• 作成日 : 2023年2月3日

領収書の金額を漢数字にする理由は?経費の書き方を解説

領収書に金額を記載する際、日常的に使うアラビア数字(算用数字)ではなく漢数字を使うケースもあります。この記事では領収書の金額に漢数字を使う理由と、具体的な書き方についてまとめました。算用数字を使うときのルールについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

領収書の金額を漢数字にする理由は改ざんを防ぐため

領収書の金額を漢数字にすることがあるのは、改ざんしづらくするためです。例えば「¥50,000」と記載すると、¥と5の間に1を入れるだけで「¥150,000」となり、本来の金額より10万円も多くなってしまいます。

一方、漢数字で「金伍萬圓也」と書いた場合は、数字を割り込ませることが難しく、改ざんしづらくなります。漢数字で記載するルールを覚え、改ざんされづらい領収書を作成しましょう。

【漢数字】領収書の金額の書き方

漢数字とは一般的に、一、二、三などの数字を漢字表記したものを指します。しかし領収書の漢数字は少し特殊で、より改ざんしづらい表記をします。

漢数字の「一」について、考えてみましょう。領収書に記載する場合、棒を1本足すだけで「二」にも「十」にもなるため、改ざんされやすいと考えられます。そこで領収書の際には「壱」と記載し、他の漢数字に改ざんしづらいように工夫します。

領収書に漢数字を記載する際は、以下の表を参考にしてください。

アラビア数字(算用数字)漢数字
1
2
3
4
5五、伍
6
7
8
9
10
100百、佰、陌
1,000千、仟、阡
10,000

法律で定められている「大字」とは

領収書で用いる漢数字を「大字(だいじ)」と呼びます。大字は、法律関係の文書でも使われることが多いです。

例を挙げると、商業登記規則の第48条では「縦書きをするときは、「壱、弐、参、拾」の文字を用いなければならない」と定められています。戸籍法施行規則第31条でも、「年月日を記載するには、壱、弐、参、拾の文字を用いなければならない」と大字を指定しています。

法律で定められている大字は、壱・弐・参・拾の4つのみです。伍・佰・萬・圓などの他の大字は、用いなくてはいけないというものではありません。

数字の頭に「金」をつける

大字を使って領収書を記載するときには、金額の前に「金」を入れます。

このようにすることで、数字の桁を増やしづらくできます。例えば金を省いて「壱萬圓也」と書くときは、その前に数字を足して「伍佰壱萬圓也」などと書くことが可能です。

しかし「金壱萬圓也」と記載されていれば、壱の前に漢数字を割り込ませることが難しくなります。

数字の末尾に「也」をつける

大字を使って領収書を記載したときは、金額の後に「也」を入れておくと、金額を足しにくくなります。

例えば「金壱萬圓」と書くと、その後に数字を足して「金壱萬圓、金伍萬圓也」と金額を増やす可能性も想定されるでしょう。しかし「金壱萬圓也」と記載すると、これ以上数字を加えられなくなります。

【算用数字】領収書の金額の書き方

算用数字で領収書の金額を書くときも、ルールがあります。書き方を知っておくことで、改ざんしづらい領収書に仕上げましょう。

金額は3桁ごとにカンマを入れる

3桁ごとにカンマを入れると、数字を足しづらくなります。

例えば、「1000000」とある場合は「10000000」と「0」を1つ加えても、気付きづらいでしょう。しかし「1,000,000」とカンマを入れておけば、数字を足しづらくなる上、読み間違いも減らせます。

数字の頭に「¥」を、末尾に「-」を入れる

金額の書き加えをなくすために、頭には「¥」末尾には「-」を入れます。100万円であれば「¥1,000,000-」と書くと、数字を前後に加えにくくなります。

手書きの領収書は金額に注意しよう

手書きで領収書を作成するときは、改ざんできないように注意が必要です。漢数字・算用数字ともにルールを守るようにしましょう。

改ざん防止のため、電子化を検討してもよいでしょう。取引先から信頼を得るためにも、正確かつ信用できる領収書を発行することが大切です。

よくある質問

領収書の金額を漢数字で表記することがあるのはなぜですか?

改ざんしにくくするために漢数字(大字)で表記することがあります。商業登記規則や戸籍法施行規則などの法律でも、壱弐参拾での表記を指定していることがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

領収書の金額として「100万円」はどのように書くのが適切ですか?

漢数字であれば「金壱佰萬圓也」や「金壱百万円也」と記載できます。算用数字であれば「¥1,000,000-」と記載します。詳しくはこちらをご覧ください。


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