• 更新日 : 2024年9月18日

請求書の送付状がいらない場合は?付箋でも良い?マナーを解説

一般的に、企業同士の取引で請求書を送付する際は、送付状を同封することが望ましいとされていますが、「必須」ではありません。しかし、請求書に同封する書類がある場合や、ビジネスマナーの観点からも送付状で案内があるとわかりやすく、丁寧な印象を受けます。この記事では、請求書送付の送付状についてさまざまなケースを取り上げて考えます。

請求書の送付状はなぜ必要か

一般に書類の送付状は、企業間のコミュニケーションを円滑にし、相互の誤解やトラブルを未然に防ぐ役割を果たすと言われます。特に請求書に添付する送付状は、請求内容に関するものが多く、送る側・送られる側にとっても確認したい事項が多い書類と言えます。

取引先と信頼関係を築いていくため

機械的で味気ない作業の中においても、請求書を開封して送付状が入っていると、送付元からの丁寧な対応の表れとして受け止められます。

請求書の送付状は、取引先との定期的なコミュニケーションの機会となり、関係性の強化につながる役割を果たすでしょう。誠実さだけでなく、取引に対する真摯な態度が伝わり、長期的な信頼関係の構築を図れます。

書類の送り主や連絡先を知らせるため

請求書の送り状には、送付元の企業名、部署、担当者名を示すため、問い合わせ先の電話番号やメールアドレスをもとに、取引先はスムーズに問い合わせができます。担当者や部署名の変更がある場合も、いつからどのように変更するのかを記載すると取引先も安心できるでしょう。

また、取引先内で別の部署に届いたとしても、送付状の情報によって正しい部署につながります。

送付枚数を知らせるため

請求内容によっては、あるときのみ請求書を複数枚同封したり、請求書と添付資料どちらも複数枚入れたりすることがあります。送付状に請求書や添付資料の正確な枚数を明記しておくことで、書類の過不足を確認できるうえ、受取側の確認作業をスムーズにすることができます。

また、送付状によって請求書の紛失や他の書類の混入リスクの低減を図れます。

請求書の補足説明を加えるため

送付状には、請求書の文面には記載できなかった請求内容や金額についての追加情報や変更点を記載できます。例えば「請求書の書式が変わります」「請求明細の記載方法を変更します」など、取引先が混乱しないように説明を付け加えることが可能です。

また、請求書文面に記載した、支払期限や支払方法の確認について再通知するなど重要事項を強調できます。

請求書に送付状が必要な場合

請求書の送付状はすべての場合に必要なものではありませんが、郵送による場合やFAXにて送信する場合には気を付けたいものです。請求書に送付状を添付したほうが、取引内容についてよりわかりやすくなるでしょう。

郵送の場合

従来は封書で請求書を郵送する際には、送付状を同封するのが一般的なビジネスマナーでした。送付状に記載する項目は、以下のとおりです。

  • 宛名・差出人の情報
  • 日付
  • 簡単な挨拶文
  • 同封書類の内容
  • 部数・補足説明・連絡事項 など

送付状はA4用紙1枚に収めることとし、簡潔で読みやすい文面を心がけましょう。誤字脱字がないように注意して、封入の際には書類の一番上に添えるようにします。

しかしながら、近年では効率化やペーパーレス化の流れもあり、請求書の送付状を省略するケースも増えています。郵送の場合でも、状況に応じて適切に対応するのがよいでしょう。

FAXの場合

電話と異なり、FAXが送信したまま放置されないようにしなければなりません。そのため、請求書をFAX送信する場合には、送信ミスを防ぎ、受信者が内容を把握しやすくするために、FAX送付状を付けるのがおすすめです。

FAX送付状に記載する項目は、以下のとおりです。

  • 宛名・差出人名
  • 日付
  • FAX番号(送信元と送信先)
  • 送信枚数
  • 件名
  • 送信内容の説明
  • 問い合わせ先の連絡先 など

FAXはその他のデジタル文書に比べて低解像度で送信される傾向があるため、やや大きめの文字で記載しましょう。送付状はカバーレターとして使用し、その後に請求書を続けて送信します。

請求書に送付状がいらない場合は?

請求書に送付状が特に必要でない場合として、対面、メールやチャット、オンラインシステムなどのケースが挙げられます。

これらのケースでは、いずれも送付状省略により効率的な取引ができ、時間と労力の節約につながります。ただし、ケースバイケースで状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。

対面の場合

請求書を取引先に持参するときは、通常送付状は不要です。対面でのやり取りにより、請求書の内容や不明点をその場で説明できるためです。対面での手渡しは、その場で確認してもらうこともできるため、よりシンプルで迅速な取引が可能になります。

メールやチャットの場合

事前に担当者同士が、請求書についてメールやチャットで打合せをしている場合には、送付状は不要です。事前のメールやチャットで必要な情報をやり取りできるため、送付状まで作成する必要がないからです。

また、メールやチャットなどのやり取りでは、ファイルの添付も容易であるため、送付状の役割を果たすこともできます。メールやチャットでの対応は即時性が高く、受信者がすぐに内容を確認できるため、送付状作成の手間が省けます。

オンラインシステムの場合

オンラインシステムは、請求書の内容や関連する情報を一元的に管理できるため、送付状の役割をシステム内で代用できます。利用するオンラインシステムにもよりますが、オンラインシステムによる請求処理は、取引プロセスを効率化できており、送付状を作成する手間は不要です。

請求書の送付状の代わりに付箋やメモでも良い?

一般には、ビジネスマナーの観点から、請求書の送付状の代わりに付箋やメモを使うことは推奨されません。例えば同じ会社で本支店間取引がある場合などでは使えるかもしれませんが、一般に、付箋やメモは対外的な伝達手段ではありません。

もともと請求書は正式な企業間取引の書類であるため、送付状においてもそれに見合った丁寧な対応が必要です。送付状には請求内容についての支払い条件、問い合わせ先などの重要な情報が含まれるため、付箋やメモなどの小さな紙片ではこれらの情報を適切に伝えるのが難しい場合があります。

また、付箋やメモは簡単に外れたり、紛失したりする可能性も高いため、請求書にそれらを活用することは注意欠如と思われても仕方ありません。

一方、送付状の空きスペースに担当者からの一言として書き添えて、失礼のない範囲で相手を思いやるのは好ましい方法と言えるでしょう。ただし、その請求書を受け取る相手がわかっている場合に限定されます。

例えば、次のようなひと言メッセージなどはいかがでしょうか?

  • いつもお電話にてご対応いただき、ありがとうございます
  • いつもご利用いただきありがとうございます
  • いつも丁寧にご対応いただき、ありがとうございます
  • 暑い日が続きますが、熱中症にはくれぐれもお気をつけください
  • 決算の季節ですね、お互いに頑張って乗り越えましょう

請求書の送付状の書き方やポイント

送付状の書き方も重厚なものから、簡単なものまでさまざまです。Web上での送付状ひな型などを参照しながら、会社や取引に合った内容にカスタマイズするのがおすすめです。

以下、送付状の各項目における注意点をまとめましたので参考にしてください。

送付状の項目注意点
宛名正確な会社名と担当者名を記載(省略しない)
日付基本的には送付状を作成した日付を明記
件名「請求書の送付について」などと簡潔に記載
挨拶文拝啓などで始まり季節の挨拶を入れることもあるが、簡略的でもよい
本文必要に応じて簡潔に説明する。

請求書のみであれば、「平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。さて、〇月分の〇〇につきまして、下記の通りご請求申し上げます」などとする。

添付書類の確認添付書類がある場合には確認を促すようにする
問い合わせ先担当者名、部署名、電話番号、メールアドレス等を記載
締めの挨拶「ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください」等と記載してもよい
差出人情報会社名、部署名、担当者名

なお、送付状への担当者印や社印は任意です。

請求書や送付状のテンプレート-無料ダウンロード

請求書や送付状を作成する場合、テンプレートの利用をおすすめします。テンプレート利用のメリットとして、時間の節約、一貫性の確保、ミス防止などが挙げられます。下記に紹介するのは特にカスタマイズに制約のないものであるため、個別の要件に柔軟に対応できるでしょう。

請求書と送付状について、いくつかあるテンプレートの中から利用しやすいものを選択してはいかがでしょうか?

ビジネスルールをわきまえた対応を!

請求書の送付状だけでも考えることは多岐に渡りますが、大切なのは請求書だけで、送付状は二の次とは考えないほうがよいでしょう。

一般に、請求書の書面に記載することは決まっており、送付状のように細部を照らすことはあまりありません。

送付状のようなビジネスレターに求められるものは、単なる丁寧さだけでなく、相手の立場や状況に応じて思いやることであり、最終的には信頼関係の構築につながります。単なる事務的なやりとりを超えた、質の高いビジネスコミュニケーションツールとしての送付状を見直してもよいのではないでしょうか?


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