• 更新日 : 2024年8月27日

建設業・建築業の見積書の書き方・無料テンプレート

当記事では、建設業・建築業の見積書の書き方やポイントについて、分かりやすく解説しています。

また、見積書の無料テンプレート、見積書の書き方の基本事項なども併せて紹介していますので、ぜひ併せてご参考ください。

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建設業・建築業の見積書が必要なケースは?

建設業の工事の見積もりは、建設業法において規定が設けられています。建設業法の定めにおいて見積もりが求められる場合には、法的根拠より工事の見積書の作成が必要です。

建設業法との関係

建設業者による見積もりについて、建設業法で定められているのは、請負契約を締結する場合です。建設工事を請け負う際には、工事の種別ごとに内訳を明確にして建設工事の見積もりをするように努めることが規定されています。

建設業法において建設工事の見積もりが規定されているのは、トラブル防止のためです。注文者と建設業者の両方を保護し、労働者に対する適切な賃金を確保するには、適正な見積もりにより工事の内訳が明らかにされることが重要とされています。

建設業・建築業の見積書の書き方・ポイント

建設業の見積書の書き方や作成のポイントについて紹介します。

見積書の構成

建設業の見積書は、以下3つの構成で作成されるのが一般的です。

  • 見積書表紙
  • 見積内訳書
  • 見積条件書

見積書表紙は、見積書のトップにくる書類です。工事の内容を大まかに把握できるよう、工事の基本的な情報が記載されます。見積書表紙に一般的に記載される事項は、工事の見積金額(合計金額)、注文者の名称、工事事業者の名称や連絡先などです。

見積内訳書は、見積金額の詳細を示した書類です。工事の種別ごとに工事費を記載し、工事費の内訳として、資材の名称や数量、単価などを明確に記載します。

見積条件書は、工事の前提となる事項や工事のルールなどを示した書類です。施工範囲や見積範囲、支払条件などを記載します。発注者の要望が反映されているか、確認のための書類にもなります。

建設業法で定める必要な項目

建設業法の第19条において、建設工事の請負契約の当事者が、契約の締結に際し書面に記載すべき事項として、16の事項が定められています。建設業法第19 条は契約書に関する記載事項であるものの、見積書についても契約書に準じた作成が求められます。

建設業法第19 条に定められた事項のうち、見積書に記載すべき事項は13項目です。見積条件書において、下記の事項について記載をします。

  1. 工事内容
    工事名称、工事場所、設計図書、責任施工範囲、下請工事の工程と下請工事を含む全体の工程、見積条件・他工種と関係する部分・特殊部分、施工環境や施工制約、材料や産業廃棄物処理に関わる費用負担区分は、少なくとも明示すべき部分とされています。
  2. 工事着手時期と完成時期
  3. 前払金や出来形部分の支払時期や支払方法
  4. 変更や延期・中止の申し出があった場合の工期や請負代金の変更、損失の負担についての算定方法の定め
  5. 災害などによる工期の変更や損失の負担についての算定方法の定め
  6. 物価統制令に規定する価格等の変動や変更による請負代金の額や工事内容の変更
  7. 施工により第三者が損害を受けたときの賠償金の負担の定め
  8. 注文者が資材の提供や機械の貸与をするときの内容や方法についての定め
  9. 注文者の検査の時期や方法、引き渡しの時期
  10. 完成後の請負代金の支払時期や方法
  11. 瑕疵を担保すべき責任や責任の履行で講じるべき措置に関する定め
  12. 遅延や不履行による遅延利息や違約金などの損害金
  13. 契約に関する紛争の解決方法

なお、上記に説明した各項目について見積書の段階で確定していないときは、確定していない理由を明記して見積書を作成しなければなりません。

見積期間の定めについて

建設業者が請負工事をする場合に発行する見積書には、工事内容の内訳だけでなく、見積もりの条件に関わる事項など、複数の事項を記載して作成しなければなりません。正確に見積書を作成しようとすると時間がかかります。調達する資材の調査や細かな計算なども必要になるためです。

請負工事における見積書を作成する建設事業者においては、建設業法により、見積期間に定めが置かれています。下請事業者が適正な見積もりをするだけの時間を設けることは、建設工事の適正で合理的な施工につながるとされているためです。

建設業法で定められている確保すべき見積期間は、下記のように工事の予定金額で異なります。

  • 予定価格が500万円未満の工事:中1日以上
  • 予定価格が500万円以上5,000万円未満の工事:中10日以上
  • 予定価格が5,000万円以上の工事:中15日以上

なお、やむを得ない事情がある場合に限り、予定価格500万円以上の工事については、5日以内の見積期間の短縮が認められています。

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そもそも見積書とは?

見積もり書のイメージ

見積書とはクライアントへ費用の目安を伝える目的として、取引の初期段階で発行する書類です。依頼の検討に必要な情報が共有できるほか、条件のすれ違いによるトラブルを避けることもできます。

クライアントは見積書の内容を確認して、仕事の発注を検討します。その際に見積書があれば、費用や納期などの契約に必要な基礎的な情報が確認できるため、取引をスムーズに進めることが可能です。

見積書に記載されている金額はあくまで費用の目安であるため、妥当な理由があれば契約時に金額の変更が生じたとしても問題ありません。

【基礎編】見積書の書き方と見本・注意点

見積書の書き方

①宛名

宛名には、先方の所在地、会社名を記載します。また、場合によっては担当者名なども必要とされます。

一般的に、会社対会社という形での取引の場合の書き方は、会社名のみを記載することが多いようです。ただ、どこまで記載するのかに関しては、ケースバイケースで担当者間で決定することになります。

書き方として、一般的なのは以下のような形のものです。

まず、会社名を記載。必要な場合には、その下に担当者の部署や担当者名を記載。その後、さらに担当者名の下の部分に、会社の所在地を記載することになります。

②差出人の名前

相手先名などを記載すると同時に、誰からの見積りなのか記載するため、差出人の名前も必要です。差出人、会社名のみを記載する場合や、加えて担当者名も記載する場合など、状況により書き方が異なります。そのため、できるだけ宛名と記載内容を揃えるほうがよいでしょう。

また、宛名同様に所在地の記載も求められます。

差出人の部分の書き方で忘れてはいけないのが、差出人の電話番号を記載するということ。見積書の記載内容に関する疑問などがあった際に直ぐに連絡を取ったりできるようになるので、必ず記載を行なうようにしましょう!ここは宛名を記載するときと大きく異なる点なので、注意が必要です。

見積もり書の書き方

③見積書の通し番号

事業を営んでいると、見積書を発行する機会というのは多くあると思います。その中で、「アレ、あの見積書どこに行ったっけ?」のように、見積書を探すのに苦労したという経験がある方もいると思います。

通し番号を記載しておくことで、管理や整理がしやすくなり、そのような探す手間が発生しなくなります。見積書作成ソフトなどを使うと、自動で通し番号を発行してくれるので便利です。

④発行日

発行日も絶対に必要になる項目の一つといえるでしょう。発行日を記載することで、先方とのコミュニケーションコストが下がり、管理するための手間が減ることにつながります。

また発行日を記載することは、この見積もりに関する有効期限を意味する見積有効期限を設定するためにも必要になります。

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⑤見積もりの合計金額

見積もりの合計金額も当然記載することになります。この合計金額は、各項目の金額を合計したものとズレないように注意が必要です。

見積もり書の書き方

⑥見積もりの内容

見積もり内容には、品目名、単価、個数、合計などを記載します。

品目名

品目名の欄には、納品物や提供するサービスなどを項目ごとに記載します。このときには取引相手にも分かるような書き方で記載することが必要となります。

単価

次に記載するのが単価。原則、品目ごとに一つもしくは一単位あたりの金額を記載します。ただし、単価の記載ができないモノやサービスについては、空欄で問題ありません。

個数

それぞれの品目に対して、提供する数量を記載します。サービスなどで、具体的な数量を記載するのが難しい場合には、「1式」のような書き方で記載しても問題ありません。

合計

品目ごとの合計金額を記載します。ここでの金額は単価×個数で算出される金額となります。

⑦各項目の小計、消費税、合計金額

各項目の小計欄には、それぞれの項目の合計金額を合算した金額を記載します。また、合計金額の欄には、小計金額に消費税の金額を追加した金額を記載します。

⑧備考欄

備考欄の書き方にルールはありませんが、全体に関わるかつ補足説明が必要な内容や条件などを記載します。また、特に記載が必要な項目がないという場合には、短い挨拶文やメッセージを記載するというケースもあるようです。


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