• 更新日 : 2023年12月7日

イラストレーターの納品書の書き方

イラストレーターの業務は、依頼者からの注文を受けてイラストを作成し、出来上がりに対して依頼者の承諾を得た時点で完了します。

依頼者の承諾を得られない際には修正が必要となり、場合によってはまったく違うものを作成しなければならなくなったり、キャンセルになったりすることもないとは言えません。

イラストを描くという才能を評価されるクリエイティブな仕事である反面、ビジネスとして成立させるためには依頼者とのコミュニケーションも重要になります。特に、報酬を得るには依頼者の承諾を得たかどうかがポイントになります。

依頼者の意思の確認という作業を「見える化」してくれるのが納品書です。納品書の書き方次第で、進行管理の記録がわりにもなり、また作業実績を証明することも可能になります。

そんなイラストレーターの味方になってくれる納品書の書き方についてみていきましょう。

イラストレーターは、出版社やデザイン会社、広告代理店に就職するケースもありますが、フリーランス(個人事業主)として働く人の多い職業でもあります。

フリーランス(個人事業主)にとって依頼主の承諾を得ることは、報酬を請求できる段階へ進むことを意味します。つまり、イラストの納品という事実確認ができる書類があれば、請求作業の正当性が裏打ちされるというわけです。

では、イラストレーターの納品書の書き方を見ていく前に、どのような場面で納品書が必要になるかを押さえておきましょう。

イラストレーターの仕事の流れ

フリーランス(個人事業主)でイラストレーターを営んでいる場合の仕事の流れを想定してみましょう。

1.イラストの依頼を受ける
2.詳細をやりとりし、依頼者の要望を確認する
3.要望に沿ったアイデアを盛り込んでラフ(見本)を作成する
4.ラフ(見本)に対して依頼者の意見を反映する
5.実際のイラストを作成する

出来上がったイラストを依頼者に渡せば依頼された業務は完了、であれば納品書を起こさずに請求書で用事は足ります。しかし、イラストレーターの業界では、すんなり終わらないことも多いようです。

ラフ(見本)を見て修正や確認をしていても、実際に作成された完成品を見ると違う印象を受けたり、別のアイデアが浮かんだりします。そうした依頼者の要望に対応しなければならないことが多いのも、フリーランス(個人事業主)のイラストレーター業界にはよくあることです。

そこで活用したいのが納品書です。

まず、ラフ(見本)の確認・修正を受けて完成させたイラストを納品する際に納品書を添付します。修正の依頼があれば、その依頼に沿って完成させたイラストを納品する際に、修正したものであることを明記した納品書を添付します。

このようにすることで、修正依頼がどの時点で何回あったかの記録となり、最終的に依頼者が承諾した際の請求内容に反映するための交渉資料にすることもできます。

また、修正の依頼が重なると、発注時に指定された納期に遅れるケースも出てきます。その際にイラストレーター側では納期を守っていたことを証明する資料にもなってくれるのが納品書です。

イラストレーターの納品書の書き方で必要な明細

イラストレーターの納品書では、依頼者に依頼内容を伝える書き方が必要になります。具体的には「イラスト一式」のようにまとめるのではなく、発注の際の名目に対応した明細と数量を明記するようにします。

納品日

前述のように、イラストレーターの納品書では納品日が重要になることもありますので、受け渡しの正確な期日を明記します。書き方は納品書の納品日欄のほか、納品日が数日に渡った場合にはそれぞれの明細欄に期日を記載しておきます。

源泉徴収

イラストレーターへ対価を入金する際には、入金する側の源泉徴収が必要になります。

納品書は請求書の代わりにはならないので、源泉徴収まで記入する必要はないと思う人もいるでしょう。しかし、請求内容が納品書どおりであることを示すためにも、源泉徴収額を入れた書き方のほうが汎用性は高いと言えるでしょう。

イラストレーターの納品書の書き方

WEB用に男女のキャラクターのシチュエーション別のイラストを5点依頼されたとします。修正依頼があり、2回目の納品書の場合です。

イラストレーター_納品書_例

まとめ

イラストレーターの分野でもデジタル化が進み、ほとんどがデータのやり取りになっているようです。メールの添付でデータをやり取りすれば、送信記録が納品書の代わりになるかもしれません。しかし、取引の証拠として公に認められる証憑書類にはならないのが実情です。

依頼者からの問い合わせにもきちんと対応できる納品書を発行すれば、不要なトラブルを回避することができます。また、進行管理にも活用でき、業務の信用度を高める効果も期待できます。つまり、納品書の書き方をマスターすることは、イラストレーターとしてのグレードアップも可能になるということです。


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