• 更新日 : 2024年10月18日

行政書士の請求書テンプレートと書き方のポイントを紹介!

行政書士は、行政手続きに関する専門家であり、法律文書の作成や提出代行などを行います。行政書士が「請求書」を使用するタイミングは、依頼された業務が完了し、その対価として報酬を請求する際です。

例えば、遺言書の作成、会社設立の手続き、各種許認可申請などのサービスを提供した後、行政書士はクライアントに対して請求書を発行し、自身の業務に対する費用を明記して報酬を求めます。請求書には、提供したサービスの内容、報酬額、支払い条件などが記載されます。

当記事では、行政書士の方向けに、行政書士ならではの請求書の書き方のポイントと、行政書士向けの無料テンプレートを紹介します。

行政書士の請求書を書く際のポイント・注意点

行政書士の業務内容は多岐にわたり、個人と事業者のどちらも顧客となりえます。依頼のパターンが多いため、請求書もそれぞれの場合に合わせてわかりやすく作成する必要があります。場合によってはインボイス制度源泉徴収への対応も必要です。以下では、行政書士が請求書を発行する際に注意すべきポイントを紹介します。

請求書の明細はわかりやすく記載する

行政書士の業務範囲は広範であるため、一人の顧客から複数の依頼を受けることもあるでしょう。そのため、請求書の内容はわかりやすく記載する必要があります。

行政書士の請求内容は以下のような例が挙げられます。

  • 相談料
  • 調査料(資料による調査や実地調査など)
  • 書類作成料
  • 図面作成料
  • 書類作成の添削指導
  • 許認可や届出の手続き代行料
  • 証明書類の取得代行手数料
  • 日当(事務所外で業務をする場合)
  • 着手金・前払金(確定した報酬と相殺)

それぞれの請求内容が具体的に何を指すのかを明確にするために、内容や年月日、書類の種類がわかるように記載しましょう。

加えて、行政書士が立て替えておき、あとから請求を行う以下のようなものもあります。

  • 官公庁へ支払う申請手数料
  • 交通費(訪問相談など)
  • 宿泊費(遠方や夜間の訪問相談など)
  • 証明書交付手数料(住民票や登記事項証明書などを代理取得する場合)
  • 郵送費用

これらの明細を細かく記入して区別することで、透明性が高くわかりやすい請求書になるでしょう。

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個人の顧客が多い場合はインボイス制度の影響は少ない

顧客が法人や個人事業主であれば、インボイス制度の影響を受ける可能性が高いです。消費税の課税事業者が仕入にかかった消費税を控除するためには適格請求書(インボイス)が必要です。そのため、主な顧客が事業者であるならば、適格請求書発行事業者の登録をしておく方が有利になるでしょう。

しかし、顧客が一般の個人であれば、事業者とは異なり消費税の計算が不要であるため、インボイス制度の影響は少ないものです。事業者と同様に個人の依頼内容も幅広く、以下のものが挙げられます。

  • 遺言書作成に関する調査
  • 遺言書作成に関する助言・指導
  • 公証役場出の手続き・証人としての役割
  • 遺産分割協議書や相続人関係説明図などの書類作成
  • 相続に関する調査
  • 農地転用の許可申請
  • 農地の売買に関する許可

こうした依頼の顧客であれば、インボイスの発行が求められることは少ないでしょう。

源泉徴収は基本的に不要

士業と呼ばれる仕事の中には、報酬の支払いを受ける際に源泉所得をしてもらわなければならないものがあります。所得税法第204条によると、源泉徴収の対象者として弁護士や司法書士などは含まれているものの、行政書士は含まれていないため、源泉徴収をしてもらう必要はありません。

ただし、建築基準法6条などに定められている、一定の条件の建物を建築する場合に必要な「建築に関する申請若しくは届出」は建築代理士の業務に含まれるため、源泉徴収が必要とされています。ただし顧客が法人の場合に限り、一般の個人の場合であれば源泉徴収は不要です。

参考:国税庁 行政書士に報酬を支払った場合

行政書士向けの無料請求書テンプレート(インボイス制度対応)

行政書士向けの無料請求書テンプレート

行政書士向けの請求書エクセルテンプレートは、こちらのダウンロードページから無料でダウンロードできます。品目・単位などは、あくまでサンプルで簡易的・汎用的に入力していますので、ご自身の業務に合わせて適宜カスタマイズしてみてください。

ダウンロードはこちら

免税事業者向けのシンプル・汎用的な請求書テンプレート

請求書テンプレート(免税事業者)

免税事業者向けの請求書エクセルテンプレートは、こちらのダウンロードページから無料でダウンロードできます。

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請求書テンプレート一覧まとめはこちら

なお、行政書士向けの請求書以外にも、様々な請求書テンプレートを無料でダウンロードしていただけますので、詳しくはこちらのページからご覧ください。

マネーフォワード クラウド請求書

なお、マネーフォワード クラウド請求書では、エクセル不要でフォーム入力でカンタンに請求書を作成するが可能です。行政書士用の請求書ももちろん作成できますので、ぜひお気軽にご利用ください。

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【項目別】行政書士の請求書の書き方

続いて、請求書の書き方を項目別に解説します。

より詳しく知りたい方は、下記の記事に記載していますので、必要に応じてご参考ください。

1. 請求書のあて先

発注者の社名、事業部名、担当者名などを記載します。発注者とは異なる社名などを指定される場合もありますので事前に確認しましょう。

2. 請求内容

今回の請求対象となる商品名やサービス名、金額を記載します。数量がある場合は、数量も忘れずに記載します。また、取引先によって書き方が異なることもあります。

※(免責)なお、上記で紹介したテンプレートは汎用的・簡易的にサンプルを記載しているため、必ずしも以下で紹介する内容を網羅しているとは限らない点にご容赦くださいませ。

  1. 品目:
    • 書き方: 品目欄には、提供したサービスの具体的な内容を記載します。例えば、「遺言書作成支援」、「会社設立手続き代行」、「ビザ申請サポート」など、行政書士が提供したサービスの詳細を明記します。
    • ポイント: サービスの内容をできるだけ具体的に記述し、受領者が一目で理解できるようにします。また、必要に応じて、サービス提供の日付や期間も併記すると良いでしょう。
  2. 単価:
    • 書き方: 単価欄には、提供したサービスの料金を記載します。これは、事前にクライアントと合意した価格や、行政書士業務の標準料金表に基づく価格です。
    • ポイント: 単価は明確にし、事前の見積もりや契約書に記載された金額と一致していることを確認します。価格には消費税の有無を含め、明確にすることが重要です。
  3. 数量:
    • 書き方: 数量欄には、提供したサービスの回数や単位を記入します。サービスによっては、「1件」や「1時間」といった単位で数量を表すことになります。
    • ポイント: 数量を記載することで、サービスの提供範囲や量が具体的に示されます。複数の異なるサービスを提供した場合は、それぞれのサービスに対して数量を記載し、合計金額が正確になるようにします。

3. 消費税の表示

消費税の金額を明記します。
また、内訳に軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。

※軽減税率の対象は、一般飲食料品や、週2回以上発行される新聞なので、行政書士の請求書を書く場合は基本的に該当しません。

4. 発行日

基本的には、発注者が指定する締日を記載します。請求書の作成日ではないので注意しましょう。

5. 支払期日

双方で取り決めた支払日を記載します(「下請代金支払遅延等防止法」では、支払期日は受領より60日以内としています)。支払遅延防止のために毎回記載するとよいでしょう。

6. 発行者

ご自身の名前を記載します。

7. 振込先

銀行名、支店名、口座の種類(当座・普通など)、口座の名義、口座番号を正確に記載します。振込手数料を負担してもらう場合は、その旨を記載します。

8. 特記事項

支払い期日が変更される条件や分割払いなど、請求と支払いに関して特別な条件がある場合に記載します。

9. 請求書番号

後で請求済みや入金などの確認が簡単にできるように、右上に請求書番号を記載します。

10. ※適格請求書(インボイス)の場合の項目

インボイス制度に対応した請求書の場合は、下記の項目も必要です。

  • 登録番号
  • 軽減税率の対象である旨の表記
  • 税率ごとに区分して合計した税抜または税込対価の額および適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等

インボイス制度についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考にしてください。

インボイス制度を図解でわかりやすく解説!制度対応においてのチェックポイントや注意点は?

インボイス制度について|国税庁

行政書士の請求書を作成する際のまとめ

行政書士の請求書作成において、テンプレートの利用は効率的かつ間違いを減らしやすい方法です。テンプレートを使用することで、必要な項目が漏れなく、正確に記載されます。

また、頻繁に作成する場合はクラウド請求書ソフトを活用することを推奨します。これにより、請求書の作成、管理、送信が容易になり、作業プロセスが大幅に効率化されます。請求書には、提供したサービスの内容、単価、数量などを明確に記述し、受領者が理解しやすい形で提出することが重要です。これにより、信頼性の高いプロフェッショナルな取引が可能になります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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