• 更新日 : 2022年2月25日

見積書のデザインについて

見積書とは、いわば自分の仕事に対する値札のようなものです。相手とのやりとりをする段階で、正式な契約にいたるまでに提示する資料です。相手への印象を伝える最初の書類とも言えます。

見積書には基本的にデザインの明確な決まりはなく、自由にデザインすることができます。
しかし、見積書は仕事を依頼する側にとって重要な判断材料にもなりますので、内容を把握しやすく、また必要な情報に漏れもないものである必要があるでしょう。

つまり、基本的に見積書のデザインは自由ですが、仕事内容、金額、納期など取引に関する条件などが明確にわかるようにデザインされていることがポイントです。また、後に提出することになる納品書請求書など取引に関する書類のデザインは、ある程度統一性があり、自社のイメージに合ったものを作成しておくことが望ましいでしょう。

最低限の情報としては、依頼主の基本情報、商品内容(品番や色、サイズ、個数等)、納品についての情報(場所、期限、方法)、見積書の有効期限など必要事項が書かれていれば問題ありません。ただし、どこまでが見積に含まれるのか、何が別途での請求になるのか、各種条件は明記しましょう。この条件が曖昧だとトラブルに発展する可能性もありますので注意が必要です。

デザインや書式は基本的には自由とはいえ、例外的な見積書もあります。たとえば、公共建築工事の見積など建設業界においては、適正な見積価格にするために使用する書式や基本的な構成、記載項目があります。

今回は、そうした建築業界などにおける指定の見積書のデザインについて解説したいと思います。

建築業界における見積は他の業種とは違ってさまざまなルールがあります。

建築産業では、行政と産業に関わる者全員とが一体となり、社会保険未加入をなくすべく対策を進めています。こうした取り組みを進めるに当たっては、資金となる法定福利費の確保が重要になってきます。

このため、建築産業の見積では、総額単価に加えて法定福利費を内訳に含め、社会保険加入につながる金額確保に努めています。

こうした背景のもと、国土交通省では、各社の実情に応じた法定福利費の額を簡便に算定することができるよう、作成手順書を策定し、専門工事業者に提供しています。

公共建築工事における見積標準書式

製品および専門工事価格について、専門工事業者に正しい見積価格を設定してもらうため使われる書式の構成や記載項目等は以下のとおりです。

見積書表紙

見積依頼書(依頼する物件に関する情報についてとりまとめたものです。代表的な項目は以下のとおりです。)

・工事概要に係わる項目:名称・場所・予定工期
・建物概要に係わる項目:階数・建築面積・構造、延床面積
・提出に係わる項目:期限・部数・方法・提出先宛名・見積依頼者氏名・見積依頼者連絡先
・与条件:支給品の有無・施工条件など

見積内訳書

内訳は見積対象商品の品目と、工事を要求仕様、摘要、項目ごとに金額を記載したものです。専門工事業者の諸経費は原則として工事費とは別にします。なお、製品製造工場の労働者などの法定福利費は製品価格に含むものとします。

見積条件書

依頼者が作成し、見積対象範囲や施工条件等を作成者へ正確に伝えるための書類です。また、作成者に見積条件が正しく伝わったどうかを確認するための役割も担います。

見積もりに必要な仕様書及び設計図書等(必要に応じて発行します。)

参考数量(必要に応じて発行します。)

さらに、見積合計金額のほかに以下の2項目を記載します。

1.対象工事に係わる項目:工事名・工事場所・見積書発行年月日・見積有効期限・受け渡し方法・支払い条件

2.作成者に係わる項目:見積作成者氏名、製造もしくは専門工事を行う業者名、工事所在地、代表者名、代表者印もしくは社印


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