• 更新日 : 2023年8月18日

請求書の訂正-発行側が気をつけたい日付や金額ミス、防止策を解説

請求書の訂正-発行側が気をつけたい日付や金額ミス、防止策を解説

請求書は取引先に対して入金の支払いを求める書類であるため、記載する内容に不備が無いように作成する必要があります。

そこで今回は、請求書を発行する際に気をつけたいポイントを「金額」と「日付」に絞って解説すると同時に、不備があった場合の具体的な訂正方法についても紹介します。

請求書の金額訂正

請求書に記載する金額の間違いとして、

  • 桁数ミス
  • 単価や数量の入力ミス
  • 別の取引先の内容を請求してしまう

などのミスが挙げられますが、ここではお互いの意思表示が合致しなかったために起こり得る「法的な側面」から金額訂正について紹介します。

原則として請求書に記載する金額は、契約成立時に双方が了承した金額となるため、発注書や受注書などに記載された金額が元となることが考えられます。一度発行した発注書や受注書のデータがあれば、そのデータを元に請求書を作成することができるため、金額訂正を行なう余地はないはずです。

しかし、取引金額の小さい案件や作業工程の少ない案件などは、発注書や受注書などの書面で売買契約や請負契約を締結せずに口頭やメールなどで契約が成立してしまうことが考えられます。

契約内容にもよりますが、上記に挙げた売買契約や請負契約は「諾成契約」といって、双方の意思があれば契約が成立する性質があるため、発注書や受注書などの書面が残っていなくても、民法上はお互いの意思表示さえあれば口頭でも契約が成立してしまうのです。

そのため発注書や受注書を介さずに契約が成立した場合は、お互いの意思表示のタイミングにズレが生じてしまうことによって、「言った、言わない」のトラブルに発展することになってしまいます。

具体的には以下のようなやり取りがお互いの意思表示のズレに発展する可能性があります。

  • メールで最終見積書を送付したが、取引先では未読になっている
  • 先方の担当者が不在だったため伝言メッセージとして録音したが、確実に伝達されていない

特にメールやメッセージは履歴として残るだけでなく、時間を気にせず連絡することができるメリットがあるため、金額の絡む内容であったとしても気軽に多用しがちです。

しかし相手がすぐに確認できる状況ではないことも考えられるため、意思表示のタイミングにズレが発生した結果、金額訂正のクレームを受けることに繋がってしまいます。

受発注に伴う契約締結は口頭であったとしても後日書面を作成し双方が確認できるようにするなど、意思表示の合致を確実に行なうようにしましょう。

請求書の日付訂正

請求書を取引先に送付してから入金されるまでの流れは、取引先や取引内容によって異なります。

入金後に商品を発送したり商品到着後2週間以内に入金したりといった個別に支払う方法だけでなく、当月に取引した内容を月末でまとめて翌月末に支払う方法もあります。

後者の場合は、請求書に記載される「請求日」が非常に重要な意味を持ちます。

ここでは請求書に記載する日付によって入金日がどのように変わるのかを解説していきます。

たとえば月末締め翌月末日払いで支払処理している会社へ、

  1. 11月15日
  2. 11月30日
  3. 12月1日

それぞれの請求日で請求書を送付した場合、どのタイミングで入金されるのかをシミュレートしてみましょう。

1の11月15日付けの請求書は11月分として処理され、12月31日に入金されます。

2の11月30日付けの請求書も、1と同様に12月31日に入金されます。

3の12月1日付けの請求書は12月分として処理されるため、翌年1月31日に振込まれることになります。

年度内にどうしても入金して欲しい場合は、1の「11月15日」や2の「11月30日」などの11月の日付で請求書を発行しなければなりません。しかし2の「11月30日」と3の「12月1日」のように請求日付が1日違うだけ月が変わってしまう場合は、入金日が1ヶ月もずれてしまうのです。

機械やシステムなどは単に納品しただけではなく、検収確認を以て「検収日」以降でないと請求できないことがあります。

そのため納品したのは11月30日だったけれど検収確認までに時間がかかってしまい検収日が12月1日になってしまったような場合は、本来であれば12月31日に入金されるものが1ヶ月先の1月31日になってしまうのです。

請求書は訂正ではなく再発行が原則

相手側へ送付する前に請求書の記載ミスが発覚した場合であったとしても、二重線と訂正印で訂正するのではなく、新たに発行し直すのが原則です。

相手側へ送達した後に請求書の記載ミスが発覚した場合は、[請求書(再発行)]というタイトルに訂正するなどして訂正前後の区別がつくようにします。また訂正前の請求データが残ったままの状態であれば、再度請求してしまう可能性も否定できません。

訂正後の請求データを新たに付番し直して履歴が分かるようにする方法や、訂正前のデータそのものを上書きする方法などがありますが、どの方法を選択しても間違えてもう一度請求しないよう細心の注意を払う必要があります。

また、請求書は信書便に該当するため、メール便や宅配便などでは送付してはならないことが「郵便法」や「信書便法」などによって定められています。請求書は必ず普通郵便で送付するようにしましょう。

請求書を訂正するミスを防ぐために

誤った内容の請求書を発行してしまうと再発行が必要です。余計な業務を増やさないためにも、ミスの防止体制を整備しましょう。

代表的な方法はダブルチェックの徹底や、システムの導入による電子請求書への切り替えなどです。それぞれの特徴や導入方法について解説します。

ダブルチェックを徹底する

請求書の記載ミスを防ぐには、確認を複数人で行うダブルチェックの徹底がおすすめです。作成者以外の視点を加えることで本人の気が付かないミスの発見につながります。2人で確認し合うのが一般的ですが、必要に応じて3名によるトリプルチェックも行われます。

よりダブルチェックの精度を高めるためには、クロスチェックや、優先順位を付けての確認などが有効です。他の人にチェックを依頼する際には、確認項目を変える、または確認の順番を変えると、誤記入や記載漏れの発見につながります。1人目は上からチェックをはじめ、2人目は下から確認を進める2人連続双方向型という方法もあります。

請求金額が大きい請求や、社外に影響を与える可能性が高い取引先の場合は、優先的にダブルチェックに回すことを検討しても良いでしょう。中小企業の場合、すべての請求書を複数人で確認するリソースを確保できない可能性もあります。人員を割かずにミスの頻発を防ぐには、必要なときだけダブルチェックを取り入れるのがおすすめです。

請求書発行システムを利用する

請求書の発行ミスは、見間違いや入力ミスのようなヒューマンエラーが大半です。手作業で行われる以上、どれだけ気を付けていても、人為的なミスの発生は避けられません。
請求書発行システムを導入することで、誤記入や記載漏れを防げます。請求書関連の業務は定型的な作業が多いため、ツールの使用によって、大幅な業務効率化につながるでしょう。

従量課金で毎月料金が変動するタイプの請求でも、システム側で請求内容を確認し、自動で請求書に反映されます。取引先ごとに請求書の締め日や発行日が異なる場合も、事前にスケジュールを入力していれば、請求もれの心配はありません。

請求書発行システムのなかには、システム上の操作のみで発行・送信が可能なものもあります。ボタン一つで一括送信ができる場合もあり、印刷ミスや封筒の宛名間違いによる修正の手間はなくなるでしょう。

例えば「マネーフォワード クラウド請求書」では、作成から送付、保管に至るまで一元的に管理できます。請求ごとに「下書き」「送付済み」「入金済み」などのステータスが一覧で表示されます。未入金の残高や内訳も一目で分かるため、請求漏れや記載ミスを防げます。

インボイス(適格請求書)の訂正

2023年10月1日から適格請求書等保存方式が施行されるに伴い、取引先からインボイスの発行が求められる場合があります。従来と同様、請求書の記載事項に誤りがある場合、再発行が必要です。

新たに請求書を作り直すほか、当初の請求との関連性を明示した書類を発行する対応も認められます。ここでは、インボイス(適格請求書)の訂正方法を具体的に解説します。

訂正した請求書を新たに発行する

1つ目は間違った箇所を訂正し、あらためて正しい事項を記載した請求書を交付する方法です。記載事項に誤りがある適格請求書は、仕入税額控除の要件を満たしません。請求書を受け取った買い手側による修正や追記は認められないため、訂正した書類を発行する必要があります。

当初の適格請求書において売上金額と消費税額が誤っていた場合、修正後の事項を含め、すべてを記載した請求書を発行します。

交付を受けた事業者は訂正後の適格請求書のみ保存すれば問題ありません。一方で、交付した側は当初の請求書もあわせて保管することが義務付けられています。

当初の請求書との関連性を明示した書類を発行する

請求書の再発行を行わず、取引先に修正点を明示した書類を送付する方法もあります。書類のフォーマットは特段指定されておらず、修正の旨および修正前後の正誤表を含めるのが一般的です。

書き方が不明な人は、以下を参考にしてください。

〇年〇月〇日送付△月分の請求書について、次のとおり誤りがあったため、修正箇所をお伝えいたします。(正)

売上金額消費税額等
220,000円22,000円

(誤)

売上金額消費税額等
200,000円20,000円

当初の請求書との関連事項を明示した書類の交付を受けた事業者は、適格請求書と合わせて、両方の書類の保存が必要です。訂正した請求書を発行する場合と扱いが異なるため、間違えないよう注意しましょう。
書類に「当初の請求書と合わせて保管願います」というように、一言添えられると親切です。

請求書の記載事項に誤りがあるときは再発行が必要

請求書に記載する金額は、契約成立時の金額がそのまま適用されます。しかし取引先のどちらかが契約成立のタイミングを正しく認識していないと、金額訂正のトラブルに発展する可能性があります。

また、請求書に記載する日付がたった1日異なるだけで、入金日が1か月遅れる場合があります。請求書に誤りがある場合、原則として再発行が必要です。二重線による訂正は認められません。

インボイス(適格請求書)の場合、当初の請求書との関連性を明示した書類を発行する方法もあります。これらのポイントに気をつけて、円滑な取引を心掛けましょう。

よくある質問

請求書の金額で気をつけるべきポイントは?

受発注に伴う契約締結は口頭であったとしても後日書面を作成し双方が確認できるようにするなど、意思表示の合致を確実に行なうようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

請求書の日付で気をつけるべきポイントは?

請求書に記載する日付によって入金日が変わることに注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

請求書の記載ミスが発覚した場合の対応は?

二重線と訂正印で訂正するのではなく、新たに発行し直すのが原則です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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