• 更新日 : 2023年1月30日

納品書の保管期間は何年?保管方法や紛失時の対応も解説

納品書の保管期間について

日ごろから取引に関わっている人であれば、納品書を目にする機会は多いでしょう。納品書は、法律で保管義務が定められています。また、保管方法についても法改正により従前と異なる対応が必要になりました。うっかり納品書を捨ててしまったということがないように、納品書の保管についてしっかりと理解しておきましょう。

納品書の保管期間はケースによって異なる

納品書とは、商品やサービスを納品した際に、その納品の内容を証するために発行される書面です。納品書を作成すること自体は義務ではありませんが、作成した場合には法律上一定の保管義務があります。

次に説明する2つの項目の内容に合わせてきちんと保管しなければならないので、しっかりと理解しておきましょう。

なお、以下の内容は納品書を発行する側、受領する側のいずれでも同様に当てはまります(発行する側の場合、発行した納品書の控えを保管)。

個人事業主は最低5年間の保管が必要

個人事業主の場合、所得税法により5年間の保管義務が定められています(所得税法施行規則第63条・第102条)。「5年間」とは、その事業年度の確定申告書を提出する期限日の翌日から数えます。納品書を発行した日から数えるのではないので注意しましょう。

また、個人事業主であっても消費税の課税事業者の場合には、消費税法により7年間の保管義務が定められているので注意が必要です(消費税法施行令第50条第1項)。

法人は最低7年間の保管が必要

法人の場合は、法人税法により7年間の保管義務が定められています(法人税法施行規則第67条)。ここでも「7年間」はその事業年度の確定申告書を提出する期限日の翌日から数えます。また、欠損金の繰越控除を適用する場合には、10年間の保管義務が生じます(法人税法施行規則第26条の3第1項)。

税法の観点では上記のとおりですが、会社法でも保管義務が別に定められています。会社法では、「事業に関する重要な資料」として、10年間の保管義務が定められています(会社法第432条第2項)。こちらは帳簿の閉鎖の時、つまり会計期間の満了日から数えます。

このように、法人の場合は最低7年間の保管義務がありますが、場合によっては10年間の保管義務となります。確実に保管義務を守るために、社内のルールとしては、一律10年間の保管とすることも考えられるでしょう。

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納品書の保管方法は?

前章に見たとおり、納品書を作成した場合には法律上一定の保管義務があるため、その保管方法にも気をつける必要があります。紙で保管する場合と電子データで保管する場合があるので、それぞれの保管方法について見ていきましょう。

紙で保管する場合

まず、紙で発行された納品書は、そのまま紙で保管することが多いでしょう。この場合、ただ漫然と保管するのではなく、いざ税務調査等で必要になった際にすぐに見つけられるように管理する必要があります。月や年度ごとにファイリングしたり、台帳を作成したりして、きちんと管理することを心がけましょう。

また、紙で発行された場合でも、次で見るように電子化して保管することも考えられます。

電子データとして保管する場合

2022年1月の電子帳簿保存法改正により、電子データで受領した納品書は、電子データで保管しなければならず、プリントアウトした書類で保管することは認められなくなりました。逆に、紙で受領した場合に、それを電子化して保管することは認められます。

紙で保管する場合と同様、電子データとして保管する場合にも、すぐに必要なデータを確認できるように管理しなければなりません。また、改ざんや消失を防ぐためのシステムを構築する必要があります。

納品書を紛失・破棄した場合の対処法

受領した納品書を紛失してしまった、または誤って捨ててしまった場合は、発行元の取引先に再発行を依頼しましょう。

しかし、再発行をした後に、紛失した最初の納品書が見つかると、同じ納品書が2つ存在することになり、混乱が生じてしまいます。したがって、再発行を依頼する際には以下の点に注意しましょう。

  • 発行日、管理番号、納品内容等の基本的な記載内容はすべて同一にすること
  • 再発行であることを目立つように明記すること

こうすることで、仮に後から最初の納品書が出てきてしまっても、2つの納品書が発行された経緯がすぐにわかるため、混乱を避けられます。

納品書を電子化するメリット

納品書の保管方法には、紙で保管する方法と電子化して保管する方法があります。電子化による保管方法には以下のようなメリットがあります。

  • 分類やファイリングの手間の削減
  • 保管場所の確保が不要
  • 検索性が高い
  • 紛失、棄損、劣化の防止

コストの面では、システムの整備など短期的にはデメリットになる点もあります。しかし、紙資源の削減、手間や時間の削減、保管場所の削減という点を考えると、長期的にはむしろ管理コストを削減することになると考えられ、メリットは大きいでしょう。

他方で、万一の場合のバックアップや、サイバーセキュリティなどの体制を整えておく必要があります。

保管期間と保管方法に注意!法律対応のためにも電子化の検討を

普段何気なく目にしている納品書ですが、さまざまな観点で注意が必要です。

自分が扱っている納品書が何年保管する必要があるのか、どのように保管すべきなのか、あらためて確認しましょう。

とくに保管方法についての法律は変化の中にあり、今後の流れとしては、納品書に限らずさまざまな書面が電子化されていくことが予想されます。この機会に、書類の電子化について検討しておくと良いでしょう。

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よくある質問

納品書の保管期間は定められていますか?

法律上、個人事業主の場合は最低5年間、法人の場合は最低7年間の保管義務が定められており、条件に応じてそれ以上の保管期間が必要な場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。

納品書はどのように保管すれば良いですか?

紙で受領した場合は紙または電子化したデータで、電子データで受領した場合は電子データで保管する義務があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:高橋龍二(税理士)

1957年、山形県尾花沢市生まれ。1982年、税理士試験合格。1987年、税理士登録。2022年、税理士法人伊藤・高橋事務所を開設し、代表社員税理士となる。日本税理士会連合会理事、東北税理士会副会長、東北税理士会山形県支部連合会会長。多くのクライアントとともに、地方において豊かに暮らしていくことを目指している。

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