• 更新日 : 2023年9月8日

送付状の日付を吉日と表記してよい?使い方やマナーを解説

送付状の日付を吉日と表記してよい?使い方やマナーを解説

披露宴や親睦会などの案内状の日付にあたる部分に「吉日(きちじつ)」という表現を見かけます。吉凶のうち喜ばしい「吉」は、どこか神聖な穏やかな印象を受ける方も多いでしょう。

吉日という表現は、ビジネス文書の郵送などに使う送付状に使えるのでしょうか。ここでは吉日の意味や本来の使い方、ビジネス文書における位置付けを解説します。

吉日とは?意味や使い方

吉日とは「吉」すなわち喜ばしい、またはよい日を表しています。ここでは吉日の本来の意味と、ビジネスでの使い方の例、注意点を解説します。

「〇月吉日」の意味

そもそも手紙の日付を吉日とする理由は「縁起を担ぐため」です。そのため結婚披露宴のような「お祝いごと」など、めでたい行事の案内によく使われます。

案内する書状も手紙の一種と考えれば「何月何日に書きました」という意味で日付を入れるのがマナーです。しかし、招待する人が多いほど作成にも時間がかかり、できあがったものから順に発送すると、発送日と作成日にずれが生じます。ずれが大きいと相手に対して失礼と受け取られることもあります。そこで「吉日」と表記することで日付を明確にすることを避けるケースがあります。

ただし吉日は「お祝いごと」に用いるため、お葬式や方会といった弔辞には使いません。

「〇月吉日」の使い方

縁起を担ぐお祝いごとといえば、結婚披露宴以外にも棟上げや還暦のお祝いなどがあります。これらの行事の案内文には吉日を使っても問題はありません。しかし、ビジネス文書についてはどうでしょうか。ビジネスにおいてもお祝いごとはあります。

ここでは吉日の、ビジネスにおける使い方について考えてみましょう。

ビジネスでも縁起を担ぐ意味のある文書や手紙には使われる

ビジネスにおけるお祝いごとには、次のようなものが挙げられます。

  • 上棟(棟上げ)式、地鎮祭
  • 創立記念日
  • 謝恩会や祝賀パーティーなど
  • 親睦会や決起会といった勢いづけが求められる集会 など

これらは将来への希望や勢い、感謝の気持ちといったポジティブな位置付けの行事であるため、案内文や招待状の日付の位置に吉日と記載する場合に相応しいでしょう。書状には案内した日付と、お祝いごとのある日付を混同しないよう、吉日を用いるべきといえるでしょう。

ビジネス上の文書の日付を曖昧にする意味もある

見積書請求書納品書といったビジネス上用いられる文書は原則として、日付を明確にするのがマナーです。したがって「◯月吉日」など、曖昧な使い方はできません。たとえば納品書の日付に吉日を使ってしまうと、どの月の締日に含まれるのかがわからなくなってしまうためです。

吉日は、縁起を担ぐ必要のあるお祝いごとの案内文や招待状にのみ、日付がビジネスに直接影響しないものに対して用います。

たとえば、顧客向けの新製品発表会やキャンペーンの案内に吉日を用いると、スケジュールを曖昧にできます。

「吉日」を用いる際の注意点

吉日を用いるときは、次の3つに注意する必要があります。

1つめは「◯年◯月◯日吉日」と、日付と重複して使わないことです。

2つめは吉日を含めた日付は、手紙の末尾に右寄せで記載することです。一般的なビジネス文書のような文頭ではありません。

3つめは「◯月吉日」の「◯月」に相手の手元に到着しなくても問題はないことです。吉日はあくまで発送日を曖昧に表現しているため、到着が月をまたいだ場合でも失礼に感じる人は少ないでしょう。

書状の中で、吉日はある意味定型文として用いられます。そのため、使い方や書く位置は一般的なマナーに沿うことが大切です。

送付状の日付に吉日は使用しない

さまざまなビジネス文書の添え状として用いる送付状は、お祝いごとの案内状や招待状にも添える場合があります。ただし、送付状の日付に吉日を用いることはありません。

ここでは送付状について、吉日を一般的なビジネス文書に使用しない理由を解説します。また具体的な書き方については、以下リンク先を参照してみてください。

送付状に「吉日」は使用しない

送付状の記載項目の1つは「送付日」ですが、これは主となる書類が何であろうと「書類を含めて発送した日=投函した日」を意味します。送付状に曖昧さは求められません。したがって、送付状に吉日は使用しないのがマナーです。

吉日が用いられるのは、あくまでお祝いごとの案内状や招待状といった書状そのものに対してであり、それ以外のビジネス文書には用いられません。

一般的なビジネス文書に「吉日」は使用しない

お祝いごとと関係のない、一般的なビジネス文書について考えてみましょう。たとえば、次のようなビジネス文書にはどれも日付には重要な意味があるため、吉日は用いません。

書類日付の役割
請求書請求日:締め支払いだった場合、いつの支払いになるのかが明確になる
注文書注文日:同種の注文が多数あった場合、日付順に発送、納品するための基準に使う場合がある
見積書見積日または見積期限日:見積金額の有効期間を定める=期日以降は無効とできる

請求書や見積書において日付は、取引や支払の金額に影響する重要な項目です。また注文日が曖昧な場合、いつまで待っても納品されない可能性もあります。

またこれらの取引は、お祝いごとではなく「約束ごと」です。縁起を担ぐ意味合いがない場合、これらの文書の日付に吉日を用いるのは不適切といえるでしょう。

送付状の日付のルール

ビジネス文書の1つであるため、送付状にはさまざまなルールがあります。主となる書類の詳細な宛先や送付元の情報、同封する書類の種類や部数、必要であれば特記事項など多岐にわたるルールです。

その1つが日付です。ビジネスにおいて書類の送付日が重要になるケースは多いでしょう。ここでは送付状における日付のルールを解説します。

持参時は持参日、郵送時は投函日

送付状の日付は、主となる書類の送付日を表しています。これは書類が「送付元の手を離れる日」といってよいでしょう。つまり書類を郵送する場合は、ポストに投函または郵便局に持ち込んだ日を送付状に記載します。作成したその日に投函するなら作成した日を、翌日に投函するなら作成の翌日を記載するのがマナーです。

また、郵送ではなく直接相手に届ける場合は、持参する日を記載します。なかには「予定通りに投函できるかわからない」という人もいるかもしれませんが、これは逆に「予定日に必ず投函する」ものだと考えるほうが自然でしょう。

日付は一般的に算用数字で書く

一般的なビジネス文書は現在、ほとんどが横書きです。横書きの文書では数字を、算用数字(アラビア数字)を用います。漢数字ではありません。

横書きでは日付を「2023年8月1日」と記します。漢数字で書くと「二千二十三年八月一日」となり、算用数字に比べ判別しにくいでしょう。漢数字での数字表記は、主に縦書きの場合に用いられます。

またパソコンで作成するときは、全角・半角どちらで入力しても構いません。ただし、文書中で両方が混在するのはマナー違反です。全角を用いる場合はすべて全角、半角を用いるならすべて半角に統一するようにしましょう。

ビジネス文書で「吉日」が使用できるケース

送付状に吉日が使えないからといって、すべてのビジネス文書に使えないわけではありません。ここではビジネス文書で吉日が使用できるケースと使い方について考えてみましょう。

使用できるかどうかの判断基準

他の書状と同様ビジネス文書において、最も重視されるのは「受け取った相手がどう受け取るか」に対する配慮です。たとえば、日付が吉日となっていても違和感なく受け入れられるか、用いるにふさわしい縁起を担ぐ書類かどうか、日付が曖昧でも影響がないかといったことを元に判断する必要があります。

もし判断に迷った場合は、Webサイトなどにあるテンプレートを参考にするのもおすすめです。

判断しづらいビジネス文書の例

吉日を用いてよいかどうかを判断しづらいビジネス文書もあります。とくに複数の要素が入り混じるような文書は、判断に迷うかもしれません。

ここでは判断しづらいビジネス文書の例を挙げ、その判断の理由も含めて紹介します。

顧客への文書には「相手がどう感じるか」で判断する

企業にとって顧客は非常に重要です。そのため顧客へ送る文書に吉日を用いるかどうかは、顧客がどう感じるかを入念に検討して判断する必要があります。

たとえば、創立記念日に参加してもらった顧客に送る「お礼状」には、吉日を用いることが一般的です。ただしお礼状は本来、発送日を曖昧にすべきではありません。お礼状には明確な日付を記載し、相手に届くまで時間がかからないよう、早めに投函するのがよいでしょう。

一方、新商品や新店舗の案内状にも、吉日を用いることが多いです。ただし、新商品や新店舗が顧客にとって大きなメリットになる価値を提供できる場合はよいですが、そうではない場合、吉日を使用するかどうかについては慎重に検討する必要があります。

案内する日付との混同を避けるには「◯月」や「◯年春」を使う

ビジネス文書においても、時折、特定の日を選ぶことに違和感や無理がある場面がありますが、それらの日付と混同されないよう配慮が必要です。このようなケースでは、「◯年◯月」や「◯年春(季節名)」などの表現を用いることができます。

これによって、縁起を担ぐ要素を取り入れつつ、特定の日付との混同を避けることが可能です。もし案内の内容が季節や月に関連している場合は、この方法はむしろ効果的といえるでしょう。日付を曖昧に表現する手段は、吉日を選ぶことだけに限らず、状況に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。

吉日を使えるのは和暦?西暦?

ビジネス文書の多くは横書きです。横書きだと日付は算用数字を使うため、吉日を用いる場合は「2023年8月吉日」と西暦で記します。

送付状のテンプレート・ひな形(ワード)

送付状は原則として、届ける相手に見やすくわかりやすい書類である必要があります。しかしまったくのゼロからの作成は、簡単ではありません。そのような場合、以下サイトにあるようなテンプレートを参照するという方法もあります。

テンプレートは、そのまま使うのではなく必要に応じてアレンジして使うのがコツです。欠かせない項目はどれか、よりふさわしい表現を盛り込めないかなど、届ける相手のことを考えながら作成しましょう。

「吉日」は送付状には使わないのが一般的

「吉日」と聞くと、何か喜ばしいイベントやお祝いごとを連想するかもしれません。しかし、文書でこの表現を使用する場合、「◯月吉日」という形式が一般的であり、主にお祝いの案内や招待状に利用されることが多いです。一方で、ビジネス文書ではあまり一般的ではなく、日付の重要性が高い請求書や見積書、送付状などにはあまり見受けられません。

この傾向は当然のことで、吉日を指定する際には日付をあえて曖昧にする意図が含まれており、そのためにビジネス文書にはほとんど使用されません。吉日が使用されるのは、主にお祝い事に関する案内が多く、この表現をどのように受け取るかを注意深く考慮して判断する必要があります。

送付状は、主要な書類に関する情報を相手に分かりやすく伝えるための文書です。重要な取引先などへ送る場合には特に、相手の立場やニーズに配慮して、最適な送付状を作成するようにこころがけましょう。


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