- 更新日 : 2024年10月17日
請求書に適した用紙や封筒のサイズは?
ビジネスに欠かせない請求書には、さまざまなタイプがあります。企業にとって重要な書類であるため書式やサイズ、紙質まで指定されている場合もあります。そのため、何を使ってもよいわけではありません。
また、請求書は先方の事情にも配慮して選ぶことが大切です。ここでは請求書に適した用紙やサイズを、その理由も踏まえて解説します。
目次
請求書を印刷する用紙のサイズは?
請求書は、相手に支払ってもらうお金を示す書類であることから、取引先に失礼のないように作成しなくてはなりません。紙で提出する場合は、印刷に用いる用紙のサイズにも注意する必要があります。
ここでは、ビジネスにおける請求書の用紙サイズについて解説します。
請求書の用紙はA4サイズが一般的
請求書や納品書、契約書といった書類のサイズには、法律や規則といったルールはありませんが、最も一般的なのはA4サイズです。これは1993年に厚生労働省から「各省庁で使用されるすべての行政文書の規格をA4とする」という指針が定められたためだといわれています。
それまで官公庁は日本独自の規格であるB判を主に使っていました。しかしサイズの混在による混乱を減らすため、その頃から民間で広く使われていた、国際規格でもあるA判に統一したそうです。
ただしA判は国際規格ではありますが、たとえばアメリカやカナダ、メキシコでは独自の規格であるレターサイズが多く用いられています。ビジネスで用いられる用紙のサイズは、国や地域によって異なることが一般的です。
B5サイズ、A5サイズも使用されている
国内でやり取りされる請求書の多くはA4サイズですが、B判やA5サイズが使われないわけではありません。もともと請求書のサイズに関する決まりはありません。今もB判やA5サイズをメインに用いる企業はあります。
現に規格がA4サイズとされたのは、請求書や見積書といった一般的にやり取りされる書類が主であり、地図や写真、許可証は対象外とされました。今も折りたたみ地図などはB5サイズで販売されていることが多いのはそのためです。
しかしながら、ビジネスで使用する書類は発行側の都合だけでなく、交付相手の事情にも配慮すべきでしょう。取引先から「B5サイズで」と求められれば、できる限り意向に沿うよう努めたいものです。
請求書を印刷する用紙の選び方
ビジネスにおいては、パソコンを使って請求書を作成することが多いでしょう。紙で提出する場合は、プリンターで印刷することになります。予算を考慮すれば、できるだけコストのかからない用紙を選びたいものです。
ここでは請求書の印刷に使われる用紙の種類と特徴、また選ぶ際のポイントや注意点を解説します。
請求書の印刷に使われる代表的な用紙の種類
通常、請求書を含めたビジネスで作成する書類は、次の3つのうちいずれかの用紙を用います。
- コピー用紙(普通紙):PPC(Plain Paper Copier=普通紙複写機)用紙とも呼ばれる、最も一般的な用紙
- 上質紙:化学パルプ配合率100%の用紙で、文字程度ならキレイに再現できるが、インクがにじみやすいため写真には不向き
- 再生紙:上質紙にくらべ白さの劣るコピー用紙だが、環境への配慮として使用する企業が増えている
コスト面で見ると、コピー用紙(普通紙)が最も安価で、上質紙、再生紙と高くなることが一般的です。
では、用紙を選ぶ際にコスト以外のどのような点を比較すべきか、それぞれ解説します。
長期保存に適した用紙を選ぶ
請求書はビジネスにおいて重要な書類の1つです。そのため法人税法などの法律により、一定期間の保存義務があるため、作成するときは長期保存にも耐えられる用紙を選ぶ必要があります。これは請求書だけでなく、契約書や領収書、見積書などの証憑書類全般が対象です。
保存期間は法人で原則7年間、個人事業主でも短くて5年間ですが、この期間は書類の発行日からではなく、当該事業年度の確定申告の提出期限翌日を起算日とします。
さらに保管する取引先に配慮し、原則の7年間ではなく、可能であれば10年以上の保管に耐えられる用紙を用いたいものです。
発行数によってはプリンター選びも重要
印刷に用いる用紙を選ぶときは、使用するプリンターも適切なものを選ぶ必要があります。現在多くの請求書印刷で使用するプリンターは、次の2種類です。
- インクジェットプリンター:インクの微粒子を紙に噴射するプリンター。画像など精細な印刷に向いているが、印刷に時間がかかる
- レーザープリンター:感光体にトナー粉末を付着させ、紙に押しつけて印刷するプリンター。文字がにじまず、印刷スピードが速い
それぞれの印字のしくみから、大量の請求書の白黒印刷ならレーザープリンターをオススメします。インクを使わないため、用紙も比較的安価なコピー用紙(普通紙)を使えるのもメリットです。
しかし請求書の枚数が少なく、時間がかかっても構わなければ導入時の費用が安いインクジェットプリンターを選ぶのもよいでしょう。
このように請求書の用紙は、発行する枚数やかかる時間から選定したプリンターに合うものを選ぶ必要があるのです。
請求書を郵送する際の封筒は?
用紙のサイズが決まったら、郵送するための封筒もそれに合うものを選ばなくてはなりません。取引先に送るため、その色や表記、書類の入れ方も重要です。
ここでは、作成した請求書を郵送する際の封筒にまつわる注意点を解説します。
請求書を郵送するときのマナー
請求書を封筒に入れるときは、次の2点がマナーであると言われています。
- 請求書の折り方は文面が内側にくるよう三つ折りにする
- 送付状を添える
三つ折りするときは、まず書類の下から折り返し、そのあと上から下に折ります。これは先方が書類を開くとき、書類の頭にある「ご請求書」の文字が最初に目に入るようにするためです。
またビジネスでは書類を郵送するとき、送付状を添えるのもマナーです。送付状は、請求書同様三つ折りにして、請求書の上に重ねて封筒に入れます。
封筒のサイズ
A4サイズの請求書を入れる封筒として一般的なのは、三つ折りでぴったり収まる長形3号サイズか、折らずに入れられる角形2号サイズの2つです。
折らずに入れる角形2号サイズでの郵送でも、送付状は必ず添付します。角形2号は書類を保護するためクリアファイルに入れても入るサイズです。契約書や金額の大きな請求書や領収書など、クリアファイルに入れておくべきものは角形2号の封筒を使うとよいでしょう。
封筒の色
封筒の色にも特にルールはありません。茶封筒でも問題はありませんが、一般的なのは、やはり宛名や差出人が際立って読みやすい白色か薄い青色です。また通常、請求書を郵送するときは封筒に「請求書在中」と記入して四角で囲み、開封前でも中身が分かるようにします。
封筒に比較的薄い色が適しているのは、封筒に記載する文字をはっきり見せるためです。色によっては、宛名などが読みにくくなり誤送の可能性もあるので、文字が読みづらくなる色は避けた方がよいでしょう。
封筒に記載する内容
送付する封筒では、表面に宛先、裏面に差出人情報を書きます。宛先を書くときの主な注意点は、次の通りです。
- 住所はビル名や階数、部屋番号まで書く
- 会社名や組織名は正式名称を書き、株式会社を(株)とするなど省略しない
- 敬称は、宛先が法人名までなら「御中」、担当者個人名宛なら「様」
宛先で名称を間違えてしまうと、受け取った側は良い印象を受けないでしょう。誤字や書き損じにも十分注意する必要があります。
裏面の差出人を書くときは、中央の継ぎ目をまたぐように、継ぎ目の右に住所、左に企業や組織名、部署名、個人名を書きましょう。
請求書のテンプレート・ひな形
請求書に記載する必要があるのは、次のような項目です。
- 請求番号
- 日付:請求書の発行日付
- タイトル:「御請求書」(他に「ご請求書」「請求書」など)
- 宛先:企業名・部署名・担当者名 など
- 請求者情報:上から郵便番号・住所・企業名や組織名・部署名・担当者名 など
- 請求金額・消費税:必要に応じて金額の内訳や品名、数量、単価なども記載
- 振込先
特にルールが決められているわけではないため、必要な情報が記載されていれば問題はありません。ただ、国税庁Webサイトでは、請求者の氏名や名称、請求日、取引内容、税込の合計金額、宛先情報の記載が推奨されています。これらは、最低限記載が必要な項目と考えるとよいでしょう。
「マネーフォワード クラウド請求書」では、上記の項目を含んだ請求書のテンプレートを無料で提供しています。下記リンクからテンプレートをダウンロードできるので、ぜひ活用ください。
請求書のサイズは取引先も含めて実用的なものを選ぼう
請求書は、取引について正当に請求できる金額を取引先に知らせるための書類です。パソコンなどを使って作成することが一般的で、印刷する場合は用紙のサイズに規定がありません。
ただし、通常は多く用いられているA4サイズで作成し、材質も義務である長期間の保存に耐えられるもの、さらにいえば取引先の方針や慣習に配慮した形式である必要があるでしょう。郵送するなら封筒も、サイズや色について配慮する必要があります。
請求書のサイズは、取引先の事情をも踏まえた実用的なものを選ぶことが大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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