- 更新日 : 2026年4月16日
消費税課税事業者選択不適用届出書とは?必要なケースや作り方を解説
消費税課税事業者選択不適用届出書とは、課税事業者が免税事業者に戻る際に提出する書類を指します。課税事業者となってから一定期間を経過してからでないと提出できない点に、注意が必要です。
届出書には、届出者や課税売上高などの情報を記載します。本記事で、消費税課税事業者選択不適用届出書の書き方や気をつけるべき点を押さえておきましょう。
目次
消費税課税事業者選択不適用届出書とは
消費税課税事業者選択不適用届出書とは、課税事業者選択届出書の提出により課税事業者を選択していた事業者が免税事業者に戻る際に提出する書類です。免税事業者に戻ることを希望する課税期間初日の前日までに、書類を提出します。
消費税課税事業者とは、消費者が負担した消費税を納付しなければならない事業者のことです。基準期間における課税売上高が1,000万円超の場合に、消費税課税事業者とみなされます。
一方、免税事業者とは基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者です。ただし、免税事業者でも、「消費税課税事業者選択届出書」を提出することで課税事業者になるケースはあります。また、適格請求書(インボイス)発行事業者としての登録を受けている場合も、課税事業者となります。
課税事業者と免税事業者の違いについては、下記記事で詳しく紹介しています。
消費税課税事業者選択不適用届出書が必要になるケース
本来免税事業者に該当する方が、インボイス制度開始以前に「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者になった場合、再び免税事業者に戻るためには「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出が必要です。
たとえば、多額の設備投資があり、消費税額の還付を受けるために課税事業者を選択していた方は、設備投資終了のタイミングで免税事業者に戻ることを選択する可能性があります。また、主要取引先が個人消費者のみでインボイス対応を考える必要がないことも、免税事業者に戻るきっかけになるでしょう。
ただし、消費税課税事業者選択不適用届出書を提出しても、基準期間における課税売上高などが1,000万円を超えれば課税事業者としてみなされます。そのため、引き続き消費税の納付が必要です。
なお、インボイス制度開始後、インボイス対応のために課税事業者になった方は、一般的に「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出とは別の手続きが求められます。
消費税課税事業者選択不適用届出書の書き方
消費税課税事業者選択不適用届出書の用紙は、国税庁のサイトからダウンロードできます。
記入する項目は、主に以下のとおりです。
- 届出者の情報
- 「課税期間」や「課税売上高」など
- 「課税事業者となった日」や「届出要件の確認」など
ここから、各項目の書き方について解説します。
届出者の情報
書類の上部に、届出者の情報を記入していきましょう。
「納税地」には住所や電話番号など、「氏名又は名称及び代表者名」には、個人事業主名や法人名を記入します。続いて「個人番号又は法人番号」に、マイナンバーや法人番号の記入が必要です。
「課税期間」や「課税売上高」など
書類の1(適用開始課税期間)、2(基準期間)、3(課税売上高)に記入します。
1の「この届出の適用開始課税期間」には、課税選択を辞めようとする課税期間の初日や末日の記入が必要です。また、対象期間が「令和」であれば、「令和」に丸をつけます。
続いて、2の「1の基準期間」には、1における基準期間の初日と末日の記入が必要です。基準期間とは、対象年の前々年(法人は対象事業年度の前々事業年度)を指します。
3の「課税売上高」には、基準期間における課税資産の譲渡などの対価の合計額を記入しましょう。
「課税事業者となった日」や「届出要件の確認」など
1〜3の記入を終えたら、「課税事業者となった日」「事業を廃止した場合の廃止した日」「届出要件の確認」を記載していきましょう。
「課税事業者となった日」には、提出済みの「消費税課税事業者選択届出書」の「適用開始課税期間」欄の初日を記入します。「事業を廃止した場合の廃止した日」は、事業を廃止する場合に廃止年月日を記入する項目です。
最後に、課税事業者となった日から2年を経過する日までに開始した各課税期間中に、調整対象となる固定資産の課税仕入れなどがないことを確認したら、「提出要件の確認」で「はい」にチェックを入れます。
消費税課税事業者選択不適用届出書の提出方法
消費税課税事業者選択不適用届出書の提出方法は、以下のとおりです。
- e-Taxで提出する
- 所轄の税務署に提出する
それぞれ解説します。
e-Taxで提出する
e-Taxソフトを活用すれば自宅や勤務先のパソコンで消費税課税事業者選択不適用届出書を作成して、そのまま提出できます。e-Taxとは、各書類に対応した画面で必要事項を入力することにより、対象データを作成するソフトのことです。
なお、e-Taxで提出するためには、まずソフトをダウンロードし、利用者識別番号を用意しておかなければなりません。また、電子署名のために電子証明書の取得も必要です。
所轄の税務署に提出する
パソコンを使った手続きに不安がある方や、電子証明書の取得が済んでいない方には、税務署に消費税課税事業者選択不適用届出書を郵送するか持参して、提出する方法もあります。ただし、提出先は納税地を所轄する税務署宛でなければなりません。
所轄の税務署がどこなのかわからない場合は、以下のサイトで確認しておきましょう。
消費税課税事業者選択不適用届出書を作成する際の注意
消費税課税事業者選択不適用届出書を作成するにあたって、以下の点に注意しましょう。
- 届出書を提出できない期間がある
- インボイス発行事業者の取り消しには別の書類が必要
それぞれ解説します。
届出書を提出できない期間がある
消費税課税事業者選択不適用届出書は、課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ提出できません。一度課税事業者を選択すると、基本的にすぐは戻れない点に注意しましょう。
また、調整対象固定資産を購入した場合にも提出できないことがあります。調整対象固定資産とは、建物・機械・装置など棚卸資産以外の資産で、支払対価の「110分の100」が100万円以上のもののことです。
参考:国税庁 No.6421 課税売上割合が著しく変動したときの調整
インボイス発行事業者の取り消しには別の書類も必要
インボイス発行事業者としての登録を取り消すには、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」の提出が必要です。翌課税期間の初日(登録の効力を失わせる日)から起算して15日前の日までに、届出書を納税地を管轄する「インボイス登録センター」へ提出しなければなりません。
なお、インボイス対応にあたって「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して課税事業者になった場合、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出すれば、免税事業者に戻る際に「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出が原則不要です。
消費税課税事業者選択不適用届出書が必要なケースを把握しよう
課税事業者選択届出書を提出して課税事業者を選択していた事業者が免税事業者に戻るには、消費税課税事業者選択不適用届出書を提出しなければなりません。書類には、事業者情報に加えて課税期間・課税売上高などを記入します。
提出方法は、e-Taxや所轄の税務署への持ち込みなどです。提出する際は、届出書を提出できない期間があることを理解しておかなければなりません。インボイス対応の必要性を考慮したうえで、免税事業者に戻るか判断しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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