- 更新日 : 2024年11月8日
役職者に送る送付状の例文、無料テンプレート、書き方を解説
役職者に送る送付状について、宛名はどのように書くのがよいのでしょうか。この記事では、役職者宛への宛名のマナーや敬称の使い分けを説明します。
また、具体的な例文や今すぐ使える送付状の無料テンプレートもご用意していますので、ぜひご活用ください。
目次
役職者への送付状の宛名の書き方
役職者に宛てる送付状には、「役職名」+「個人名」+「様」の順番で表記します。
例えば、「〇〇〇会社 部長 山田太郎 様」「株式会社○○ 代表取締役社長 佐藤花子 様」「△△大学 学長 鈴木一郎 様」のように記載します。
日本のビジネス文化では組織や役職を重んじる傾向があるため、個人名の前に役職名を置くことで、相手の立場への敬意を適切に表現できます。
逆に「代表取締役 山田太郎 社長」や「〇〇営業部長 様」のように、役職の後に「様」や氏名の後に役職名を置くのは適切ではありません。
送付状の宛名のルールや具体例
送付状には宛名を正しく使い分けることが重要です。
宛名に「御中」を使う時
「御中」は、会社や部署などの組織に対して使う敬称です。個人ではなく、組織全体や担当部署に送る場合に用います。
良い例:
- 株式会社〇〇 御中
- 〇〇株式会社 総務部 御中
悪い例:
- 株式会社〇〇 山田太郎 御中 (個人名には「様」を使います)
「御中」は組織宛のため、個人名と併記する場合は使いません。個人名がある場合は「様」を使います。
宛名に「様」を使う時
「様」は個人宛の敬称で、役職者や担当者名などの個人名に対して使用します。ビジネスでは最も一般的な敬称です。
良い例:
- 山田太郎 様
- 〇〇株式会社 営業部 部長 山田太郎 様
悪い例:
- 株式会社〇〇 様 (会社名には「御中」を使います)
個人名には「様」をつけ、組織名や会社名には「御中」を使います。
宛名に「先生」を使う時
「先生」は、医師、教授、講師、弁護士、司法書士などの専門職の方に宛てる際に使う敬称です。「先生」を使うことで敬意を示しますが、「様」を使用することも一般的です。
例文:
- 〇〇司法書士 △△先生
- △△大学 教授 田中先生
- 〇〇病院 山田先生
なお、事務所や会社宛てに送る場合は、「〇〇法律事務所 御中」と「御中」を使用します。
宛名に「各位」を使う時
「各位」は複数の関係者に対して送付状を送る場合に使います。個人名や部署名に続けて使いません。
良い例:
- 〇〇株式会社 関係者 各位
悪い例:
- 〇〇株式会社 総務部 各位 様 (「各位」と「様」を併用しない)
「各位」を使用する場合、相手が複数であることが前提です。複数の担当者や関係者に敬意を込めて呼びかける形になります。
宛名に「宛」を使う時
「宛」は、返信用封筒の個人名に使われる表現です。相手から受け取った封筒やハガキに「宛」と記載された返信用のものが同封されている場合、返信時に「宛」を消して「様」に書き換えましょう。なお、「部署名+宛」という使い方は避けます。
良い例:
- 株式会社△△ 営業部 佐藤 花子 宛
悪い例:
- 株式会社△△ 営業部 宛 (団体名には「行」を使います)
宛名に「行」を使う時
「行」は、返信用封筒の宛先が企業や部署などの団体名の場合に使われる表現です。相手から受け取った封筒やハガキに「行」と記載された返信用のものが同封されている場合、受け取った側が修正し、「御中」に書き直して対応することが多いです。
良い例:
- 〇〇株式会社 人事部 行
- 〇〇高校 入試担当 行
悪い例:
- 〇〇株式会社 営業部 山田太郎 行 (個人名には「宛」を使います)
役職者への送付状の例文
役職者への送付状の例文をいくつか紹介します。なお、以下は宛先のみの記載例ですので、テンプレートをダウンロードしてご利用ください。
役職者宛の送付状(部長)の例文
X年X月X日
株式会社 〇〇〇〇
営業部長 〇〇〇〇 様
●●部 ●●●
担当: ●●●●
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
e-mail:XXXX@XXXX
役職者宛の送付状(代表取締役)の例文
X年X月X日
株式会社 〇〇〇〇
代表取締役 〇〇〇〇 様
●●部 ●●●
担当: ●●●●
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
e-mail:XXXX@XXXX
役職者宛の送付状(マネージャー)の例文
X年X月X日
株式会社 〇〇〇〇
マネージャー 〇〇〇〇 様
●●部 ●●●
担当: ●●●●
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
e-mail:XXXX@XXXX
役職宛への送付状の無料テンプレート
マネーフォワード クラウドでは、送付状の無料テンプレートをご用意しております。無料でダウンロードできますので、ぜひお気軽にご利用ください。
役職宛への送付状の書き方
送付状は、1枚にまとめるのが一般的です。必要な情報を記載し、余計な表現は控えるよう心がけましょう。相手も読みやすく、内容もしっかり伝わります。
送付状に記載すべき項目は、以下のとおりです。
- 送付年月日
- 送付先(宛先)
- 差出人情報
- タイトル
- 頭語と結語・挨拶文
- 本文
- 送付内容(記・以上)
①送付年月日
送付状には、送付した日付を入れておくと、相手が書類を受け取った時期を確認しやすくなります。送付年月日は、送付状の右上か左上に書くことが多いです。
②送付先(宛先)
役職者宛の送付状は、相手の会社名+役職名+氏名+様の順で記載します。フルネームがわかる場合は、同姓の方と混同されないようフルネームを記載しましょう。企業宛の場合は「御中」を使用します。
③差出人情報
差出人の情報も忘れずに書いておきます。会社名、部署名、担当者名、連絡先などを書いておくと、相手が連絡を取りたい場合にスムーズに対応できます。
④タイトル
送付状には、何を送るかを簡潔に示すタイトルをつけます。「請求書送付のご案内」や「書類送付の件」といったものがよく使われます。タイトルをつけることで、送付状を受け取った相手がすぐに内容を把握できます。
⑤頭語と結語・挨拶文
送付状の冒頭には「拝啓」といった頭語を使い、最後には「敬具」などの結語で締めくくります。その際に、季節の挨拶や日頃の感謝を伝える文章を加えます。
例として以下のような挨拶が適切です。
例文:
「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「拝啓 平素より格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。」
「拝啓、春の陽気が心地よい季節となりました。」
⑥本文
送付状の本文では、何を送ったかを具体的に説明します。例えば、「〇〇〇の件につきまして、下記書類を送付させていただきます。」など、送ったものやその背景を簡潔に伝えます。
⑦送付内容(記・以上)
本文の最後には、送った内容を箇条書きにしておくことがよくあります。「記」と書いて「請求書 1通」のように書くと、相手が何が送られてきたかをすぐに把握できます。そして、最後に「以上」と書いて締めます。
ビジネスでの送付状の送り方
ビジネスシーンで送付状を添えて送る場合は、郵送による方法とFAXによる方法があります。メールやチャットで送る場合は、送付状を添付する必要はありませんが、メールの件名を工夫して重要な文書を送っていることを伝えましょう。
送付状と書類を郵送する場合
ビジネス文書を郵送する際には、送付状を書類の一番上に重ね、相手が最初に目にするよう工夫しましょう。送付状には挨拶や内容を知らせる役割があります。封筒は白色や淡いクリーム色など、落ち着いた色合いのものを使用するとよいでしょう。
封筒の表面には、住所や会社名・担当者名を正しく書きます。切手は過不足のないよう、封筒の左上に、まっすぐに丁寧に貼ります。
封筒の裏面には、自社の住所と名前を記入します。これにより、万が一配達に問題が生じた場合でも、確実に差出人に戻すことができます。
送付状と書類をFAXする場合
FAXで送る場合も、送付状を一枚目に送るのが一般的です。送付状があると、相手が受け取った内容をスムーズに理解できるようになります。FAXで送信する際には、用紙の枚数を明記します。「1/3」「2/3」「3/3」のようにページ数を記載しておくと、受信側が全ての書類を受け取ったか確認しやすくなります。また、送付状には送り主の連絡先を記載し、万が一不備や不明点があった場合に迅速に対応できるようにしましょう。
FAX専用の送付状は以下よりダウンロードいただけます。必要に応じて内容をカスタマイズしお使いください。
書類をメールやチャットで送る場合
メールやチャットで送る場合は、送付状は必要ありません。メールの件名に「【重要】〇〇〇の送付」などと入れておくと、相手が迷惑メールと間違えないようにできます。送付書類はPDFにし、添付漏れがないか、メールアドレスや相手の名前に間違えがないか確認して送付しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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