• 更新日 : 2023年8月18日

見積書の小計・合計・総計って?違いや書き方について解説

見積書の小計・合計・総計って?違いや書き方について解説

見積書において小計・合計・総計の正しい使い分けについて、疑問に思った方は少なくないでしょう。どれも似たような言葉に思えますが、役割や意味は違います。

請求項目が多いときには、大小関係を考慮してグルーピングすると効果的です。今回は見積書を作成する際の小計・合計・総計について、意味や違いを解説します。

見積書における小計と合計の違い

「計」には何かの合算という意味があり、請求書や見積書では小計や合計などの単位が使われます。見積額を単に「計」としか記載しないと、定義が曖昧で何を示しているか分かりません。まずは「小計」と「合計」の違いや使い分けについて解説します。

小計とは?

小計とは、一部の項目をグルーピングして合算した金額です。全体をいくつかにカテゴライズし、その中の数字を足し合わせて算出します。

つまり、小計は一部分の金額しか示しておらず、合計の算出は別に必要です。

見積書は人件費や諸経費、制作費など複数の項目を合わせるのが一般的でしょう。小計でグルーピングした場合、見やすさと分かりやすさが向上します。

身近で分かりやすい小計の活用例がレシートです。レシートには、パンやおにぎりなど各商品の単価の合計が小計に記載されています。その下に消費税額が記載され、消費税を足し合わせた金額が合計として表示されています。

小計欄を見やすくする方法

小計欄は1枚の見積書で何回も出てくる場合がある項目です。取引先が読みにくいと感じないように、見やすくする工夫が必要です。

たとえば、小計欄ごとに色を分ける方法もあります。見積書はExcelなどで作ることが多く、セルの操作で簡単に色分けできます。

小計とは別に「中計」を使用するのも可です。文字通り、中項目は中間の合算額を示す言葉です。より細かくグルーピングでき、項目が多岐にわたるときには、見やすくする効果があります。

中計は後述する「合計」と合わせて使う場合もあります。小計<中計<合計というように層を形成するのが基本的な使い方です。

合計とは?

合計とは、小計同士、もしくは小計と何かを合算した金額です。2つ以上の数値を合わせて算出したものを意味します。

たとえば、日常の買い物で受け取るレシートには、商品単価と消費税の合算額を合計として記載するのが一般的です。

1日の売上を小計、1週間の売上を合計というような区分も考えられます。グルーピングの仕方は、任意で変更してもかまいません。

見積書の総計(総合計)とは?

見積書では小計や合計のほか、総計(総合計)を使用する場合もあります。こちらは、合計よりさらに大きな括りでまとめた金額です。

合計と総計の間に、大きな意味の違いはありません。一緒に使われるときは、小さなグループには合計、大きなまとまりには総計を使用します。

総計は内訳が膨大な数に及び、かつ見積書の枚数が複数枚にわたる場合に適した項目です。1枚ごとに合計額を記載し、最後のページに合計額を足し合わせて総計と書き入れます。

小グループ=小計、中グループ=合計、大グループ=総計とすると、整理されて見やすい見積書になります。

総計と似た概念の言葉に「累計」もありますが、こちらは積み重ねた数字、累計額という意味合いが強い言葉です。

総計は各項目の合算を示すのに対し、累計は1月分・2月分・3月分というように、別々の見積もりを合算する場合に使われます。累計は見積書の作成時には使われない言葉です。

見積書の小計・合計・総計の書き方

見積書の小計・合計・総計の書き方や具体例を解説します。

たとえば塗装工事一式を請け負う場合、仮設工事や補修工事、塗装工事など複数の費目に分かれるのが一般的です。工程ごとの費用を集計し、グルーピングして積み上げます。

品目や単価、数量などは小計のなかに含め、最初や最後のページに消費税率を加算した額を合計額として記載します。見積書における実際の使い方は、下記を参考にしてください。

〈1枚目〉

名称仕様・規格数量単位単価金額
仮設工事1.080,000
補修工事1.023,000
塗装工事1.0100,000
【合計】203,000
【消費税】20.300
【総計】223,300

〈2枚目〉

名称仕様・規格数量単位単価金額
仮設工事
 仮設足場100.050050,000
 養生費100.030030,000
【小計】80,000
補修工事
 下地補修1.015,000
 高圧洗浄80.01008,000
【小計】23,000
塗装工事1.0
 鉄部、木部、雨樋〇〇ペイント100,000
【小計】100,000

上記はあくまで抜粋で、実際には見積書が冊子のように何十枚に及ぶ場合もあります。エクセルで小計ごとに、SUM関数を指定するのは大変です。小計を含む表を扱う際には、SUBTOTAL関数を導入すると効果的です。

特定のセルを計算の対象から除外できる機能で、SUM関数のように、いちいちセルを指定する必要がなく、小計や総計を効率的に算出できます。

フィルターをかけて絞った数字だけを計算すればよいため、便利です。見積書の内容が複雑になるほど、SUBTOTAL関数は威力を発揮します。

関数の定義は「=SUBTOTAL(集計方法,集計範囲)」です。集計方法は11種類が決められ、対応する数字を入力することで、関数が機能します。たとえばAVERAGE関数の1を設定すれば、集計範囲内の平均値が算出されます。

SUBTOTAL関数では、表内の見えている数値のみを計算対象に入れることが可能です。オートフィルターやテーブル機能と組み合わせて、計算したい項目にしぼって求める結果を得られます。

慣れるまでは苦労するかもしれませんが、自由自在に操れるようになれば、時短が実現します。

見積書は特に指定のフォーマットがあるわけではありません。しかし、記載項目に漏れがないよう注意は必要です。最低限、宛名や品目名、単価、数量などは記載しましょう。

見積書の記載項目や適切な書き方が知りたい場合は、以下のページをご確認ください。

見積書のテンプレート・ひな形

見積書を複数の取引先に提出する場合、書類の作成に多大な工数がかかります。エクセルのテンプレートを使用することで、入力の手間やミスが減少し、業務効率化に寄与するでしょう。

見積書のテンプレートはネットを使えば、無料で入手可能です。選び方としては小計や合計が分かれており、表が見やすいタイプを推奨します。見積書は契約の可否を判断する重要な書類でもあるため、詳細が分かるシンプルなフォーマットが適しています。

見やすいもの、かわいらしいものなど、デザインや入力項目はさまざまです。見積書の書式にこだわりたい人は、以下をご参照ください。

見積書は小計欄を活用して見やすく工夫しよう

見積書の作成では、合計以外にも小計を設けることで、項目を分かりやすく整理できます。項目数が多いときをはじめ、必要に応じて、総計を取り入れるのも効果的です。すべて一括りに「計」とだけ表記すると、何を意味しているか分からず混乱を招くため、避けましょう。

見積書はインターネット上で、手軽にテンプレートをダウンロードできます。無料で利用できるフォーマットを活用して、業務効率化や時短につなげましょう。


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