フリーランス(個人事業主)デザイナーは必見!「文芸美術国民健康保険組合」徹底解剖!

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会社を辞めると悩ましい「健康保険」事情

会社から独立しフリーランス(個人事業主)として働きはじめると、これまで会社が行ってくれていた様々な手続きを自分で行わなければなりません。

その際、保険や年金の加入は大抵は地元の市町村の役所で、国民健康保険や国民年金の加入を行います。どちらも国民の義務ですので、収入により支払額は異なりますが、必ず加入して支払わなくてはなりません。

通常、地方自治体が運営する国民健康保険に加入することが一般的ですが、業種によっては、「国保組合」という地方自治体と同様に国民健康保険事業を行っている医療保険者を選択することも可能です。

ここでは特に、フリーランス(個人事業主)のWebデザイナーといったクリエーター職に人気の「文芸美術国民健康保険組合」を取り上げ、ご紹介します。

そもそも「国民健康保険」って何?

まずは国民健康保険について、おさらいをしておきましょう。国民健康保険とは日本の社会保障制度の1つであり、その加入者が病気やケガ、出産、死亡した場合に、一定の医療費が保険料から支払われる制度です。

また、国民健康保険は各市区町村が管轄しており、加入や脱退などの手続きは住所登録のある市区町村役場で行い、市区町村ごとに保険料は異なります。

日本は「国民皆保険」が基本で、国内に住所がある方であれば年齢や国籍(外国籍の方は在留期間が3ヶ月を超える場合)に関係なく必ず何かしらの健康保険に加入しなくてはなりません。

その中で、次の要件のうち「どれにもあてはまらない」方は国民健康保険に加入する必要があります。例えば、以下のような方々です。

1. 勤務先で健康保険に加入している方とその扶養家族
2. 船員保険に加入している方とその扶養家族
3. 75歳以上の方(後期高齢者医療制度の対象者)
4. 生活保護を受けている方
5. 勤務先を退職し、加入していた健康保険を任意継続している方

会社員をやめて国民健康保険に加入した場合、特に初年度はおそらく「割高感」を感じてしまうことでしょう。

なぜなら、会社員時代の健康保険は会社とその従業員と半額ずつの負担となっていましたが、国民健康保険は全額加入者自身が払わなければなりませんので、負担が単純に増えます。

また、保険料の計算基礎は、前年の所得に基づいているため、フリーランスになって所得が前年より減っているとしても、割高な保険料を払わなければいけない、ということになります。

注目の「文芸美術国民健康保険組合」とは?

文芸美術国民健康保険組合

そこで、フリーランスでデザイナーなどクリエイティブ系の仕事に従事している人たちに向けて、「文芸美術国民健康保険組合」と言うものがあります。

これは、文芸・美術・映画・写真などの業種に従事する者を組合員とする「国民健康保険組合」なのです。(略称「文美国保」と言われています。)

作家の丹羽文雄を中心とする日本文芸家協会が、日本美術家連盟、日本著作家組合、全日本工芸美術家協会、出版美術家連盟の4団体に呼びかけ、1953年4月1日国民健康保険法に基づいて、厚生省(現厚生労働省)の認可を経て設立しました。

しかし、フリーランスのアーティスト、芸能人を対象にした国民健康保険組合などが別にあったり、さまざまな保険組合が乱立し詳細がわからなかったりすることもあり、まだまだ一般的な認知度は高いとはいえないでしょう。

「文芸美術国民健康保険組合」加入方法は?

まず、文芸美術国民健康保険組合(以後「文美国保」)に加入するためには、この国保を構成する団体に加入しなくてはなりません。

この団体は何十もあり、加入するあなたの業種に近い団体に加盟するということになります。ここでは平成29年7月現在の加盟団体一覧がありますので、ぜひ確認してみてください。

また各団体によって異なりますが、入会金および年会費などが発生します。

「文芸美術国民健康保険組合」のメリットは?

では、実際の文美国保に加入するメリットは何かというと、保険料が一定で変わらないということです。保険料は、本人が月額19,600円であり、家族は月額10,300円です。また40歳から64歳までの介護保険被保険者は、1人月額4,000円が必要です。

一般の国民健康保険では、詳細な計算方法は別として、過去1年間の所得に応じて、保険料が変動します。簡単に言えば、稼げば稼ぐほど、保険料が上昇するということです。(もちろん限度はありますが)

それに比べると、文美国保はそのようなことがなく、保険料が一定であることにメリットがあるわけです。

しかし、仮に前年の所得(正確には保険料算出の対象所得)が200万円にも満たない場合など、市町村によりますが、一般の国民健康保険の方が、年間保険料が安い場合もあります。

例えば、杉並区の40歳未満の2人家族の住民で、保険料算出の対象になる所得が200万円のときは、文美国保は358,800円、一般国民健康保険の保険料は、約287,600円となります。このように、どちらの方が有利になるのか保険料算出の対象所得とそれに応じた保険料を市町村の係できちんと計算してもらう必要があります。

また、先に述べました、団体加入の費用(入会金および年会費)も加味して、いずれがあなたにとってメリットがある保険料となるのかを判断する必要があります。

より簡潔に言えば、保険料算出の対象所得が、300万円超であるなら、文美国保に加入する方が、ほぼ保険料は安くなります。

まとめ

以上が、文美国保(正確には「文芸美術国民健康保険組合」)に関するご紹介です。様々なメリットを感じていただけましたでしょうか。

目先の損得ではなく、長い目で見た際に自分にとってどの保険に入ることが適切なのか、また年金をきちんと納めていくにはどうしたら良いかなど、一度考えてみてはいかがでしょうか。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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