- 更新日 : 2025年7月7日
個人事業主のための集客術とは?初めてでも取り組める方法や費用の考え方を解説
個人事業主にとって集客は、売上の確保や事業の安定に直結する大切な活動です。しかし「どこから始めればよいか分からない」「継続して効果を出すのが難しい」と感じる方も少なくありません。集客にはオンライン・オフラインそれぞれに効果的な手法があり、自分のビジネスに合った方法を見つけることが成果につながります。
本記事では、個人事業主の集客という視点から、具体的な施策、成功事例、費用の扱いを解説します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。
この記事を読む方におすすめ
税理士監修で、40ページ以上の情報がギュッと詰まったお得な1冊となっていますので、毎年使える保存版としてご活用ください。
目次
「マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。
取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに記帳・書類を作成。来年の確定申告は余裕を持って対応できます。
PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。

個人事業主の集客とは
集客は事業の成否を左右する大切な要素です。個人事業主にとって、お客様を安定して獲得し続けることは売上の向上だけでなく、事業の継続性にも関わります。しかし、多くの個人事業主が集客に苦戦しているのも事実です。ここでは、集客の重要性と直面しがちな課題について解説します。
個人事業主にとっての集客の重要性
個人事業主がビジネスを軌道に乗せるには、新規顧客の獲得とリピーターの確保が欠かせません。顧客が増えれば売上が伸び、事業の拡大や安定につながります。逆に、集客が滞ると優れた商品やサービスがあっても継続的な売上は見込めません。つまり、集客は事業存続の生命線と言えます。安定してお客様を呼び込めるようになれば、経営に余裕が生まれ、より良いサービス提供に集中できるでしょう。
個人事業主が集客で直面する課題
個人事業主が集客を難しく感じる理由はいくつかあります。主な課題として、時間や予算の制約、効果的な手法が分からない、施策を継続する難しさの三点が挙げられます。限られたリソースで営業から経理までこなす中、十分な集客活動の時間や広告予算を確保しにくいのが実情です。また、集客方法はオンライン・オフライン問わず多岐にわたるため、自分のビジネスにどれが合うのか判断が難しく、闇雲にSNS投稿や広告出稿をしてもターゲットに響かなければ成果につながりません。さらに、ブログ更新やSNS発信などは地道な継続が必要ですが、日々の業務に追われて中断してしまい、効果を得られにくいこともあります。こうした課題を踏まえ、自身に合った集客戦略を見つけることが肝心です。
個人事業主の効果的な集客方法【オンライン】
インターネットを活用したオンライン集客は、個人事業主にとって手軽に始められ、かつ効果を測定しやすい手法です。デジタルツールを駆使すれば、少ない予算でも広範囲にアプローチでき、自分のペースで情報発信が可能です。ここでは、個人事業主が活用できる代表的なオンライン集客の方法を紹介します。
ホームページを活用
自社のホームページは「お店やサービスの顔」ともなり得る存在で、信頼性を高める上で重要なツールです。例えば、店舗ビジネスであれば所在地や営業時間、提供する商品・メニューを掲載し、初めてのお客様にも安心感を与えられます。また、ホームページ上に問い合わせフォームや予約システムを設置すれば、24時間いつでも見込み客を逃さずキャッチできます。
ブログ・コンテンツマーケティング
ブログなどのオウンドメディアで有益な情報を発信することは、見込み客との接点を増やし、信頼を築く有効な手段です。例えば税理士であれば、税金や会計の豆知識をブログ記事にすることで、「この人になら相談したい」と読者に思わせる効果が期待できます。専門的すぎない内容でターゲットの課題解決に役立つテーマを選び、継続的に更新しましょう。そうすることで検索エンジン経由の集客(SEO効果)も高まり、最終的には問い合わせや資料請求といった具体的な成果につながります。
SNSを活用
X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、TikTokなどのSNSは、無料で始められ拡散力も期待できる集客チャネルです。それぞれユーザー層や適した情報発信が異なるため、ビジネスの種類に応じて使い分けます。例えばInstagramは写真や動画で視覚的に魅力を伝えられるため、飲食店やハンドメイド作家などに向いています。X(旧Twitter)は速報性が高く気軽に投稿できるので、コンサルタントやライターなど情報発信主体の業種と相性が良いでしょう。TikTokは短い動画でエンタメ性を打ち出せるので、料理やレッスン風景を紹介する場として有効です。Facebookは年齢層が高めでビジネスネットワーク構築に使われることが多く、士業やBtoBサービスの認知拡大に役立ちます。SNS集客の鍵はターゲットに響く内容を継続的に発信し、フォロワーとのコミュニケーションを通じて信頼関係を築くことです。その積み重ねが最終的に問い合わせや来店につながります。
Web広告を活用
インターネット広告を活用すれば、短期間で効率よく見込み客を集めることができます。代表的なWeb広告として、GoogleやYahoo!の検索連動型広告(リスティング)と、SNS上で配信されるターゲティング広告が挙げられます。検索広告はユーザーが特定のキーワードで検索した際に画面上部に広告を表示でき、興味の高い層を直接サイトに誘導できるのが利点です。SNS広告は地域・年齢・興味関心などターゲットを絞って配信できるため、ニッチな層にもリーチできます。Web広告は即効性が高い反面、クリックや表示のたびに費用が発生するため、予算を設定して運用し、アクセス解析でコンバージョン(問い合わせや購入)を測定しながら費用対効果を検証するようにしましょう。適切に運用すれば必要なときに必要なだけ集客を加速できる心強い手段です。
Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は、地域密着ビジネスには欠かせないオンライン集客ツールです。
Google検索やGoogleマップ上に自社の店舗・サービス情報(住所、営業時間、写真、クチコミなど)を無料で掲載でき、近隣ユーザーに効果的にアプローチできます。例えば「○○市 美容院」と検索すると地図付きで店舗情報が表示されますが、これがGoogleビジネスプロフィールの力です。電話番号やウェブサイトリンクも載せられるため、ユーザーはそのまま電話予約をしたりサイトから問い合わせをしたりできます。MEO(マップ検索最適化)対策として、情報や写真を定期的に更新することで表示順位が上がりやすくなり、さらなる集客効果が期待できます。ローカルSEOとも呼ばれるこの手法は、店舗ビジネスやサービス業で新規顧客を獲得する上で有用です。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
個人事業主の効果的な集客方法【オフライン】
インターネット全盛の時代においても、対面や紙媒体を活用したオフライン集客は根強い効果を発揮します。地域密着で活動する個人事業主や、信頼関係の構築が重視される業種では、直接会って話す機会や手に取れる媒体での宣伝が、新規顧客の心を動かすことがあります。ここでは、個人事業主が取り組みやすい代表的なオフライン集客方法を紹介します。
チラシやパンフレットの配布
紙のチラシやパンフレットは、地域の見込み客に直接リーチできる昔ながらですが効果的な手法です。ポスティング(各家庭のポストへの投函)や、人が集まる店舗に置いてもらう形で配布すれば、狙ったエリア・層に情報を届けられます。例えば、子ども英会話教室がファミリー世帯の多い住宅街にチラシを配布するような方法です。手に取った人が思わず読んでみたくなるよう、デザインやキャッチコピーを工夫することも大切です。さらに「チラシ持参で○○割引」といった特典を付ければ反応率が上がり、クーポンとしての役割も果たします。最近ではQRコードを印刷してSNSやLINEに誘導するなどオンライン施策と組み合わせる例も増えています。印刷物の配布は手間がかかりますが、直接手渡せる分その場で認知を得られる即効性も魅力です。
セミナーやワークショップの開催
自社の専門分野に関連したセミナーやワークショップの開催は、顧客に価値を提供しながら信頼関係を築ける集客方法です。例えば整体師が無料または低料金の「姿勢改善ストレッチ教室」を開いたり、ハンドメイド作家がアクセサリー作りのワークショップを開催したりすると、自分の技術や知識を直接アピールできます。参加者にとって有益な体験を提供すれば、「この人なら信頼できる」という印象を持ってもらいやすくなります。セミナーや体験会の終了後には、自社サービスや関連商品の案内をさりげなく行いましょう。直接会って信頼感が生まれている分、押し売りにならずにむしろ参加者から前向きな問い合わせや申し込みを得られる可能性が高まります。セミナーは費用をあまりかけず質の高い見込み客と出会える場となるため、士業(税理士・行政書士など)やスクール事業など様々な個人事業主に適した手法です。
看板やポスターの活用
店舗や事務所を構えている場合、看板は24時間働く優秀な宣伝媒体です。道行く人に店名やサービス内容を視覚的に訴求し、興味を持てばその場で立ち寄ってもらえるきっかけになります。人通りの多い場所に店舗があるなら、大きく見やすい看板やのぼり旗でお店の存在を強くアピールしましょう。また、店舗がなくても地元の掲示板や駅前のフリー掲示スペースなどにポスターを貼らせてもらう方法もあります。イベント告知や期間限定キャンペーンの案内をポスターで周知すれば、地域の関心層にリーチできます。看板やポスターは一度作成すれば長期間使えますが、制作や設置にコストがかかる場合もあるため予算に応じた計画が必要です。
既存顧客からの紹介(口コミ)
現在のお客様から新たな見込み客を紹介してもらう口コミ紹介は、ほぼコストがかからず質の高い集客方法です。信頼できる人からの推薦は新規顧客に安心感を与え、成約率も高くなります。個人事業主は普段から顧客一人ひとりと密に接している強みを活かし、タイミングを見て「ご友人で興味をお持ちの方がいればぜひご紹介ください」と声をかけてみるとよいでしょう。さらに、紹介してくれた既存顧客には次回料金を割引し、紹介で来てくれた新規顧客には初回特典を提供するなど、双方にメリットのある制度を用意すると紹介が促進されます。また、お客様の体験談やレビューを自社サイトやチラシに掲載しておくのも間接的な口コミ効果として有効です。
個人事業主の集客成功事例
実際に効果的な集客を実現した例を知ることは、自身の戦略を考えるうえで大きなヒントになります。ここでは、オンラインとオフラインを組み合わせて集客に成功した事例を紹介します。
美容室【ホームページとGoogleビジネスプロフィールで集客】
ある地域密着型の美容室では、ホームページの開設と同時にGoogleビジネスプロフィールを活用し、検索流入からの新規予約を増やしました。営業時間やスタイル写真、口コミ返信などを定期的に更新し、ローカル検索での上位表示を実現。「○○市 美容室」で検索した際に上位に出るようになり、地元の新規客を安定して獲得するようになりました。既存顧客との信頼を保ちながら、オンライン経由での予約が増加した結果、広告費をかけずに効果的な集客を継続しています。
ハンドメイド作家【Instagramを活用してブランド認知を拡大】
ハンドメイドアクセサリーを販売している個人事業主は、Instagramを主な販路とし、商品の制作過程や使用シーンを日々投稿することでフォロワーを徐々に獲得。投稿にはハッシュタグを工夫し、プレゼント企画やフォロワー限定クーポンも取り入れながら、ブランド認知の向上をめざしていきました。その結果、フォロワーの紹介やリポストが自然に広がり、ネットショップの売上が毎月安定するようになりました。SNSを通じてファンとの距離を縮めたことが、継続的な購入とリピーター獲得につながっています。
税理士【セミナー開催とLINE登録で顧客獲得】
新規開業した税理士が行ったのは、個人事業主やフリーランス向けの無料確定申告セミナーの開催です。会場での参加者にLINE公式アカウント登録を促し、セミナー終了後に無料相談や限定コンテンツを配信することで、信頼関係を構築。その後、有料の記帳代行や顧問契約に繋がるケースが増加しました。教育型の集客を実践したことで、押し売り感なく顧客を獲得でき、事業初年度から安定した収益基盤を築いています。
マネーフォワード クラウド会社設立は、個人事業主が法人成りを検討したほうがよいタイミングをまとめた「法人化を検討すべき7つのタイミング」を無料で用意しております。
創業支援に強い税理士監修で、ポイントがまとまったお得な1冊となっていますので、ぜひ将来を見据えた情報収集でご活用ください。
個人事業主の集客費用は経費にできる
個人事業主が集客のために使った広告費や販促費などの支出は、経理処理時に適切に経費処理することで節税につながります。
例えばチラシ印刷代、Web広告費、イベント開催費、ホームページ制作費といった集客目的の支出は広告宣伝費として経費計上が可能です。個人事業主の必要経費には上限がないため、事業に関係する正当な支出であれば全額を経費にできます。集客のために払った費用は請求書や領収書をきちんと保管し、漏れなく申告するようにしましょう。事業とは無関係のプライベートな支出を混在させず、ビジネスの集客費用として明確に区別して処理することも大切です。集客費用を正しく経理処理することで、税制上のメリットを享受しつつ健全な財務管理につなげましょう。
個人事業主が集客を成功させるために
個人事業主にとって集客は常に大きな課題であり、事業成功の鍵を握る要素です。オンライン・オフライン両面から複数の手法を組み合わせ、自身の事業と顧客層に合った戦略を講じることが大切です。一朝一夕に成果が出ないこともありますが、試行錯誤を重ねていけば着実に集客力は高まるでしょう。限られた時間や予算でも、工夫次第で新規顧客を呼び込みリピーターを育てることは十分可能です。本記事の内容を参考に、自分なりの最適な集客プランを練り上げて実践してみてください。
継続的な努力の先に、事業の成長と安定した顧客基盤が築かれるはずです。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
個人事業主のETC料金は経費になる?注意点や仕訳について解説
法人向けのETCカードがあれば、業務で有料道路を利用する際に便利です。しかし、個人事業主の方にとっては「ETC料金を経費として計上できるのか」「開業後すぐにカードを作成できるのか」といった点が気になるかもしれません。 本記事では、個人事業主…
詳しくみる個人事業主は生計を一にしない家族への給与を経費計上できる?勘定科目や福利厚生も解説
個人事業主が生計を一にしない家族に支払った給与は、経費に計上できます。節税につながるため、忘れずに経費として申請しましょう。本記事では「生計を一にしない家族」とみなされる具体例や給与支払い時の注意点、経費計上以外のメリットなどを解説します。…
詳しくみる個人事業主は事業再構築補助金の対象?上限額はいくら?条件や手続きを解説
事業再構築補助金は、個人事業主も対象に含まれるもので、新規市場の開拓や事業再編など、事業の大きな変革に取り組もうとする事業者をサポートする制度です。どのような要件を満たす事業者が申請できるのか、各事業類型の申請条件や補助額の上限額、手続きの…
詳しくみる中小企業退職金共済とは?個人事業主も対象?加入資格や手続きを解説
中小企業退職金共済制度は、企業の退職金制度の1つです。中小企業で働く従業員の退職金を共済掛金として企業が毎月負担し、退職時の原資とします。名称に「中小企業」とあるものの、一定の条件を満たしていれば個人事業主も加入可能です。今回は、中小企業退…
詳しくみる個人事業主はローンを利用できる?種類やメリット・デメリットを解説
ローンとは、金融機関からお金を借りることです。本記事では、個人事業主がローンを利用できるか否かについて解説します。また、個人事業主がローンを利用するメリットとデメリット、ローン以外の資金の調達方法についても取り上げるため、ぜひ最後までご覧く…
詳しくみる個人事業主が知っておきたい課税売上高とは?計算方法や1000万を超えた場合の解説
消費税の計算において、「課税売上高」とは事業者の売上高のうち「消費税の課税対象とされる取引の合計額」のことを言います。インボイス制度の導入により、事業者として消費税をより身近に感じる人も多いでしょう。 この記事では、消費税の計算において、個…
詳しくみる