが、ギャラの量だけで仕事を決めていませんか?ギャラを多くもらえるのはもちろん大切なことですが、担当する仕事が「これから先のキャリア形成に繋がるのか?」と自問自答してから応えるようにしましょう。

4.叩き上げからの成功パターンは非常に稀なことだと知る

「脱サラの無名クリエイターが世界で活躍!」といった、叩き上げのサクセスストーリーのようなものに、つい憧れてしまうもの。しかし、現実には全ての人が活躍しているわけではないことを自覚しておきましょう。

地道な努力を重ね、会社員時代以上に人とのコミュニケーションを取り、ようやく「やっと食べていける収入のあるフリーランス」になれるのです。

5.クリエイティブな仕事でも「商品をお客様に売っている」という気持ちを忘れない

クリエイティブな職種のフリーランスにありがちな「自分が作った最高の作品が誰にも理解されない!」というもの。あくまで、フリーランスという「仕事」を行っているので、「お客様」が居ることを前提に考えて仕事をしましょう。いくら最高の仕事をしても、お客様のニーズに合わなかったら評価はされません。

6.お金を貰いながら学んでいるという意識を常に持つ

フリーランスの業務に慣れてくると、どうしても「こなしている感」が出てきます。しかし、クライアントから「頂いた」仕事を「こなす」だけでは、精神的にも事業的にも成長できません。そこで、常に「頂いた仕事には学びがあるもの」という意識を持つことが大切です。

7.健康管理が売上に影響することを知る

会社員として働いていると、意外と健康面の恩恵を忘れがちなもの。たとえば、健康診断。独立してしまえば、毎年行われる健康診断も行われません。

そして、突然入院してしまうような重い病気にかかってしまったとしたら、その間収入を得ることができません。忘れがちだからこそ、改めて自分自身の健康状態を見つめ直しておく必要があります。

自治体が実施している各種検診があります。市区町村が発行している広報誌などをこまめにチェックするといいでしょうね。無料のものが多いし、近隣の公共施設や医療機関で受診できる。保険料を払っているんだから、利用しなくちゃ損ですよ

上記のように、市区町村による健康診断は無料で受けられることがあるので、ぜひ活用していくべきでしょう。

8.会社員との掛け持ちも視野に

フリーランスの仕事にはやりがいを感じているけれど、それだけで生きていけるのだろうか。そう考えているのであれば、会社員との副業を考えておくのが良いかもしれません。やりたいことを実現するために独立したのに、収入の不安で業務に集中できなくなってしまったら元も子もないからです。

もちろん、公務員や大多数の大企業では副業を禁止している場合がありますので、もし、副業としてフリーランスをするのであれば、就業規則として副業可能な企業で働くようにしましょう。

フリーランスならではの「貯める」心得え6カ条

Businessman with huge amount of money

9.半年〜1年分の貯金をする

会社員と違い、フリーランスの収入は不安定なもの。今月と同じように来月も仕事が舞い込んでくるとは限らないので貯金を必須と考えるようにしましょう。会社員時代は、貯金を意識せず貯めることが出来た方でも、年収の半年から1年分の貯金をするのがベストです。

10.失業手当が貰えないことを前提に独立準備をする。

会社員を退職し、失業手当を受給しながら独立準備を考えているのであれば、もう一度貯金に関して考え直した方が良いかもしれません。そもそも失業手当は就職活動に充てるための資金

失業手当をもらうためには就職活動をしていることが条件なんです。自営の準備をしながらだと『不正受給』になってしまう。(中略)雇用保険はやっぱり就職が前提ですからね。フリーランスでやっていくつもりなら、最初からアテにしないほうがいいと思いますよ。

上記のように、フリーランスとして仕事していくための準備資金として失業手当を利用してしまうと「不正受給」とみなされてしまうので注意しましょう。

11.長く食べていけるスキルを得るための自己投資を惜しまない

収入が不安定な職業柄、極端な倹約家になってしまうのはよくありません。社会で必要とされるスキルは日々移り変わっていくので、フリーランスであっても勉強し続けなければならないのです。そのため、長く続けられる仕事をするために読書や勉強会などの自己投資は惜しまずに行いましょう。

12.会社員とは異なる保険と年金の手続きを確認しておく

会社員であれば、保険は基本的に「協会けんぽ」に加入しますが、フリーランスでは「国民健康保険」に加入します。年金は「厚生年金」から「国民年金」に加入します。

会社員時代に加入していた保険と年金に関しては会社側が手続きを行うことになっていますが、加入時は各市区町村の窓口に行って別途手続きをする必要があります。

13.フリーランスを辞めても退職金はでないことを念頭に。

当たり前かもしれませんが、フリーランスは辞めるときに退職金は発生しません。もしものために、自分で退職金にあたる資金を貯めておくべきでしょう。

一般的な会社員が定年退職をする年齢を想定するのか、一定の時期を経て一般企業に転職をするのか、おおまかで大丈夫なので年数を計算しつつ貯蓄をするのがベターです。

14.収入に余裕があるなら資産運用を

収入に余裕が出てきたところを想定し、単に貯金するだけでなく資産運用も視野に入れてみましょう。フリーランスにとって、身近な資産運用といえば「確定拠出年金」。

こちらは、投資信託などの金融商品に投資を行う私的年金ですが、個人で行う不動産売買や株式投資に比べ、比較的取り入れやすい資産運用法のひとつです。

確定拠出年金のメリット
・掛金が全額所得控除される
・受け取る時は退職金や公的年金と同じく減税対象になる
・途中の運用益は非課税
・国民年金基金の限度額と合わせて月額で最大6万8,000円

当たり前に知っておきたい「経理業務」の心得6カ条

freelance4

15.大まかな経理の流れを理解した上で確定申告ソフトを活用する

確定申告ソフトが業務を円滑にするとはいえ、なんでもかんでも自動でやってくれるわけではないのが現実。ここで躓いてしまう方も多いのではないでしょうか。経理に関する入門書などを購入し、最低限基本的な専門用語を理解しておく必要があります。

16.青色申告は「面倒」ではなく「お得」なもの

毎年、確定申告のシーズンになるとストレスを感じる人が続出します。細かい経理業務に慣れていない人であればなおさらでしょう。しかし、青色申告であれば「損失を3年間繰り越せる」などの制度があり、白色申告よりも結果的に「お得」になる場合が多いです。

17.どこまでが経費になるのか?を把握しておく

フリーランスとして独立した後、パソコンやスマートフォンなどを買った場合、どこまでが経費になるのか?といった部分をあらかじめ明らかにしておくと良いでしょう。

基本的に「収入を得るために利用したお金」は全て経費と考えても大丈夫です。ただし、衣類や食べ物など仕事に利用するとはいえ「必ずしも使わなくて良いもの」は経費にならないので注意しましょう。

18.時給換算して仕事の価値を客観視する

フリーランスは仕事の価値そのものが所得に反映されます。時には、クライアントにギャラを低く見積もられることもしばしば。そうならないためにも、自分の業務を時間単位で割るとどれくらいの価値になるのかを明らかにしておくと良いでしょう。

19.「業務委託契約書」を絶対に用意する

フリーランスが仕事を得る際、必ず発生するのが「業務委託契約書」。もちろん、クライアントごとに業務委託契約書は発行されるので、条件は異なります。そのため、読み間違えが思わぬ損失を招く可能性があるので取引している会社ごとに熟読する必要があります。

契約書って言っても、大げさなものじゃなくてもいいんです。簡単な業務依頼書を事前に用意してサインしてもらう程度でもいいでしょう。たとえば
・スケジュール(納期)
・仕事の内容
・報酬および支払日
ぐらいは最低限決めておく。
(中略)そういうリスク管理が、のちのちのトラブルを防ぐことにつながるんです

上記のように、もしもクライアント側が業務委託契約書を発行しないのであればフリーランス側から発行することもできます。契約書を交わさない契約は、こちらにとって不利な条件になる場合があるので、絶対に用意しておきましょう。

20.法人化するための売上の目安

フリーランスとして収入が増え続けているのであれば、法人化を考えるときがくるかもしれません。なぜ法人化する必要があるのでしょうか。それは、一人だけでは業務が回らず、誰かを雇う必要性が出てきた場合や、税金対策としての法人化などがあげられます。

法人化の目安として、課税所得が695万円を超過したとき税率が23%になるため、おおよそ700万円程度から検討するという方が多いようです。

フリーランスは独立すれば「自由に働く」ことは可能です。しかし、その「自由」を業務内容だけが自由だと考えてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性があるのも事実。「働き方」だけでなく、「貯め方」「経理業務」にわたり全てが自分自身の責任ということを独立前に心得ておくだけで、独立後の業務の負担が大きく軽減されるでしょう。

freelance_book
出典:見田村元宣・内海正人 (著)/星海社新書 (2012/12/25)

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
「顧問先さまと共に繁栄するゆびすいグループ」をモットーとして、お客さまの繁栄があってこそ、ゆびすいの繁栄があることを肝に銘じお客さまのために最善を尽くします。
お客様第一主義に徹し、グループネットワークを活用することにより、時代の変化に即応した新たなサービスを創造し、お客様にご満足をご提供します。