• 更新日 : 2025年3月6日

休職中の社員へ送る書類のマナーは?送付状の例文とテンプレート

休職中の社員に会社から書類を送る際「送付状は必要なのか」と迷うこともあるでしょう。
送付状(添え状)は、何の書類を送ったのかを明確に伝えるだけでなく、受け取った社員がスムーズに対応できるようにするためのものです。特に、休職中の社員は体調不良やけがの療養中であり、会社からの書類を受け取ること自体に負担を感じることもあります。送付状を適切に作成することで、相手に配慮した対応ができ、会社とのスムーズなコミュニケーションにもつながります。

この記事では、休職中の社員に送付状を作成する際のマナーや書き方、ケース別の例文、郵送時の注意点などを詳しく解説します。

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休職中の社員へ書類を送るときの送付状のマナー

休職中の社員への送付状を書くときは、以下の点に注意して文章を作成します。

丁寧な言葉遣いを用いる

社内の部下や同僚宛ての文書とはいえ、ビジネス文書ですので丁寧な言葉遣いを用います。例えば「送ります」より「お送りいたします」、「してください」より「お願いいたします」といった具合に尊敬語・謙譲語を使い分けましょう。

特に休職中で久しぶりの連絡になる場合は丁寧さと心遣いが伝わる表現を心がけます。「ご査収ください」(書類を受け取って内容をご確認ください)など決まり文句もうまく使うと良いでしょう。

簡潔でわかりやすい文章

送付状はあくまで添え状ですので、内容は簡潔に1枚に収めるのが基本です​。長々とした前置きや社外向けのような堅苦しい表現は避け、要点を絞って書くようにします。特に社内の社員宛てであれば時候の挨拶などは簡略で構いません​。

伝えるべき内容(同封物や手続き依頼事項など)は曖昧にせず明確に書き、受け取った社員が迷わず行動できるようにしましょう。

プレッシャーや不安を与えない表現

休職中の方に対し「ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」のような一般的な挨拶は不自然ですので書かないようにします(相手の健康状態を気遣う一文を入れる程度で十分です)。

また、相手にプレッシャーや不安を与えない表現にも配慮します。例えば、社外宛てのように他人行儀すぎる文面は「まるで自分はもう社員ではないかのようだ」と誤解されかねません​。

社内宛てですので過度にへりくだりすぎず、ビジネスライクかつ温かみのある文面を心がけます。また「一日も早い復帰を~」などの表現は場合によってはプレッシャーになるため控えましょう​

休職中の社員への送付状(添え状)の書き方

休職中の社員に書類を郵送する際には、送付状(添え状)を添えるのがビジネスマナーです。送付状に盛り込む内容や書き方のポイントについて紹介します。

書類の作成日(年月日)

送付状には作成日(または発送日)を記載します。いつの時点の書類かを明確にするためで、通常は「◯◯◯◯年◯月◯日」と西暦か和暦で記入します。ビジネス文書では通常、日付は用紙右上に記載します​。

日付があることで受取側は書類の日付を把握でき、管理がしやすくなります。郵送する場合は実際の発送日に合わせ、記入漏れや誤りがないよう注意しましょう。

宛名(送り先)

送付先となる社員の氏名を左上に書き、その後に「様」を付けます。社内宛で役職名を付ける場合もあります。名前の漢字を間違えないよう事前に確認し、正確に記載しましょう。

差出人(送り主)

送付状を出す会社名・部署名・担当者名を明記します​。社内文書でも正式な文書ですので、会社の正式名称や部署名を省略せず書きます。連絡先(住所・電話番号・メールアドレス等)を添える場合もあります。社内向けであっても、誰から送られたものか一目で分かるようにしましょう。書類に関して問い合わせがある場合に、スムーズに対応できるようにするためです。

タイトル・件名

送付する書類の内容が一目でわかるように、タイトルを明記します。ページ中央に「◯◯送付のご案内」など簡潔な表題を書きます。例えば「書類送付のご案内」や「◯◯書類の送付について」といったシンプルなタイトルを付けます

件名を見るだけで内容の概要が伝わるようにすると親切です。件名は他の本文よりも目立つように配置・強調するとよいでしょう。

本文(挨拶と伝達事項)

書き出しの挨拶では、社内文書であれば過度な季節の挨拶は不要です。たとえば「平素よりお世話になっております。◯◯部の△△です。」のように日頃の感謝や名乗りを述べるか、あるいは相手の体調を気遣う一文を入れてもよいでしょう。

「休職中のところ失礼いたしますが…」と断りを入れて本題に入るのも一般的です。本文では送付した書類の案内や送付理由、受け手に取ってほしい対応などを簡潔に伝えます。必要に応じて提出依頼や確認依頼の旨も記載しましょう。

形式的な文面で問題ありませんが、相手に敬意を示す表現を用いましょう。

送付書類の内容・部数

本文で書類を同封した旨を伝えたら、その後に同封した書類の名前と部数を箇条書きで示します。

本文の末尾に「以下の書類を同封いたしました。」などと書き、改行して「記」と中央に書きます。その下に箇条書きで「・◯◯書類 ◯部」「・△△用紙 ◯枚」というようにリストを作ります。箇条書きの最後には右下に「以上」と付けて締めます​

こうすることで、受け取った社員が何の書類が何部入っているか一目で把握できます。漏れ防止にもなる重要なポイントです。

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休職中の社員へ書類を送るときの送付状の例文

休職中の社員へ書類を送るときの送付状の例文をケース別に紹介します。

給与明細を送る場合の送付状例文

離職票は失業給付を受けるために必要な書類です。そのため、退職者が確実に受け取り、ハローワークで手続きを進められるように、わかりやすく案内することが大切です。

令和○年○月○日

〇〇 〇〇様

株式会社△△△△
人事部 △△ △△(担当)
〒123-4567
東京都〇〇区〇〇町1-2-3
TEL: 03-1234-5678
E-mail: △△△△@△△△△

書類送付のご案内

平素よりお世話になっております。人事部の△△です。

ご休職中のところ恐縮ですが、○月分の給与明細書を同封いたしましたのでご査収くださいますようお願いいたします。

なお、給与の振込日は○月○日となっております。お手元の明細内容をご確認ください。万一不明な点がございましたらご連絡ください。

・給与明細書(令和○年○月分)・・・1部

以上

復職に関する案内を送る場合の送付状の例文

令和○年○月○日

〇〇 〇〇様

株式会社△△△△
人事部 △△ △△(担当)
〒123-4567
東京都〇〇区〇〇町1-2-3
TEL: 03-1234-5678
E-mail: △△△△@△△△△

書類送付のご案内

休職中のところ失礼いたします。総務部の△△です。

この度は、○○様の復職に関するご案内の書類一式をお送りいたします。 現在の休職期間は令和○年○月○日で満了となる予定のため、復職をご希望の場合は手続きが必要です。

同封の「復職のご案内」をお読みいただき、復職可能な際には所定の「復職届」に必要事項をご記入のうえ、◯月◯日(期限)までにご提出くださいますようお願いいたします。

書類到着後でもご不明な点等ございましたら、下記担当者まで遠慮なくお問い合わせください。

・復職手続きのご案内・・・・・・・1部
・復職届(社員記入用)・・・・・・1部

以上

退職手続きに関する書類を送る場合の送付状の例文

令和○年○月○日

〇〇 〇〇様

株式会社△△△△
人事部 △△ △△(担当)
〒123-4567
東京都〇〇区〇〇町1-2-3
TEL: 03-1234-5678
E-mail: △△△△@△△△△

書類送付のご案内

ご休職中のところ恐れ入ります。人事部 部長の△△です。

まずは◯◯様のこれまでのご尽力に心より感謝申し上げます。 この度、◯◯様の退職に伴う手続き書類一式をお送りいたします。

同封の各書類をご確認いただき、必要事項をご記入のうえ、◯月◯日(期限)までにご返送くださいますようお願いいたします。 退職に際しての各種証明書類の発行手続きも進めております。

ご不明な点やご質問等ございましたら、遠慮なく〇〇までお知らせください。今後につきましても何かございましたらご連絡いただければ幸いです。

・退職手続きのご案内・・・・・・・・1部
・退職届(ご記入・ご捺印の上ご返送ください)・・1部
雇用保険関連書類一式・・・・・・・1部
・返信用封筒・・・・・・・1部

以上

休職中の社員へ書類を郵送するときの注意点

休職中の社員に書類を郵送する際のマナーや注意点をまとめます。適切な送付は信頼感にもつながりますので、以下の点に気を配りましょう。

送付状は一番上に添える

封筒に書類一式を入れる際、送付状が一番上になるように封入します​。開封して最初に送付状が目に入ることで、同封物の概要がすぐ伝わるため親切です。送付状が下になっていると相手が気づかず混乱する恐れがありますので注意しましょう。

封筒の裏面には〆マークを書く

日本のビジネス文書では、封筒を糊付け(封緘ふうかん)したあと封じ目に「〆」という印を書きます。「封」や「緘(かん)」という字を用いる場合もありますが、一般的には手書きの「〆」がよく使われます​。

これは「確かに封をしました」という意味のマナー表示です(洋封筒の場合は省略することもあります)。封筒裏面には差出人の住所氏名も忘れずに記載し、封をしたら「〆」を二重丸で囲むなどして明示すると丁寧です。

個人情報の取り扱いに注意する

休職中の社員に送る書類には、給与や健康・人事情報など個人情報が含まれることが多いです。郵送時にはプライバシー保護に十分配慮しましょう。
例えば、封筒が透けて中身が見えないように厚手の封筒や情報保護シールを使う、宛名以外の情報は封筒表面に書かない​、封筒表に「親展(しんてん)※本人宛て開封希望」を赤字で明記する、といった対策が有効です。また宛先住所・氏名が正しいかを発送前に再確認し、誤送付による情報漏えいが起きないように注意します。

迅速かつ確実な対応を心がける

休職中の社員へ書類を送る際は、できるだけ早く発送するよう心がけます。特に給与明細や健康保険に関わる書類、手続きの案内などは遅れると先方に不安を与えてしまいます。会社からの連絡が滞らないよう、決まった時期の書類は速やかに送りましょう。

また必要に応じて追跡可能な郵送方法(書留や簡易書留など)を利用し、確実に届いたか確認することも大切です。先方から返信が必要な場合は、返信用封筒や切手を同封する配慮もしておくと親切です。迅速かつ丁寧な対応により、休職中の社員も安心して会社とのやり取りができるでしょう。

  • 簡易書留:配達記録が残り、受取時に対面での受け取りが必要。
  • 特定記録郵便:追跡可能だが、対面受取は不要。
  • レターパック:速達扱いで、追跡が可能。

休職中の社員への送付状を適切に作成しよう

休職中の社員に書類を郵送する際は、適切な送付状を添えましょう。送付状には、送付する書類の内容や部数、対応を求める事項を簡潔に記載しましょう。

丁寧な言葉遣いを心がけつつ、相手にプレッシャーを与えない表現を選ぶことが大切です。また、送付状は封入書類の一番上に置き、封筒には「〆」マークを記載するなどの配慮も必要です。社員が安心して受け取れる送付状を作成しましょう。


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