• 作成日 : 2022年4月8日

領収書に収入印紙を貼り忘れると無効?ペナルティは?消印についても解説!

領収書に収入印紙を貼り忘れると無効?ペナルティは?消印についても解説!

紙で発行する領収書は印紙税の課税対象になるため、発行者が領収金額に応じて収入印紙を貼り付け、消印する必要があります。

それでは、本来貼り付けが必要な収入印紙を貼り忘れたとき、消印を忘れたとき、または、このような不備のある領収書を受け取ったときはどうなるのでしょうか。領収書の収入印紙の貼り忘れのペナルティなどについて解説していきます。

領収書に収入印紙を貼り忘れるとどうなる?

領収書に収入印紙を貼り忘れるとどうなる?

上の画像のように、領収書を書面で発行するときは、収入印紙を額面の金額に応じて貼り付け、印鑑などで消印します。

もし、収入印紙を貼り忘れてしまった場合はどうなるのでしょうか。領収書に収入印紙を貼らなければならないケースと、領収書の有効性について解説します。

そもそも領収書に収入印紙を貼る必要があるケースは?

印紙税の対象になる文書のうち、領収書は、第17号文書の「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当します。そのため、売上代金5万円未満の非課税対象になる文書を除き、売上代金5万円以上のものは収入印紙を貼り付けて消印し、納税しなければなりません。

ただし、対象となる領収書は書面で発行するものに限られます。紙で発行されず、電子メールなどでのみ送付する電子領収書は印紙税の対象外となるため、売上代金が5万円以上でも収入印紙を貼り付ける必要はありません。

領収書に収入印紙が必要なケースや収入印紙の金額は以下の記事で詳しく解説していますので、こちらの記事もご覧ください。

収入印紙を貼り忘れても領収書が無効になるわけではない

収入印紙を貼り忘れたら領収書が無効になるのではという不安があるかもしれません。結論からいうと、収入印紙の貼り忘れは領収書自体の有効性に影響はありません。

理由は、領収書には売上代金や発行者、発行日などの必要な情報が記載されており、収入印紙の有無によりその事実が変化しないためです。収入印紙のないものでも領収書としての有効性は保たれます。

収入印紙を貼り忘れた領収書を発行した側のペナルティは?

領収書に収入印紙を貼り忘れても無効にはならないと説明しましたが、ペナルティのようなものはあるのでしょうか。発行した側のペナルティについて解説します。

収入印紙の貼り忘れは違法行為

印紙税法によって、領収書(別表第一の第十七号の課税文書に該当)を含む別表第一の課税物件の欄にある文書は、印紙税を課することが定められています。

また、第五条の規定による非課税文書(領収書の場合は売上代金5万円未満の文書)を除く課税文書は、発行者が印紙税を納める義務があると明記されています。

印紙税の納付時期が成立するのは課税文書の作成時期です。つまり、収入印紙を貼り忘れて発行した場合は、発行者が法律に違反したことになってしまいます。

ペナルティとして発行側に過怠税が課される

収入印紙が必要な領収書に収入印紙を貼り忘れたときは、ペナルティとして印紙不貼付過怠税が課せられます。印紙不貼付過怠税の額は、納付しなかった印紙税額とその印紙税額の2倍の合計額です。つまり、本来の納付額の3倍が過怠税として課されます。※ただし、過怠税の合計額が1,000円に満たないときは1,000円を課税

例)本来貼り付けるべき額1,000円の収入印紙を貼り忘れたときの過怠税
1,000+1,000×2=3,000円(印紙不貼付過怠税)

印紙不貼付過怠税は、故意過失の区別なく課されるものですが、本来は故意で納付しなかった者を対象にするのが適切です。そのため、過怠税の賦課決定を予知していない場合で、作成者が印紙税の未納付を自ら所轄の税務署長に申し出て、その申し出が認められたときは、印紙不貼付過怠税は「納付しなかった印紙税 + 納付しなかった印紙税の10%相当額」に減額されます。

収入印紙を貼り忘れた領収書を受け取った側のペナルティは?

収入印紙が必要な領収書(または請求書)に印紙の貼り付けがないときの罰則は、文書を発行する側にのみ課せられます。文書を受け取る側が収入印紙を貼り忘れた領収書(または請求書)を受領したとしても、特にペナルティはありません。ただし、双方が発行し合う契約書などの場合には双方にペナルティが課されることになるため、注意しましょう。

相手との関係も考えると、必要な領収書(または請求書)に収入印紙がないときは、相手が貼り忘れていることも考慮して、収入印紙がないことをお伝えすることをおすすめします。

領収書の消印を押し忘れた場合はどうなる?

必要な領収書に収入印紙を貼り付けたものの、消印を忘れてしまったり、所定の場所に消印をしなかったりしたときは、文書の作成者に印紙不消印過怠税が課されます。

印紙不消印過怠税は消印しなかった印紙の額面相当額です。すでに貼り付けている印紙税と合わせると印紙税の2倍を納めなくてはなりません。※ただし、過怠税の合計額が1,000円に満たないときは1,000円を課税

収入印紙の有効な消印は、文書作成者などの印章や署名によるもので、かつ収入印紙にかかるよう押印または署名したものです。押し忘れでなくても、所定の方法で消印をしないと消印が無効になり、過怠税が課されますので注意しましょう。

領収書を発行する側は貼り忘れに注意しましょう!

領収書を発行する際に、収入印紙を貼り忘れたり、消印を忘れたりすると過怠税の対象になります。また、収入印紙の貼り付けや消印は「領収書」と明記された文書だけでなく、レシートや「相済」「了」「領収」などと書かれた「お買上票」や「納品書」も対象となります。収入印紙の額が不足した場合も貼り忘れと同じペナルティが課されますので、発行時には貼り忘れや貼り付ける収入印紙の額、消印に注意して発行しましょう。

よくある質問

収入印紙を貼り忘れた領収書は無効になる?

収入印紙を貼り忘れても領収書自体の有効性には影響しないため、無効にはなりません。詳しくはこちらをご覧ください。

領収書に収入印紙を貼り忘れたらペナルティがある?

故意、過失などの理由に関係なく、印紙税の納付義務に違反したことになり、印紙不貼付過怠税が課されます。詳しくはこちらをご覧ください。

領収書に消印を押し忘れたら?

消印の押し忘れは印紙不消印過怠税の対象になり、消印しなかった印紙の額面相当額が課税されます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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