- 更新日 : 2023年6月9日
請求書のファイリング方法は?効率化はできる?

法人や個人事業主は、請求書を一定の期間適切に保管しておかなければなりません。保管方法は、紙の状態でファイリングする方法とデータで保管する方法の2種類に大きく分類できます。
この記事では、ファイリングする場合の分類方法や保管の効率化の手法などを解説します。自社にとってコストや負担の少ない方法で請求書を保管しましょう。
目次
請求書はファイリングなどで保管が必要?
請求書は取引の証拠となる書類の一つで、帳簿と合わせて一定期間保管しておく必要があります。保管の方法には紙での保管とデータでの保管の2種類あり、データ保管はさらに2パターンに分けられます。
それぞれ見ていきましょう。
紙の状態でファイリングして保管
請求書を紙で受け取った場合に一番簡単な保管方法が、原本をそのままファイリングする方法です。保管のスペースは必要ですが、ファイリングするだけであるため手間が少なく済みます。
紙の請求書をスキャンしてデータで保管
紙の請求書をスキャンし、データ形式で保管する方法です。スキャンするにはタイムスタンプの付与や検索性の確保などの要件があり、適切に管理する必要があります。
電子データで送られてきた請求書をデータ保管
2022年の電子帳簿保存法の改正により、メールやインターネット上によりデータ形式で受け取った請求書は、データのままで保管することが義務となりました。これまでデータで受け取ったものを紙に印刷してファイリングしていた方も多いかもしれませんが、今後は認められなくなります。
データ保管の義務化には猶予期間があり、2023年12月31日までは印刷してファイリングする保管方法も認められています。2024年からはデータ保管が完全に義務化されるため、それまでに備えておかなければなりません。
請求書をファイリングして保管する方法
請求書の保管は、専用のファイルや閉じ紐を利用しておこなうのが一般的です。綴じたあとで見やすいように、整理や分類をして誰が見てもわかるような形で保管するといいでしょう。
ただし、電子データで受け取ったものを紙に出力してファイリングすることは今後認められなくなります。
支払い済み請求書の分類
ここからは、請求書の具体的な分類方法について見ていきましょう。
まずは、支払い済みのものと未払いのものは区別しておきます。支払い済みの請求書は、分類方法に沿って整理して保管しましょう。主な分類方法は3つあります。それぞれ見ていきましょう。
取引先ごとにまとめる
同じ取引先の請求書を一つのファイルにまとめてファイリングする方法です。取引先の数だけファイルが必要になりますが、請求金額の推移がわかりやすいことや、過去の取引をさかのぼりやすいなどのメリットがあります。
請求月ごとにまとめる
請求書を請求月ごとにファイリングする方法です。その月にかかった経費や仕入額を把握しやすいメリットがあります。ファイリングの順番は、取引先名の五十音順や顧客番号の順など、後から見やすいように並べましょう。
支払月ごとにまとめる
同じ月の請求書でも、取引先によって支払いのタイミングが異なる場合はあります。「いつの経費や仕入額か」ではなく、「いつ支払いを行ったか」によってファイリングすることもひとつの方法です。同じタイミングで支払ったものを把握しやすいメリットがあります。
請求書の保管を効率化する方法
請求書を効率的に管理するには、電子化してパソコンに保管する、クラウド上で保管するという方法があります。電子化によってデータに変換して保管するメリットには、以下のものが挙げられます。
- 保管場所が不要
- 紛失のリスクを軽減できる
- 紙代やインク代などのコストを削減できる
- 検索性が高く効率化につながる
紙で受け取ったものはスキャンし、電子取引で受け取ったものはそのままデータ形式で保管します。クラウド上で保管する場合は専用のサービスが必要な場合もありますが、会計ソフトにデータ保管の機能が付いている場合もあるため、一度確認してみましょう。検索性の条件を満たせば、パソコン上でも保管できます。
請求書は適切に保管しよう
請求書は、取引の証拠となる重要な書類です。税務調査が入った際に必要であるため、一定期間は適切に保管しましょう。紙をファイリングする場合もデータ形式で保管する場合も、種類ごとに整理して保管すればあとから確認しやすくなります。自社の状況に合った方法で適切に保管しましょう。
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