• 作成日 : 2023年1月20日

請求書に関連する法律は?法的効力や有効期限、保存期間など解説

請求書に関連する法律は?法的効力や有効期限、保存期間など解説

ビジネスにおいて日常的に使う文書の1つに「請求書」があります。しかし、請求書は契約書とは異なり、また見積書や発注書とも異なる文書です。それゆえ、日常的に使っていても、有効期限や、保管期間などが判然としない部分があるかもしれません。以下では、請求書の法的効力や法律との関係を解説します。

請求書に関連する法律まとめ

まず、請求書に関係する法律としては、主に以下のものが挙げられます。

請求書の法律上のポイントは、大きく2つあります。
1つは、契約上のリスクヘッジです。請求書は、代金の支払いを相手方に請求する書面です。取引関係があることや、商品やサービスの提供が行われたことなどを証明するために請求書が有用なので、支払いに関して相手方とのトラブルが生じた場合に備えて発行しておいた方が良いものになります。法律上、請求書の有効期限は5年とされています(民法166条1項1号)。

もう1つは、税金徴収との関係です。課税事業者は、売上にかかる消費税から仕入れにかかった消費税を差し引いて計算することで、消費税の二重課税を解消できる仕入税額控除の適用を受けられるため(消費税法30条)、請求書を受け取る側にも重要な書面です。特に2023年10月から導入される適格請求書等保存方式(インボイス)との関係では、請求書の保存が重要となります。また、請求書の保存期間は、適用される法律によって年数が異なります。

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請求書の発行義務はある?

法律上は請求書の発行義務はありません。しかしながら、発行者側についてはリスクヘッジ、請求書を受け取る側については消費税の仕入税額控除制度との関係で、請求書が発行されていた方が便利です。
請求書に記載しておいた方が良い項目は、国税庁がホームページで提示しています。ここで示されている項目は、仕入税額控除の適用に際し、消費税法30条第1項に挙げられている要件が基になっています。

参考:No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた|国税庁

請求書に記載すべき内容

法律上の理由から、請求書に記載すべき内容は一定程度の決まりがあります。
請求書に記載が必要な項目は以下の通りです。

  • 請求者の名前
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 取引金額
  • 請求書の交付を受ける事業者名

なお、請求書の詳しい書き方については、以下の記事を参照してください。

請求書の有効期限は5年間

請求書の発行義務はないものの、発行すれば法的効力が認められます。
請求書は、取引があったことを証明する手段として有効な書面です。たとえば、取引の相手方が「代金の請求を受けていない」などと主張した際に、取引の存在を証明する証拠の1つとなります。
請求書の有効期限は5年です(民法166条1項1号)。これは請求書が債権の一種を示すものであり、債権の消滅時効が5年とされていることによります。
もっとも、債権の消滅時効が一律に5年とされたのは2020年の民法改正によるものですので、施行前(2020年3月以前)に生じた取引についての請求書の有効期限は、改正前民法の規定する2年となります。

支払いが行われない場合の対処法

請求書を送付したにも関わらず、期日までに支払いが行われない場合、基本的には相手方にメール等で確認、催促状の送付、督促状の送付と、段階的に支払催促を行います。
さらに重要なのは、有効期限との関係です。先述の通り、請求書の有効期限は5年間です。また、内容証明郵便による支払督促を送付することで、さらに6ヶカ月間有効期限を延長できます(民法150条1項)。

保存期間はケースによって変わる

請求書については、各税法上、保存義務が課せられています。請求書は証憑書類の性格を有しており、取引の重要な証拠書類として法的効力があるためです。もっとも、その保存期間については、法人か個人事業主か、またどの法律が適用されるかによって異なります。
法人については、当該事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から数えて7年間とされています(法人税法施行規則67条2項)。
個人事業主は、原則としては確定申告の提出期限から5年間(所得税法63条)ですが、消費税課税事業者の場合は7年間(消費税法施行規則50条)とされています。
いずれも起算日は確定申告の提出期限であって、有効期限の起算日と異なる点に注意が必要です。

なお、請求書保存期間の詳細については、以下の記事を参照してください。

適格請求書等保存方式(インボイス制度)の概要

仕入税額控除については、2023年10月より新たな制度が導入されます。それが、適格請求書等保存方式(インボイス制度)です。
適格請求書等保存方式の導入によって、請求書の記載方法に変化が生じます。端的に言うと、適格請求書発行事業者の登録を行った上で、請求書には登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額等を追加して記載しなければならなくなります。適格請求書発行事業者の登録を行うと、免税事業者であっても課税事業者になる点は特に注意が必要です。

なお、制度の詳細については、以下の記事で解説しています。

インボイス制度の導入で記載事項が変わる場合も

請求書は法的に発行が義務付けられているものではありません。しかし、発行する側からするとリスクヘッジのために、また受け取る側からすると仕入税額控除の適用を受けるために重要な書面となります。
また請求書は、発行をすると、有効期限や一定期間の保存義務などで法的な拘束力が生じます。
請求書の発行に際し、税制面との関係で記載すべき事項がありますが、2023年からはインボイス制度が導入される関係で、これまでよりも記載事項を増やすべきことに注意が必要です。
テンプレートなどを活用して、正確かつ効率よく作成・管理することが重要となります。

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よくある質問

請求書の発行は法律で義務付けられている?

請求書の発行は法律上は義務付けられていませんが、リスクヘッジや税法との関係で発行しておいた方が良い書面です。詳しくはこちらをご覧ください。

請求書の有効期限は法律で定められている?

請求書の有効期限は消滅時効との関係で5年とされていますが(民法166条1項1号)、内容証明郵便による督促状の送付で6カ月の期限延長が認められます(民法150条1項)。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:高橋龍二(税理士)

1957年、山形県尾花沢市生まれ。1982年、税理士試験合格。1987年、税理士登録。2022年、税理士法人伊藤・高橋事務所を開設し、代表社員税理士となる。日本税理士会連合会理事、東北税理士会副会長、東北税理士会山形県支部連合会会長。多くのクライアントとともに、地方において豊かに暮らしていくことを目指している。

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