会社設立を考えている方は必見!知っていて損は無い「株式会社」以外の選択肢とは

アベノミクスや東京五輪の開催など、景気上昇の後押しも手伝って、起業を考えている方も多いのではないでしょうか?

事業内容・戦略を策定することは大前提ですが、実際に会社を設立するにあたっては名前を考え、資本金を準備して…。

って考えたそこのあなた!!実は資本金がない会社の形態だってあるんですよ!


今回はよく知られている「株式会社」をはじめ、様々な会社の形態について紹介します。

株式会社について

まずは会社と言ったら、この形態を思い浮かべる方が多いでしょう。

株式会社を設立するためには最低限必要な手続き、費用、資本金、そして取締役会等についてみていきましょう。

株式会社の特徴

1.手続き

株式会社を設立するためには、定款の作成・認証、登記書類の作成・登記、開業の届け出というステップを踏まなければなりません。

初めて起業する方であれば、いずれも最初は戸惑うこともあると思いますが、実際にはややこしいことはあまりないので、そこまで心配しなくてもよいでしょう。

税理士・司法書士からのアドバイスがあれば、より心強いですね。

2.費用

では、実際に費用としてはいくらくらいかかるのでしょうか?

・定款に貼る収入印紙代 4万円(電子定款だとかからない)
・公証人に払う手数料 5万円
・定款の謄本手数料 約2千円
・登記の際の登録免許税 最低15万円

以上、最低でも計25万円は必要となります。

定款に関して、電子定款の方が紙媒体のものより安く済みますが、電子定款の作成には別途必要な機材や手続きがあります。

単純にかかる費用の大小だけでなく、総合的なコストを勘案して選択することをおすすめします。

また、これらの費用は法人の経費として計上できますので、領収書等はとっておきましょう。

3.資本金について

50年ぶりの商法改正で、新会社法が施行された2006年より、資本金1円でも会社の設立が可能になりました。

それまでの、株式会社1000万円、有限会社300万円だった最低資本金は大幅に引き下げられ、会社設立のハードルは大きく下がったと言えます。

4.取締役会について

これも資本金と同じく、2006年の法改正によって、従来までは最低取締役3名、監査役1名が必要であったのに対し、改正後は取締役1名のみでも会社設立が認められるようになりました。

株式会社で設立するメリット

では、会社を株式会社とすることにはどんなメリットがあるでしょうか。
よく挙げられるのは以下のようなものが多いですね。

・株式発行によって多くの人から資金調達できる
・失敗しても有限責任である
・会社形態として一般的
・節税になる
・事業承継が楽にできる

ちょっと変わった株式会社

最後に、ちょっと変わった株式会社を紹介します。

NEET株式会社

従業員0名。Not in Education, Employment or Trainingの通り、雇用されないNEETという身分をそのまま体現している会社組織ですが、驚くべきはその取締役の数、なんと100名を越しています。

事業内容も、飲料食品開発から占い、リサイクルまで幅広く、非常に興味深いです。

ジョン・ルイス百貨店

こちらはイギリスの老舗百貨店。この会社の特徴は、「従業員が100%株式を保有している」という点です。

従業員が株式を保有することで、従業員のモチベーションに好影響を及ぼしますし、経営判断等も短期ではなく長期的なものになりやすく、企業経営にとって効率的といえますね。

2000年以降、英国の小売売上高が低下傾向にある中、10年連続で売上増を達成しています。

ただ、外部からの借り入れや社内問題解決には適していないので、一長一短といったところでしょうか。

合同会社について


次はあまりなじみのない、合同会社についてみていきましょう。

2006年に有限会社制度が廃止されてからは、合同会社がそれに代わる会社制度として存在感を強めてきています。

合同会社の特徴

1.設立の手続き

株式会社と同様、経なければならない手続きがあります。
といっても、ほとんど株式会社の設立と同じです。

具体的には、定款の作成、登記書類作成、登記、開業の届け出を行う必要があります。

2.費用

では、実際に費用としてはいくらくらいかかるのでしょうか?

・定款に貼る収入印紙代 4万円(電子定款だとかからない)←株式会社と同じ!
・定款の謄本手数料 約2,000円
・登記の際の登録免許税 最低6万円

以上、最低でも計10万2千円が必要です。

株式会社の時とは異なり、定款の認証は必要ありません。
設立登記の際の登録免許税の金額も株式会社と比較すると安いですね。よって、株式会社の時よりも全体のコストは抑えられます。

3.資本金について

合同会社の場合「出資者=役員」になります。つまり、役員になるためには、最低1円から出資しなければなりません。

逆に、役員1人で起業する際には、資本金1円からでもスタートが可能ということです。役員2人ならば、最低2円が必要、ということです。

4.取締役会について

合同会社には、株式会社や有限会社と違って、取締役会・監査役といったものは存在しません。原則として、すべての出資者(=社員)に業務執行権と代表権があるからです。

これは他の会社と取引する際などに、社員(=出資者)ひとりひとりの印鑑のみで契約をすることができる、ということです。(そのため、代表取締役は存在せず、準じる肩書としては「代表社員」になります。)

5.その他

合同会社には決算公告の義務がなく、毎年の決算処理をする必要はありません。

また社員(出資者)は、出資の範囲内でのみ責任を負う、という「有限責任社員」と呼ばれます。

これは出資者である社員の立場が、株式会社でいうところの株主と同じである、といえますね。

合同会社で設立するメリット

以上のような合同会社の特徴から、どのようなメリットが考えられるでしょうか?

・初期の設立コストが安い
・出資者=社員(役員)のため、早い意思決定が可能
・出資者(=社員)の持分会社なので定款の自由度が高い
・利益や権限の配分を出資額と無関係に決定できる

総じて自由度が高い経営ができるといえますね。

もちろん、裏返しのデメリットとして、社員同士の意見が食い違った時は経営の危機に陥る可能性も高いですし、世間一般の「合同会社」に対するイメージが、「株式会社」のイメージの良さに及ばず、会社間での取引が難航することもあるでしょう。

どんな会社があるの?

では具体的にどういった合同会社が実際に存在しているのでしょうか?

1.西友

西友は2009年に株式会社から合同会社へと会社形態を変更させました。その理由として、組織の簡素化・業務プロセスの効率化・全社的な生産性の改善を挙げています。やはり、念頭にあったのは、決算公告や、株主総会・取締役会のコストだったのでしょう。合同会社であれば、決算公告義務はありませんし、株主総会・取締役会も不設置なので、開催しなくても構いません。もちろん、西友が米・ウォルマート傘下企業であることには留意する必要がありますね。

2.Apple Japan

2011年、Apple Japan株式会社は、Apple Japan合同会社と合併し、株式会社は解散しました。迅速な意思決定や、権限の配分等の自由度を確保し、業務効率化するためだけでなく、アメリカでは「合同会社に準じる海外法人」として扱われるため、税務上のメリットも大きいことも理由の1つとして挙げられています。

他にもアメリカではIBMやインテル等、合同会社を導入している大企業も多くあり、浸透度は日本より高いです。

今まで見てきたように、経営の自由度も魅力の1つですが、アメリカの場合、パススルー課税(法人の所得ではなく、出資者の所得への課税)が認められているため、合同会社が一般的になったといわれています。

日本ではまだ認められていないこの課税制度、もし認められれば、日本でも合同会社が増加するかもしれませんね。

合名会社・合資会社


最後に、合名会社・合資会社についてみていきましょう。

この2つの会社制度の大きな特徴は、社員が「無限責任」を負うところでしょう。

合名・合資会社の特徴

1.設立の手続き・費用

会社設立の手続き・費用は基本的に合同会社設立時と変わりません。
つまり、合名・合資会社設立時のコストは、株式会社よりも抑えられます。

2.出資について

合名会社の社員及び合資会社の無限責任社員は、出資は現金ではなく、信用や労務、現物出資で良いです。

3.役員の人数について

合名会社は1名以上、合資会社は2名以上(有限責任社員1名、無限責任社員1名)が最低でも必要になります。

合名会社・合資会社の違いとそれぞれの比較

1.合名会社・合資会社の違い

この2つの会社、なにが異なるのでしょうか。

ひとつ大きな違いは、構成する社員(出資者)が無限責任社員のみで構成される(=「合名会社」)か、無限責任社員と直接有限責任社員の2種類で構成される(=「合資会社」)かという点です。

無限責任社員とは、「会社の債権者に対して直接連帯して責任を負う社員」であり、直接有限責任社員とは、「出資金についてはその金額の範囲内で限定的に責任負う社員」ですが、この場合も、「会社の債権者に対しては直接責任を負う」社員を指します。

実質、無限責任社員も直接有限責任社員も会社が倒産した場合は、その負債につきそれぞれの責任の範囲内で弁済する義務を負うことになります。

これと異なるのが、株式会社と合同会社の出資者に適用される間接有限責任。

おさらいですが、これは「出資額の範囲内のみで責任を負う」ことを指すので、責任はかなり限定されます。

2.合名・合資会社のメリット・デメリット

さて、無限責任という恐ろしいキーワードが出てきましたが、ここで合名・合資会社設立のメリットを挙げてみましょう!

合名・合資会社設立のメリット

・設立時の費用が安い
・資本金に現金を用意しなくてよい(無限責任社員のみ)
・会社の経営に、社員個人の人的価値が反映されやすい
・合同会社と同様、出資者(=社員)の持分会社なので定款の自由度が高い
・決算公告の義務がない
・合名会社なら1人で設立できる(合資は2人からの設立)

では、逆にデメリットはどんなものでしょうか?

合名・合資会社設立のデメリット

・無限責任社員については、無限責任を負うので、倒産した時のリスクが大きすぎる
・社員同士の仲違いが経営リスクになる
・法人格として、イメージが株式会社よりも劣るため、ビジネスに不利な局面も

旧財閥で用いられていた合名・合資会社


現在は合名・合資会社の設立は極めて少なくなってきてます。

それもそのはず、設立時のコストや最低資本金が合名・合資会社とほぼ変わらず、間接有限責任である合同会社の方が魅力的ですもんね。

しかし、かつて日本には、旧財閥の持株会社として三菱合資会社や、三井合名会社、合名会社安田保善社などが存在していました。

なぜ合名・合資会社の形態をとったのでしょうか。

これには、財閥は同族経営であるがゆえ、家制度を補完するような合名・合資会社という制度がマッチしていた、という指摘があります。

また合名・合資会社は、社員の死亡等によって出資金の引き上げ、経営からの撤退といった断絶のリスクを孕んでいる制度ですが、当時の商法では、相続・譲渡の規定を緩めることで、「企業の永続性に都合の良いものだった」とも言われています。

まとめ

会社設立数は増えている!一方で……

2006年の会社法の改正によって、会社設立数は爆発的に増えました。

やはり、株式会社の比率が9割を超えますが、近年では資本金も少なく済み、運営も簡素な合同会社の設立数が増えてきています。

かつての有限会社のように、株式会社の数を超えることもありえるのではないでしょうか。

一方、新規の合名・合資会社設立はとても珍しくなっています。無限責任を追わねばならない点はリスクですし「それならば設立コストや運営方式もほとんど変わらない合同会社を設立しよう!」となるのでしょう。

こういうあなたにはこの会社形態がオススメ!

最後になりますが、それぞれの会社形態を選択する上での判断基準をまとめてみました。

株式会社にふさわしいのは…

・事業内容に自信があり、色々な企業と関わっていきたい!
・役員を引き受けてくれる同志がいる!
・資本金と設立時コストで100万は用意できる!

合同会社にふさわしいのは…

・自由に経営したい!
・これからも信頼できる出資者(=社員)がいる!
・設立時のコストを10万程度に抑えたい!

合名・合資会社にふさわしいのは…

・身内で小規模な事業をやっていきたい!
・設立時のコストを10万程度に抑えたい!
・個人財産が豊富にあり、万一の場合にも対応できる!

いかがでしたでしょうか。

ぜひご自身が実現したい事業や計画に適した形態を選択して頂ければと思います。

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さらに、マネーフォワード 会社設立の場合、電子定款の作成にかかる手数料はマネーフォワードが負担するため無料です!

また、書類の受け取り、提出場所、必要な持ち物もわかるので、迷わず間違えずに設立までの手続きが可能です。

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設立後は、年金事務所、税務署、都道府県税事務所に提出する書類を作成できるほか、法人銀行口座、クレジットカード、バックオフィスサービスなど、会社運営に必要なサービスがお得にご利用いただける特典もご用意しております。

誰でも簡単に会社を設立! マネーフォワード 会社設立

監修:加賀爪 優作 (司法書士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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