• 更新日 : 2023年8月25日

バイト先で領収書を発行する際のポイントは?書き方と注意点を解説

バイト先で領収書を発行する際のポイントは?書き方と注意点を解説

アルバイトやパートとして勤務している先で領収書の発行を求められるケースがあります。飲食店などでは顧客から領収書を求められることも多く、その場合はすみやかに発行しなければなりません。領収書を印刷できるレジもあります。

本記事では、バイト・パート先で領収書を発行する際の書き方や注意点を解説します。

領収書とは?アルバイトが知っておくべき基礎知識

領収書は、商品やサービスを提供した対価としてお金を受け取ったことを証明するものです。ここでは、アルバイトで働く際に知っておきたい領収書の基礎知識をみていきましょう。

領収書とは?

領収書とは、お金のやり取りを証明するものです。商品やサービスを提供した側はその対価としてお金を受け取ったことを証明し、商品・サービスを利用した側にとっては金銭を支払ったことの証明になります。売り手は、買い手から求められたら領収書を発行する義務があります。領収書の概要については、下記記事でも解説しています。

領収書がないと支払が済んでいることを証明できず、過払いや二重請求につながる可能性があるため、領収書にはそのような状況を防止する役割があります。

また、法人や個人事業主確定申告や経費計上をする際や、税務署の税務調査などで、領収書は証憑書類となるものです。

領収書と領収証の違い

領収書のほかに「領収証」という言葉がありますが、両者に大きな違いはありません。領収書は領収証や預かり書などを含み、金銭の対価として発行される証憑書類の総称です。

事業者によっては領収書ではなく「領収証」という名称の書類を発行する場合もありますが、金銭の授受を証明するという点で領収書と変わりありません。

レシートとの違い

領収書のほかに、金銭の受け取りを証明するものとして「レシート」があげられます。領収書もレシートも英語にすると「receipt」で、領収証と同じく大きな違いはありません。

領収書とレシートで異なる部分は、領収書には宛名があり、レシートにはないという点です。また、領収書には購入した商品の詳細な情報が記載されませんが、レシートには購入した商品の詳細がすべて記載されます。

なお、レシートでも以下の4点を満たせば領収書の代わりとして利用できます。

  • 販売者の名称(店名)
  • 発行日
  • 販売した商品やサービスの詳細
  • 金額

税務上の取引で必要とされる項目もこれら4つであり、宛名の有無で書類の有効性は変わりません。

バイト先でお客様から領収書の発行を求められたら?

お店によっては、バイト先でお客様から領収書を求められることは少なくありません。領収書を書くこと自体は難しいことではないため、落ち着いて対応しましょう。

ここでは、領収書の発行手順やルールを解説します。

領収書を発行する手順

領収書を発行する手順は、以下のとおりです。

  1. 金額等を確かめ、宛名と但し書きの書き方を顧客に尋ねる
  2. 領収書を作成し、お金を支払った人に発行する
  3. 必要に応じた収入印紙を貼る
  4. 領収書の控えを1部保管する

領収書はその場で働いている人であれば誰でも発行できますが、すぐに対応できるよう手順を覚えておかなければなりません。

領収書が印刷できるPOSレジもある

領収書は手書きである必要はなく、印刷でも構いません。近年は効率的にレジ会計を行うため、領収書が印刷できるPOSレジを導入している店舗もあります。宛名や但し書きを記入するだけであり、領収書を依頼されたときもスムーズに対応できます。

POSレジで領収書を発行する手順は製品により異なるため、バイト先に導入しているときは、手順をよく確認しておきましょう。

領収書のルール

領収書の受取金額が5万円以上の場合、印紙税を納税するために売上金額に応じた収入印紙の貼付が必要です。金額は原則として、消費税が含まれません。収入印紙を貼付する必要があるにもかかわらず貼り忘れた場合、印紙税法により過怠税が課せられます。

収入印紙は再使用を防止するため、割印が必要です。割印は印鑑のほか、手書きでもかまいません。

領収書の書き方

領収書をレジで印刷する場合でも、宛名は店側で記載します。領収書の宛名は、正式な名称を記載しましょう。例えば、(株)などと省略せず、「株式会社」と記載します。

また、領収書に金額を記入するときは、あとから金額を改ざんできないよう、金額の前に「¥」や「金」といったマークの記載が必要です。末尾には「ー」あるいは「也」を記載し、金額の数字には3桁ごとにカンマを打ちます。空欄を作らないことも大切で、手書きの場合には数字を明瞭に書きましょう。

領収書の書き方については、以下の記事で詳細を解説しています。

領収書発行時の注意点

領収書の発行では、いくつか注意したい点があります。まず、領収書とレシートの両方を渡さないよう注意しましょう。

領収書とレシートはそれぞれに証拠能力があるため、両方を渡してしまうと1度の取引にもかかわらず2回取引をしたようにも見えてしまいます。両方を受け取った側がそれぞれ経費計上するなど、不正につながる可能性もあります。

宛名は省略しないという点は説明しましたが、「宛名は空欄で」と頼まれた場合でも、正式な名称を確認して記載するようにしてください。高額の売買などで宛名がないと、第三者に不正利用される可能性もあります。トラブルを防止するためには、宛名を記載することが大切です。

「上様」という記載を依頼される場合もあります。「上様」は、領収書の金額が少額かつ支払人の同意があれば問題ないとされています。そのため、以下の事業では受取人の記載は要件とされていません。

  • 小売業
  • バス、鉄道、航空会社などの旅客運送業
  • 旅行に関する事業
  • 飲食業
  • 駐車場業

ただし、領収書は第三者がその内容を客観的に判断できなければならず、税務調査などで宛名が「上様」の場合、金銭授受の事実が明らかでないとして無効と判断される可能性があります。そのため、お店側としてはできるだけ宛名を記載するように対応しましょう。

また、但し書きは、どのようなサービス・商品に対して金銭が支払われたかを示すもので、内容が具体的にわかるように記載しなければなりません。「お品代」といった記載は避けましょう。

なお、領収書に印鑑は必ずしも必要ではありません。領収書に印鑑を押すのは偽造防止や商慣習によるものです。「ハンコを押し忘れた」ということがあっても、必要な項目さえ記載されていれば税務上領収書として通用します。

ただし、印鑑には偽造防止の目的があるため、使用する場合はシヤチハタやどこでも手に入る認印などは避けてください。

領収書はバイトでも発行できる

領収書はその会社で働いている人であれば、アルバイトなど雇用関係には関係なく発行できます。領収書は宛名を空欄にしない、但し書きには具体的な内容を記入するなど書き方に一定の決まりがあり、金額の書き方も注意が必要です。5万円以上の領収書には収入印紙を貼付しなければなりません。

レジなどでお客様に求められたらすぐに発行できるよう、事前に手順を確認しておくようにしましょう。


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