• 更新日 : 2023年9月1日

領収書がもらえない場合の経費精算はどうする?対処法と代用書類を解説

領収書がもらえない場合の経費精算はどうする?対処法と代用書類を解説

物を買ったりサービスを受けたりして、その際の支出を経費として認めてもらうためには領収書が必要です。ただし、代金を支払ったお店や会社から領収書がもらえないこともあります。その場合はどう経費精算をすればいいのでしょうか?

この記事では領収書がもらえなかった場合の対処法や、領収書の代わりとなる代替書類についてご紹介します。

領収書がもらえない場合とは?

領収書をもらえない例としてまず挙げられるのは、レシートで領収書を代用しているケースです。税法上では領収書は「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」という扱いになります。金銭や有価証券の受理を証明するためには支払い先や領収書が発行した日付、支払った金額や明細が記載されている必要がありますが、実はこれらが記載されているレシートも領収書と同じ扱いになるのです。実際にレシートに「領収書」と書かれているケースもあります。そのため、レシートを発行していれば、わざわざ領収書を発行する必要はないのです。

単純に発行し忘れているケース、渡し忘れているケースもよくあります。いつもきっちり領収書を発行してくれているお店や会社が領収書を渡してくれなかった場合は、なんらかの理由でこうしたミスが発生したと考えられます。

また、これはあってはならないことですが、相手が脱税を考えているケースも挙げられます。法人税や所得税の額は利益の額によって決まるため、売上を減らせば支払う税金も減らすことができます。特に現金商売をしているお店や会社の場合、売上があったことを隠すために領収書を発行しないケースもあるようです。

他にも電車やバスなどの運賃を支払ったとき、自動販売機で物を買ったとき、ご祝儀や御香典を支払ったときなど、領収書が発行されないケースは多々あります。

領収書が発行されない場合はどう経費精算する?

経費精算を行う場合、領収書がなくても支払いがあったことを証明できるものがあれば問題ありません。レシートを受け取っている場合はこれを領収書代わりにすることができます。他にも以下のようなものが代替書類として使えます。

  • 請求書
  • 納品書
  • 注文受領連絡などのメール
  • 出金伝票
  • クレジットカードや電子マネーの利用明細
  • 公共交通機関のICカードの利用履歴
  • ETCの利用明細
  • 結婚式や葬儀などの案内状

領収書を紛失した場合、再発行は可能?

領収書を含め受領証書の発行は民法第486条では、下記のように規定されています。

弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。

引用:e-Gov法令検索|民法

つまり、お客(弁済者)は商品やサービスを購入したお店や会社(弁済を受領する者)に領収書の発行を求めることができ、お店や会社側はそれに応じる必要があるのです。

ただし、再発行については特に規定はありません。お店や会社は再発行に応じることもできれば断るという選択をすることも可能です。原則として領収書は1回の取引につき1枚のみ発行します。複数枚発行する「二重発行」を行うことで、架空請求や脱税などの不正行為に使われるリスクがあるため、再発行に応じない事業者も少なくありません。

また、取引から時間が経過している場合は記録やデータが残っていないため、再発行に応じるのは難しくなってしまいます。

基本的に領収書をなくしてしまった場合、あるいは代金を支払った際に領収書が発行されたにも関わらず受け取らなかった場合は再発行を受けられる可能性は低いと考えておいたほうが無難です。

領収書の再発行ができない場合の対応策

領収書の再発行が受けられなかった場合、領収書が発行されなかった場合と同様にレシートや請求書、納品書やメール、クレジットカードの明細、ICカードやETCの利用履歴などで、取引があった事実とその内容を証明する必要があります。

なお、出金伝票を利用するのも手です。出金伝票とはその名の通り出金があった際に、その内容を記録しておく伝票です。これによって領収書がなくても経費として認められる可能性があります。

領収書をなくした場合の注意点

領収書をなくした場合は、可能な限り取引の内容(日時、購入した商品やサービスの詳細、金額、代金を支払った相手の名称)をメモしておきましょう。これをもとに出金伝票を作成することで経費として認められる可能性があります。

領収書を自分で作成するのは絶対にやめましょう。社内から不正を疑われて問題に発展する、税務署から脱税を疑われる可能性がある、私文書偽造罪として刑事罰が科せられるなど、さまざまなリスクがあります。

どうしても領収書がなくて取引の証明ができない場合、取引の内容が思い出せない場合は、自腹で負担するのもやむを得ません。これをいい教訓として、次回からは領収書の管理をしっかりするようにしましょう。

領収書がもらえない場合でも経費として認めてもらう方法はある!

領収書がもらえなかった場合、あるいは紛失してしまった場合でも、経費として認めてもらう手段はいくつかあります。しかしながら、代替書類はどうしても代金を支払った際に受け取る領収書(レシートも含む)と比較すると証拠力が低くなってしまいます。

お店や会社に代金を支払い、それを経費として計上しようと考えているのであれば、必ず領収書やレシートを受け取り、紛失しないよう保管しておくことが大切です。


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