• 更新日 : 2024年9月6日

封筒と用紙の重さで郵便料金はどれくらい変わる?料金の目安も

郵便料金は、重さによって料金が変わります。サイズが定形郵便の範囲でも、総重量がオーバーすると規格が変わって料金が高くなるため、注意してください。2024年10月から郵便料金が値上がりするため、料金の目安を確認しておきましょう。

本記事では、郵便料金について、封筒のサイズや重さごとの目安、値上げに対する対策などを紹介します。

郵便料金(切手代)は重さで決まる

郵便料金は、重さによって料金が変わる仕組みです。サイズが定形郵便の範囲に収まっていても、総重量がオーバーすると規格が変わり、料金が高くなります。

郵便物を送るときは封筒や用紙、クリアファイル、はがきなどの重さの目安を把握しておくことで総重量がわかり、適性に封筒選びができます。コスト削減につながるでしょう。

それぞれの重さの目安は、次のとおりです。

封筒
  • 長形3号:4.7g
  • 角形2号:16.7g
用紙
  • A3サイズ:8g
  • A4サイズ:4g
  • B5サイズ:3g
クリアファイル20~25g
はがき
  • 通常はがき:2~6g
  • 往復はがき:4~12g

重さを事前に知っておけば、窓口に持参して料金を確認する手間がありません。郵便切手を貼ってポストに投函するだけで済みます。業務の効率化につながるでしょう。費用の計算も簡単になり、予算の計画をしやすくなります。

封筒の種類と重さの目安

封筒には長形(なががた)・角形(かくがた)・洋形(ようがた)の3種類があり、それぞれのサイズで重さや郵便規格が変わります。封筒の重さは、紙質によっても前後します。

ここでは、封筒の種類ごとのサイズや重さをみていきましょう。

長形封筒

長形封筒は、縦の長さが横の長さの2倍以上ある縦長の封筒です。和封筒とも呼ばれ、幅広く利用されています。A4・B4サイズの用紙を折りたたんで入れることが多く、ほとんどのサイズが定形郵便で送れるのが特徴です。

サイズや重さの目安などは、次のとおりです。

名称サイズ(mm)重さの目安(g)郵便規格用紙の入れ方
長形1号142×332 9定形外B4横3つ折り

A4縦2つ折り

長形2号119×2776定形外A4横3つ折り

B5縦2つ折り

長形3号120×2355定形A4横3つ折り
長形4号90×2053定形B5横4つ折り
長形5号90×1852.8定形A5横3つ折り

B5横4つ折り

長形40号90×2253.4定形A4横4つ折り

角形封筒

長形より横幅があり、正方形に近い封筒です。A4サイズなどの用紙を折らずに送れるため、契約書や履歴書など、折り目をつけられない書類を送るときに利用されます。ほとんどが定形外郵便になり、郵送料が高めになるのが特徴です。

サイズや重さの目安などは、次のとおりです。

名称サイズ(mm)重さの目安(g)郵便規格用紙の入れ方
角形0号287×38225定形外B4
角形1号270×38224定形外B4
角形2号240×33215定形外A4
角形3号216×27714定形外B5
角形4号197×26710定形外B5
角形5号190×2409定形外A5
角形6号162×2297定形外B6

洋形封筒

横長で長辺に封入口がある封筒です。洋封筒とも呼ばれ、主に横書きで使います。開口部が広く、カードや写真などを入れるのに便利です。招待状や案内状などに使われることが多いでしょう。

サイズや重さの目安などは、次のとおりです。

名称サイズ(mm)重さの目安(g)郵便規格用紙の入れ方
洋形0号235×1206定形A4横3つ折り
洋形1号176×1204.5定形カード・はがき
洋形2号162×1144定形カード・はがき
洋形3号148×983定形B5十字折り
洋形4号235×1055定形A4横3つ折り
洋形5号217×954定形A5縦2つ折り
洋形6号190×984定形B5横3つ折り

用紙の種類と重さの目安

用紙の重さも把握しておきましょう。A4・B5用紙について、枚数ごとの重さの目安は次のとおりです。

枚数A4用紙の重さ(g)B5用紙の重さ(g)
1枚43
3枚129
5枚2015
8枚3224
10枚4030
30枚12090
50枚200150

封筒の重さにもよりますが、A4であれば約11枚、B5であれば約15枚まで定形郵便物(50gまで)で送れます。

紙の重さはあくまで目安であり、紙の種類・質によって変動します。

郵便料金が値上げに【2024年10月1日より】

郵便料金は、2024年10月1日より値上げされます。主な金額の変更は、次のとおりです。

種類重量料金(9/30まで)料金(10/1以降)
定形郵便物25g以内84円110円
50g以内94円
はがき63円85円
定型外郵便50g以内120円140円
100g以内140円180円
150g以内210円270円
250g以内250円320円
500g以内390円510円
1kg以内580円750円
速達250g以内260円300円
1kg以内350円400円
4kg以内600円690円

重量ごとに金額が変わりますが、定形郵便物の封書は25g以下と50g以下の重量区分がなくなり、ともに110円となっている点に注意が必要です。

その他の郵便料金については以下の記事をご覧ください。

定形郵便料金内の重さに入る用紙の枚数の目安

定形郵便物は2024年10月1日から50gまで110円で統一されます。定形の料金内で送れる封筒・用紙の枚数について、一例をみていきましょう。

長形3号封筒・A4用紙の場合

長形3号は、一般的に多く利用されている封筒です。重さは約5gで、1枚4gのA4用紙は横3つ折りで入ります。

この例で定形郵便物の料金内に入る重さの目安は、以下のとおりです。

A4用紙の枚数合計の重さ(g)

(封筒5g+4g×枚数)

旧料金

(25gまで84円・50gまで95円)

新料金・110円
1枚984円110円
2枚1384円110円
3枚1784円110円
4枚2184円110円
5枚2584円110円
6枚2995円110円
7枚3395円110円
8枚3795円110円
9枚4195円110円
10枚4595円110円
11枚4995円110円

A4用紙は、11枚までであれば定形で発送できます。旧料金では5枚までであれば安く発送できましたが、新料金では料金が一律になります。

長形3号封筒・B5用紙の場合

1枚3gのB5用紙を入れる場合、定形郵便物で送れる枚数の目安と料金は、以下のとおりです。

B5用紙の枚数合計の重さ(g)

(封筒5g+3g×枚数)

旧料金

(25gまで84円・50gまで95円)

新料金・110円
1枚884円110円
2枚1184円110円
3枚1484円110円
4枚1784円110円
5枚2084円110円
6枚2384円110円
7枚2695円110円
8枚2995円110円
9枚3295円110円
10枚3595円110円
11枚3895円110円
12枚4195円110円
13枚4495円110円
14枚4795円110円
15枚5095円110円

B5用紙は、15枚まで定形で発送できます。旧料金では6枚まで安く発送できましたが、新料金では15枚まで料金が110円に統一されます。

定形外郵便料金内の重さに入る用紙の枚数の目安

定形外郵便物の規格内では、1kgまでの郵便物を送れます。

ここでは、角形2号封筒(240×332mm・15g)を例に、枚数ごとの重さの目安と料金をみていきましょう。

角形2号封筒・A4用紙の場合

角形2号封筒は、A4サイズを折らずに入れられます。用紙を保護するため、クリアファイルに入れて送付することが一般的です。

クリアファイルの重さの目安を25gと考えた場合、角形2号封筒に、クリアファイルとA4用紙を入れたときの枚数・重さ・料金は以下のとおりです。

A4用紙の枚数合計の重さ(g)

(封筒15g+ファイル25g+4g×枚数)

旧料金新料金
1枚44120円200円
15枚100140円220円
20枚120140円220円
25枚140140円220円
50枚240250円350円
52枚248250円350円
100枚440390円510円
115枚500390円510円
240枚1000580円710円

角形2号封筒・B5用紙の場合

角形2号封筒で、1枚3gのB5用紙を入れる場合、定形外郵便物の規格内で送れる枚数の目安と料金は、以下のとおりです。

B5用紙の枚数合計の重さ(g)

(封筒15g+ファイル25g+3g×枚数)

旧料金新料金
1枚43120円200円
15枚85120円200円
20枚100140円220円
36枚148210円300円
70枚250250円350円
153枚499390円510円
320枚1000580円710円

郵便料金値上げに伴う年間コストは?

2024年10月1日からの郵便料金の値上げに伴い、大量に郵送を行っている企業では、大幅なコスト増が見込まれます。

25g以下の定形郵便物について、通数ごとの年間想定支出は以下のとおりです。

年間の発送数(通)年間の郵送料

(値上げ前)

年間の郵送料

(値上げ後)

増加コスト
1,0008万4,000円11万円2万6,000円
2,00016万8,000円22万円5万2,000円
3,00025万2,000円33万円7万8,000円
5,00042万円55万円13万円
10,00084万円110万円26万円

毎月大量にDM(ダイレクトメール)発送などを行っている企業では、数百万円のコスト増になるケースもあるでしょう。

郵便料金の値上げに対する事業者の対策例

企業では、毎月数多くの郵便物を発送しています。請求書納品書などの書類、カタログや会報誌、新規開拓のためのDMなど、多くの郵送物が値上げによる影響を受けるでしょう。

2024年10月の値上げを控え、対策を考えている事業者も多いでしょう。

ここでは、郵便料金の値上げに対する対策例を紹介します。

ペーパーレス化を考える

郵便料金の値上げに対する対策としてあげられるのが、電子化によるペーパーレス化の促進です。これまで紙で作成してきた請求書など取引関係の書類を電子化することで、郵便料金を削減できます。

郵便料金だけでなく用紙代・印刷代などのコストや、発送作業にかかる手間も減らせます。紙の書類を廃止すれば保管の場所を確保する必要もなくなり、管理の手間も削減できるでしょう。

大量に印刷・発送する

マーケティング戦略としてDMの発送を継続したい場合、大量印刷・発送することでコストを抑えられます。

たとえば、郵便局では、1,000通以上の発送で「バーコード割引」、2,000通以上の発送で「広告郵便割引」といった割引制度を設けています。

印刷会社でも、大量の注文で単価が安くなる割引を設けているところが多いでしょう。

郵便区内特別郵便物を利用する

配達エリアを管轄する郵便局に郵便物を持ち込み、送料を安くできる「郵便区内特別郵便物」を利用する方法もあります。

集配郵便局ごとに定められている配達区域内のみで引き受け・配達を行う郵便物であれば、同時に100通以上差し出すなどの条件を満たすことで、割安な料金で発送できます。

同じエリアに大量の郵便物を発送するときは、大幅なコスト削減が可能です。

発送の依頼先を検討する

DMなど大量の郵便物を発送するときは、依頼先を日本郵便以外で検討することも必要です。ヤマト運輸や佐川急便などの民間会社でもメール便を扱っているため、数量と金額を比較し、自社の場合はどこが一番お得か検討してみるとよいでしょう。

地域限定で配布するダイレクトメールであれば、宛名なしのポスティングを行う業者に依頼する方法もあります。

郵送物のサイズ・情報量を見直す

郵送物のサイズや情報量を見直し、郵便料金を抑える方法もあります。封書を圧着はがきに変更したり、定形外郵便物を定形サイズに変更したりすることで、郵便料金を下げることが可能です。

また、郵送物にQRコードを入れてデジタルカタログや動画にアクセスしてもらえば、郵便物に封入する印刷物を減らし、郵便料金を抑えることができるでしょう。

宛名リストを定期的に更新する

郵便料金を節約するためには、無駄な郵送物を減らすことも大切です。宛名リストを定期的に見直し、顧客の住所変更や転居などの情報を更新していきましょう。

不着で戻る郵便物の発生を防ぐことで、郵送コストを削減できます。

宛名リストの管理には、CRM(顧客管理システム)の導入もおすすめです。顧客情報を一元管理して定期的にメンテナンスすることにより、効率的なDM発送ができます。

発送作業の自動化を検討する

郵便料金の値上げを期に、発送作業の見直しを検討することも必要です。ルーティン作業に時間やコストがかかっている場合は、宛名印字や封入の作業を自動化するシステムを導入することで、業務の効率化とコスト削減を実現できます。

大量の郵便物の発送作業を自動化できれば、人件費の削減とともに、品質向上も期待できるでしょう。

郵便料金は重さの目安を把握しておこう

郵便料金は、重さによって料金が変わる仕組みです。封筒や用紙、ファイルなどの重さを把握しておくことで、郵便料金の目安をあらかじめ確認できます。

2024年10月からは郵便料金が値上げされるため、いつも送っている郵便物の料金がいくらになるのか、事前に確認しておいてください。コストの大幅な増加が予想される場合、対策も検討しておくとよいでしょう。


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