- 更新日 : 2019年3月26日
請求書の送付状の書き方

請求書を送付するとき、請求書だけを封筒に入れて郵送してはいけないかといえば、法的にはまったくそんなことはありません。会計上も税制上も何ら問題はないのですが、相手があなたの会社に感じる印象はどうでしょうか。おそらく、ぶっきらぼうだとか不躾だと思うでしょう。送付状なしで請求書だけを送るのはビジネスマナーとしては問題があると言えます。
やはり取引をスムーズに行ううえでは、人間関係を良好に保つことが大切であることから判断しても、請求書には送付状をつけるべきでしょう。
今回は、請求書につける送付状のマナーについて基本的なところを解説します。
送付状に記載する内容
請求の件名や金額、振込先など詳細は請求書に記載します。では、送り状に書くべきことは何でしょうか?
・相手先:会社名および担当者名
・挨拶文
・何の書類を送付するか。何の件の請求書か。
・請求書確認の依頼
・入金のお願い
・請求書に関する問い合わせ先
送付状の例文
平成○年○月○日
クラウド株式会社
○○部○○課
山田太郎 様
書類送付のご案内
拝啓 貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配賜り、厚く御礼申し上げます。
先日、連絡させていただきました、商品○○に関する請求書を送付申し上げます。
内容をご確認の上、期日までにご対応いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
ご不明な点・お気づきの点などございましたら、ご遠慮なく鈴木までお問い合わせ下さい。
よろしくお願い申し上げます。
株式会社ABC
鈴木
住所・電話・FAX・E-mail
※自社名を先に書いてもいいですが、相手の社名よりも下になるようにしましょう。
間違いやすい敬語の使い方
さまざまな取引において、取引先への書類、手紙の送付は良くあることです。そのときに、知らず知らずのうちにこちらの社内教育のレベルや品格などを推し量られる基準になるのが敬語の使い方です。送付状もそうした書類のひとつ。正しい敬語の使い方を身につけておきたいものです。
敬語で書くからといって、どの単語にも「ご」や「お」などをつければよいというものではありません。基本的には相手の行動を示す単語には「お」「ご」をつけますが、こちらの行動などにはつけません。
たとえば、こちらが相手の書類などを確認する場合なら、「後ほど、確認させていただきます」「確認いたします」となります。自分の行動である「確認する」を「ご確認」とするのは間違いです。
逆に相手に電話をかけてもらいたい場合は、「ご都合のよい時間に、お電話頂戴したく存じます」となります。
そのほかの注意点は以下のとおりです。
・お客様に対してはたとえ督促状であっても尊敬語を使用し、自社側のことは謙譲語を使います。
・「ご注文をお承りしました」など二重敬語は使ってはいけません。二重敬語とは、ひとつの単語について同じ種類の敬語を二重に使った間違いを言います。たとえば、「おっしゃられていました」は「おっしゃる」という敬語にさらに「られる」という尊敬語がついています。この場合は、「おっしゃっていました」が正しい敬語です。よくある間違いが「面会をご希望になられています」と表現してしまうことです。この場合は、「面会を希望されています」もしくは「面会をご希望です」と表現します。
・「伺わさせていただきます」などの「さ入れ言葉」や「見れる」などの「ら抜き言葉」も使わないようにしましょう。
送付状もそのほかの書類や手紙も難しく考えないで、正しく丁寧な日本語を使うことを意識すればよいのです。
よく使う尊敬語(相手を敬って使う言葉)、謙譲語(自分をへりくだって使う言葉)、丁寧語(ていねいな表現)を上げておきますので送付状を書く時等に参考にしてください。
・言う→おっしゃる→申す・申し上げる→言います
・聞く→お聞きになる→伺う・承る・拝聴する→聞きます
・見る→ご覧になる→拝見する→見ます
・来る→いらっしゃる・おいでになる→伺う・参る→行きます
・もらう→もらわれる→いただく・頂戴する→もらいます
となります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。