できればお世話になりたくない、被災したら受け取れる災害弔慰金について解説

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この記事は1年以上前に公開されたものです。法律・制度などに関して、現在とは異なる内容が含まれている可能性があります。

いくら備えていても避けられないもの、それが自然災害です。

2011年の東日本大震災をはじめとして、熊本の地震や広島の豪雨、巨大台風など、近年は死者・行方不明者を出す自然災害が相次いでいます。もちろん被害に遭わなければそれに超したことはありませんが、「天災は忘れた頃にやってくる」という有名な言葉があるように、いつどこで被災するかは誰にもわかりません。

そこでぜひ覚えておきたい救援制度のひとつが、災害弔慰金です。

自然災害によって家族を失った場合、条件を満たしていれば市町村から弔慰金を支給してもらうことができます。もしものときのために、日頃からこうした制度のことを意識しておくようにしましょう。

災害弔慰金とは

対象者

災害弔慰金の受給対象者は、自然災害による死者または行方不明者の遺族です。受給される遺族の範囲は、(1)配偶者・子・父母・孫・祖父母(2)兄弟姉妹と規定されています。配偶者には、事実婚関係の人も含みます。また、兄弟姉妹に受給される要件として、①災害で死亡した者の配偶者、子、父母、孫、又は祖父母のいずれもいないこと、②死亡した者の死亡当時その者と同居し、又は生計を同じくしていた者、の2要件を満たすことが必要となります。

また、ここでいう自然災害は、暴風・豪雨・豪雪・洪水・高潮・地震・津波・その他の異常な自然現象という8種類が定義されています。災害規模の目安は、「5世帯以上の住居が失われた市町村」や「そのような市町村を3つ以上含む都道府県」などが対象となっています。

ただし、最終的に受給の可否を審査するのは各市町村であり、国としての統一的な基準はありません。上の条件に当てはまれば必ずしも受給できるというわけではないことに注意が必要です。

支給内容

気になるのはやはり支給額でしょう。金額は、犠牲になった方の立場によって2種類に分かれます。死亡または行方不明になったのが生計維持者だった場合には年収に関わらず500万円で、それ以外の場合には250万円が支給されます。

ただし、犠牲者がそれ以前にすでに「災害障害見舞金」を受け取っていた場合には、差額の支給となります。

災害障害見舞金は自然災害によって障害を負った人に対する救援制度で、こちらは生計維持者だった場合250万円、それ以外の場合125万円となっています。つまり災害弔慰金の半額だということです。

なお、災害弔慰金・災害障害見舞金ともに市町村(および特別区)によって支給されますが、その費用は国50%、都道府県25%、市町村25%の割合で負担されています。

受給方法

審査および支給をするのは各市町村ですので、手続き方法や書類様式も市町村ごとに異なります。ここでは、多くの自治体で一般的に必要となる書類を挙げておきます。

・死亡または行方不明者を証明する書類の写し
・支給対象者の身分証明書の写し
・預金通帳の写し
・各市町村の用意する災害弔慰金支給調査票

これらはあくまでも目安ですので、実際に申請する際には各市町村にお問い合わせください。

災害弔慰金の課題

支給対象の障害者が限定的であること

現実と法律の食い違いは、災害障害見舞金についてもいえます。こちらの場合は、対象となる障害が限定的であることが問題視されています。

災害障害見舞金の受給対象は「両眼の失明」か「両腕のひじ関節以上での切断」か「両脚のひざ関節以上での切断」か「常時要介護の障害」を負った場合だと定められています。つまり、生活に支障が出るような障害だから見舞金を出そうというわけです。

しかし現実的に考えれば、片手や片脚を失っただけでも、もう従来と同じ生活はできません。指一本失ったら続けられないという職業だってあるでしょう。これらだって相当に重い障害だといえるはずです。それなのに、片眼の失明や手首から先の切断や片脚の切断などの障害では、見舞金をもらえないのが今の法律なのです。

また、PTSDのような見た目だけではわからない種類の障害についてもまったく考慮されていません。残念ながら、支援が必要な全ての人のもとに、支援が届くような制度にはなっていないのが現状です。

まとめ

ここまで見てきたように、災害弔慰金は課題もある制度であり、今後の受給要件の見直しに期待したいところです。ただ、それ以上に、被災者にとって必要不可欠なものであることも事実です。

できることならば、災害弔慰金は使わないで済ませたいものですが、自然災害はいつ身に降りかかるとも知れません。少なくとも、こういった援護金制度が存在するということだけは頭の片隅に置いておきましょう。また、いざというときのために家族にも知っておいてもらうとよいでしょう。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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