• 更新日 : 2024年9月9日

配達記録(特定記録郵便)の郵便料金はいくら?書留との違いや出し方も解説

2024年10月の郵便料金の値上げでは、配達記録(特定記録郵便)の料金や配達記録を付加できる定形郵便の料金などが対象となります。値上げによりどのような影響があるのでしょうか。この記事では、配達記録(特定記録郵便)の新旧料金や利用方法などを紹介します。

配達記録(特定記録郵便)とは?

配達記録とは、郵便局で提供されている「特定記録郵便」のことです。郵便局で引き受けの記録を残せるほか、配達状況の確認ができます。配達の際には、受取人の郵便受けに配達されます。

配達記録は特定記録郵便に

「特定記録郵便」は、2009年3月1日より開始されたサービスです。「特定記録郵便」が新設される以前は、「配達記録郵便」という類似サービスが存在していました。配達記録郵便は、特定記録郵便の新設にともない、2009年2月28日をもって廃止されています。

配達記録郵便では受取人側で受領印の押印または署名が必要だったものが、特定記録郵便への移行で不要になりました。

利用できる郵便物の種類

特定記録郵便は、受取人の郵便受けに郵便物を投かんされます。そのため、ポスト投かんができる郵便物で利用ができます。対象は、以下の通りです。

・手紙(第一種郵便物)
・はがき(第二種郵便物)
・定期刊行物(第三種郵便物)
・学術刊行物など(第四種郵便物)
・ゆうメール
・心身障がい者用ゆうメール

利用されるシーン

特定記録郵便は、以下の郵便物の配達に利用できます。

納品書
請求書
・会報誌
・通信教育用郵便物
・学術刊行物
・雑誌
・書籍
・CDやDVD
・金具で閉じられたカレンダー
・栽培用の植物種子

など

ECサイトから発行する納品書の送付、定期発行の刊行物の送付、オークションの商品発送などでの利用が考えられるでしょう。料金受取人払もできるため、法人が顧客から書類を回収したいときにも活用できます。

【2024年10月から】配達記録(特定記録郵便)の郵便料金はどれくらい値上げする?

郵便料金は、2024年10月1日から値上げされます。

以下の表は、値上げ対象になっている主な郵便物の、値上げ前の料金と値上げ後の料金の比較表です。

郵便物の種類2024年9月30日まで2024年10月1日以降
特定記録郵便160円210円
はがき63円85円
定形郵便25g以内84円110円
50g以内94円
定形外郵便(規格内)50g以内120円140円
100g以内140円180円
150g以内210円270円
速達250g以内260円300円
1kg以内350円400円

出典:「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります(郵便局)」をもとに作成

配達記録(特定記録郵便)は、160円から210円の値上げになります。

例えば、25g以内の定形郵便を特定記録郵便として出す場合、値上げ前であれば244円(特定記録郵便160円+定形郵便84円)で利用できますが、値上げ後には320円(特定記録郵便210円+定形郵便110円)になるということです。

配達記録(特定記録郵便)と簡易書留との違い

特定記録郵便のように、郵便局での引き受けを記録できるサービスとして書留があります。書留のうち簡易書留は、一般書留よりも安価な価格で実損額を補償するサービスです。

特定記録郵便と簡易書留では、補償の有無が異なります。特定記録郵便には損失の補償はありません。一方、簡易書留は届かないなどの実損があったときに5万円まで補償があります。

また、特定記録郵便と簡易書留では、受取人の受取方法にも違いがあります。特定記録はポストに投かんするのに対し、簡易書留は対面での受け取りが必要です。

さらに、特定記録郵便が土日・休日の配達をしていない(速達と配達日指定郵便を除く)のに対し、簡易書留は土日・休日の配達が行われています。そのため、特定記録郵便よりも簡易書留の方が早く配達される可能性があります。

配達記録(特定記録郵便)の郵便料金・早見表

特定記録郵便を利用した場合、どのくらいの料金が発生するのでしょうか。

以下の表は、特定記録郵便が利用できるサービスのうち、よく使われるサービスである第一種郵便物(定形郵便・定形外郵便など)に特定記録郵便のサービスを付加した場合の、2024年9月30日までの料金と、同年10月1日以降の新料金との比較表です。最大で220円の値上げになることがわかります。

郵便物の種類2024年9月30日まで2024年10月1日以降
料金特定記録合計料金特定記録合計
定形郵便25g以内84円160円244円110円210円320円
50g以内94円254円
定形外郵便50g以内120円280円140円350円
100g以内140円300円180円390円
150g以内210円370円270円480円
250g以内250円410円320円530円
500g以内390円550円510円720円
1kg以内580円740円750円960円

出典:「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります(郵便局)」をもとに作成

配達記録(特定記録郵便)の出し方、手順

配達記録は、以下の手順に沿って利用します。

  1. 郵便局備え付けの「書留・特定記録郵便物等差出票」に差出人や受取人の情報を記載する。
  2. 郵便局の窓口に郵便物とともに書留・特定記録郵便物等差出票を提出する
  3. 郵便料金を支払う(料金受取人払を除く)
  4. 引き受け記録として受領証を受け取る
  5. 配達

郵便局で郵便物の引き受けがあった後に、郵便追跡サービスで郵便物を追跡できるようになります。

配達記録(特定記録郵便)にオプション料金を追加する方法

特定記録郵便には、「速達」や「配達日指定」のオプションサービスを加えることもできます。

速達

速達は、郵便物やゆうメールを早く送りたいときに便利なサービスです。特定記録郵便と併用して利用する場合は、郵便物と特定記録郵便の料金の合計額に、以下の表の金額を加算した金額が必要です。

「速達」として郵便物を送るときは、縦長の郵便物の場合は右上部に、横長の郵便物の場合は右側に赤線を引いて差し出します。特定記録郵便と併用して利用する際には、郵便局の窓口に持っていきます。

郵便物の種類2024年9月30日まで2024年10月1日以降
速達250g以内260円300円
1kg以内350円400円
4kg以内600円690円

出典:「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります(郵便局)」をもとに作成

配達日指定

配達日指定郵便は、配達日を指定できるオプションです。特定記録郵便と併用して利用する場合は、郵便物と特定記録郵便の料金の合計額に、下記の配達日指定郵便の料金が加わります。配達日指定郵便は、指定する日付が土日や休日にあたるかどうかで料金が異なります。

配達日指定郵便を利用する場合は、郵便局に備え付けてある「配達日指定シール」を郵便物に貼り付けなくてはなりません。シールに配達日を記入して、郵便局の窓口に差し出します。

郵便物の種類2024年9月30日まで2024年10月1日以降
配達日指定郵便土曜・日曜・休日210円270円
上記以外32円42円

出典:「変更前後の料金の一覧(郵便局)」を基に作成

配達記録が残るその他の郵便・料金

特定記録郵便のほかにも配達記録が残るサービスがあります。以下は、国内向けの配達記録の残るサービスと料金の一覧です。

サービス名料金サービスの特徴
2024年9月30日まで2024年10月1日以降
一般書留480円~480円~引き受けから配達までの過程を記録して実損額も補償するサービス
現金書留480円~480円~現金送付専用の一般書留
簡易書留350円350円引き受けと配達を記録して実損額5万円まで補償するサービス
レターパックライト370円430円全国一律料金で受け取りは対面
レターパックプラス520円600円全国一律料金で受け取りは郵便受け
レタックス440円~570円~祝電や弔電の代わりにシーンに合わせたメッセージを当日のうちに送れるサービス
配達時間帯指定郵便330円~440円~午前・午後・夜間の3区分から配達時間帯を指定できるサービス
ゆうパケット250円~250円~1kgまでの小さな荷物をポストから送れるサービス
クリックポスト185円185円ネットで運賃の決済ができる全国一律料金のサービス

サービスによって、引き受けや受取方法、配達できる荷物は異なります。例えば、料金設定が安価なクリックポストは、洋服など小さな荷物を送るのに適しているものの、信書や現金は送れません。信書を送る場合は、特定記録郵便のほか、書留やレターパックなどを利用するのがよいでしょう。このように、サービスによって向き不向きがあるため、料金以外に、配達可能な範囲なども確認されることをおすすめします。

配達記録(特定記録郵便)の郵便料金値上げにともなう年間コストは?

2024年10月1日からの郵便料の値上げでどのくらいのコスト増になるのでしょうか。個人が定形郵便(25g以内)+特定記録郵便を年10回利用した場合と、法人が定形郵便(25g以内)+特定記録郵便を年600回(月50回)利用した場合で増加する年間コストを比較してみます。

(例)個人が定形郵便(25g以内)+特定記録郵便を年10回利用した場合
値上げ前:244円(84円+160円)×10=2,440円
値上げ後:320円(110円+210円)×10=3,200円
⇒年間760円のコスト増になります。
(例)法人が定形郵便(25g以内)+特定記録郵便を年600回利用した場合
値上げ前:244円(84円+160円)×600=146,400円
値上げ後:320円(110円+210円)×600=192,000円
⇒年間45,600円のコスト増になります。

郵便料金の値上げに対する事業者の対策例

値上げによる年間コストの変化でも取り上げたように、特定記録郵便の利用が多い事業者ほどコスト増の影響を受けます。ここでは、郵便料金の値上げに対して事業者ができる取り組みを紹介します。

電子メールを利用する

対策のひとつは、請求書や納品書などの一部書類の郵送を電子メールによる送付に切り替えることです。例えば、Excelなどで作成したデータをPDFに変換して送付する方法があります。PDFにして送付するのは、データの改ざんを防止するためです。改ざんしにくいPDFファイルにして送ることで、リスクを低減できます。

一方、電子メールは操作ひとつで簡単に送付できてしまうため、メールアドレスの誤りや添付ファイルの誤りによる誤送信が起きやすい問題もあります。電子メールに切り替える場合は、誤送信防止のための対策も必要です。

電子請求書を取り入れる

電子請求書を利用することで、電子データの請求書を、クラウドや専用のシステムなどを使って送付できます。利用するツールによっては、システム上で請求書の作成や管理ができるほか、電子帳簿保存法に対応しているツールであれば電子データのまま保存もできます。

電子請求書を利用するコスト面でのメリットは、郵送のためのコストだけでなく、紙に出力するコストがかからないことです。電子帳簿保存法対応のツールであれば保管コストも削減できます。また、電子請求書の送付方法によっては誤送信も防止できます。

配達記録(特定記録郵便)の値上げに向けた対策を

2024年10月1日以降に適用される郵便料金の新料金では、配達記録(特定記録郵便)の値上げが予定されています。なお、特定記録郵便は定形郵便などに付加できるサービスのため、定形郵便や定形外郵便などの値上げの影響も受けます。郵便料金の値上げにより年間コストの大幅な増加が見込まれる場合は、電子メールや電子請求書などの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

 


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