- 更新日 : 2022年12月21日
翻訳家の請求書の書き方について
派遣サービスを行う会社に所属せずに、個人事業主(フリーランス)として生計を立てる「翻訳家」は、翻訳業務が完了したら、その報酬を得るために請求書を発行し請求先に渡す必要があります。翻訳家が記載すべき請求書の基本的事項や、特に注意した方が良い点について説明します。
翻訳家の仕事とは
翻訳家の仕事は、さまざまな種類の文章を日本語から外国語、外国語から日本語へと変換する仕事です。文芸やノンフィクションなど日本語の文章の美しさを求められる出版翻訳、映画やドキュメンタリーなどの映像翻訳に従事する人を「翻訳家」、主に専門性の高い文献やマニュアルなどを取り扱う産業翻訳に従事する人を「翻訳者」ということもあります。ビジネスとして多数を占めるのは後者ですが、その分野はコンピューター、工業技術、経営管理・財務、医学・薬学、特許関連、契約書など多岐にわたります。
翻訳料金は、例えば以下のような方法で計算されます。
または、外国語に翻訳された原稿用紙枚数(1枚400字)×単価(1枚あたり○円)・外国語の単語数×単価(1単語あたり○円)
翻訳家を派遣する会社に所属せずにフリーランスの翻訳家として仕事をしている場合、業務が完了したら、取引先に対して請求書を発行しましょう。次の項から、請求書の基本的な書き方を見ていきます。
請求書の基本的な書き方
請求書は、翻訳業務という役務の提供に対する対価を取引先に請求するための書類です。請求書は翻訳業務に対する報酬額や支払期日などを取引先に知らせる役割を担っています。まず、請求書の書き方を説明する前に、翻訳家の場合のサンプルをご覧ください。
(サンプル請求書)
(参照:請求書|マネーフォワード クラウド請求書)
請求書の書き方の注意点
翻訳家の請求書を作成する際には、以下の点に注意をする必要があります。
請求書の品目の書き方
翻訳家の請求書の品目は「翻訳料」として、その根拠となる計算方法を記載します。他の案件と取り違えられることのないよう、取り扱った書類のタイトルなども明記しておく必要があります。
インターネットや電子辞書などを利用して気軽に翻訳できるようになったことから、翻訳料金の基準は昔とは変わってきていますが、翻訳対象の専門性や難易度、緊急の案件かどうかなどで、追加料金を支払ってもらうべき状況もあります。追加料金が発生するときは、請求書の書き方が変わることもあります。品目に、翻訳料とは別に「特急料金」として追加しましょう。ただし、受注した後にトラブルになることがないよう、翻訳料金についてはしっかりと話し合っておくことをお勧めします。
また、内訳には軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。
翻訳料は源泉徴収税の対象になる
翻訳家の業務に対する報酬は、源泉徴収税の対象になります。請求書にて示した金額から、源泉徴収税が控除されて支払われることになります。源泉徴収に関する知識がないと「約束した金額が支払われていないと」思いこみ、取引先にクレームをつけたり、不要な問い合わせによって担当者に手間を取らせたりしてトラブルになることもありますので注意しましょう。
まとめ
このように、翻訳家の請求書の書き方には注意すべき点がいくつかあります。翻訳料金の計算方法は「文字単位」「原稿用紙の枚数単位」と細かいため、受注する前に必ず確認しておきましょう。さらに、支払時期、振込手数料や消費税などの支払条件についても、取引先と認識のズレがないようにしておくことが大切です。トラブルがなく仕事を行うために、正しい請求書の書き方を身につけましょう。
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