• 更新日 : 2026年4月16日

工事見積書の諸経費は何を指す?記載方法や相場について解説

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工事見積書の諸経費は、現場経費と一般管理費を合わせた、本体工事費以外にかかる費用です。工事全体の5~10%が目安といわれますが、業界や企業によって幅があります。見積書には「諸経費 1式」として、内訳は記載しないのが一般的です。この記事では、工事見積書の諸経費が何を指すのか、および書き方や相場について解説します。

工事見積書における諸経費とは

最初に、工事見積書にある「諸経費」が何を意味するかを解説します。

そもそも諸経費とは

そもそも諸経費とは、受注した案件と直接関わりがある項目ではないものの、案件の完遂に必要な費用のことです。直接関わりがある項目にかかる費用の、5~10%程度が相場といわれています。

諸経費を記載する主な業種

諸経費(諸費用)を記載する主な業種と費用の例は以下の通りです。

業種 諸経費(諸費用)の例
建築工事 作業車両のガソリン代、作業員の労務管理費、事務用品代、事務所家賃など
住宅・不動産販売 仲介手数料、住宅ローン手数料、登記費用、司法書士への報酬、火災保険料など
自動車販売 車庫証明費用、検査登録費用、希望ナンバープレート代など

なお、この記事では「工事見積書」の諸経費について解説します。

工事見積書の諸経費とは?

それでは、工事見積書の諸経費について、概要や工事費との違いを見てみましょう。

工事における諸経費とは

工事における諸経費とは、現場運営や事業運営にかかる費用のことです。内訳は大きく分けて、以下の通り現場経費一般管理費の2つに分けられます。

現場経費の例

現場経費は、工事現場を運営するための費用です。具体的な明細には以下のようなものがあります。

項目 具体的な内容
労務管理費 打ち合わせ費用、作業着のクリーニング代など
従業員給料手当 現場従業員・雇用労働者の給与や交通費、賞与など
保険料 工事保険、火災保険、労災保険など
法定福利費 現場従業員の雇用保険・健康保険などの会社負担分
事務用品費 現場事務所で使用される事務用品の費用
施工図作成費 施工図の外注費用
機材損料 建設機材の管理や修理の費用
通信交通費 携帯電話料金、車両のガソリン代、駐車場代など
補償費 現場で発生する騒音や振動に対する補償の費用
近隣対策費 現場の囲いやカラーコーンの費用
地代家賃 現場事務所の地代など
租税公課 契約書の印紙代、官公庁の手続き費用など

一般管理費の例

一般管理費は会社を運営するための費用です。具体的な明細は以下のようなものがあります。

項目 具体的な内容
労務費 本店・支店従業員の給与や手当
法定福利費 本店・支店従業員の労災保険料・雇用保険料
福利厚生費 本店・支店従業員の慰安・娯楽の費用
事務所家賃 会社事務所の家賃
広告宣伝費 宣伝や広告の費用
動力用水光熱費 会社事務所の電気・水道・ガスの費用
調査研究費 調査や研究開発の費用
減価償却費 所有する建物や機材、車両などの減価償却費
租税公課 固定資産税や道路占有料など
雑費 社内打ち合わせなどの費用

工事費との違い

諸経費は、工事にかかった金額のうち工事費以外の費用を指します。したがって、工事費と諸経費を合計したものが見積金額となります。

工事見積書に諸経費を記載するには?

工事見積書に諸経費を記載するためには、どのようにすれば良いかを解説します。

内訳を記載する場合

諸経費の見積書への書き方は、明確に決まっているわけではありません。業界や企業によってそれぞれ異なります。

業界や企業によっては、諸経費は以下のように、内訳を記載することもあります。

名称 摘要 金額
諸経費
建設資材費 〇〇円
人件費 〇〇円
保険料 〇〇円
税金 〇〇円
手数料 〇〇円
その他 〇〇円
小計 〇〇円

このように内訳が記載されていれば、顧客も納得しやすいでしょう。

内訳を記載しない場合

ただし、見積書に諸経費の内訳を記載するのはどちらかといえば稀で、諸経費は「諸経費 1式 〇〇円」のように、内訳は書かずに総額のみを記載するのが一般的です。金額は、業界や企業の基準で算出されたものを使用します。

諸経費を総額のみの記載とすると、内容が不透明であるうえ金額も小さくないため、顧客が疑問を持つこともあります。総額のみの記載とする場合には、もし顧客から諸経費の内訳について質問されたら明確に答えられるよう、諸経費の内容についてしっかり把握しておきましょう。顧客の納得がいくよう答えられないと不信感を持たれ、失注してしまう恐れもあります。

工事見積書に記載する諸経費の相場

工事見積書に記載する諸経費の相場を解説します。

5~10%が目安

諸経費の相場は、工事全体の5~10%が目安といわれています。たとえば、1,000万円の工事なら、諸経費の相場は50~100万円になるということです。

ただし、この割合は必ずしも画一的に決まったものではありません。業界や企業によってさまざまで、15%や20%、あるいは30%であるケースもあります。

諸経費の幅がある理由

諸経費の幅がある要因として、以下のようなものがあります。

会社や現場の運営方法がそれぞれ異なる

まず要因として挙げられるのは、会社や現場の運営規模や形態が、業界や企業によってそれぞれ異なることです。たとえば、現場に配置する現場監督や施工管理技士の人数は、同規模・同種類の工事であっても企業によって異なり、その人数により諸経費の額は変わります。

また、経費のかかり方は社長自らが現場に出るような会社と、現場に出ない人が多勢の会社では変わってきますし、下請けをどの程度使うかによっても変わります。

見積形式がそれぞれ異なる

見積形式が業界・企業によって異なることも諸経費に幅がある要因です。たとえば、資材などの運搬費を「現場作業費」として本体工事費に含める会社もあれば、諸経費に含める会社もあります。このような場合には、トータルの工事金額は同じでも、諸経費の割合は違ってきてしまいます。

現場の規模や地域性

現場の規模や地域性によっても、諸経費には違いが出てきます。たとえば、現場規模が大きくなれば、現場監督やスタッフの数や稼働日数が増えるため、諸経費はどうしても膨らみます。また、現場が都市部なら、地方と比べて地代家賃も高いので、事務所運営費用がかさみます。

諸経費は安ければいいわけではない

以上のように諸経費は、業界や企業、現場の規模や地域性によってどうしても差が出てきます。顧客によっては、単純に「不透明な費用である諸経費は安ければ安いほうが良い」と考えることもあるでしょう。しかし、諸経費は安ければいいわけではありません。

諸経費に含まれる現場経費は、現場の安全性や確実な施工、スムーズな進行のために、また一般管理費は会社の存続のために、欠かすことができない費用です。そのため、諸経費が安すぎれば、現場でのトラブルが発生したり、会社が倒産してメンテナンスや保証ができなくなったりしかねません。

工事の見積もりにあたっては、諸経費の内訳や割合に疑問を持った顧客に対して、前述の通りていねいに説明し、納得してもらうことが重要です。

工事見積書のテンプレート・ひな形

工事見積書のエクセルテンプレートを以下からダウンロードできます。エクセルで入力してPDFに変換したり、印刷したりしてご活用ください。

顧客にしっかり説明して適正な諸経費を受け取ろう

現場経費と一般管理費から構成される諸経費は、一般に見積書に内訳を記載しないため、顧客から疑問を持たれたり、安いほうが良いと思われたりしがちです。一般に工事全体の5~10%が目安とはいわれますが、業界や企業によって適正な費用には幅があります。疑問を持つ顧客にはしっかりと説明したうえで、適正な諸経費を受け取りましょう。

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