• 更新日 : 2024年4月2日

着手金・前受金の請求書テンプレートと書き方のポイントを紹介!

前受金・着手金の請求書は、主に建設業(建築・工事)、弁護士やコンサルタント、フリーランスなどの専門職がプロジェクトや案件に取り掛かる前に、その業務を開始するための初期費用としてクライアントに対して発行する文書です。

この請求書は、契約成立後、実際の作業を開始する前に、契約に基づいた前払い金として要求されることが一般的です。前受金・着手金は、業務の保証金として機能し、クライアントが契約を遵守する意志があることを示すと同時に、サービス提供者にとっては作業に着手する前の経済的リスクを軽減する役割を果たします。

当記事では、着手金や前受金の請求書を書きたい方向けに、着手金や前受金ならではの請求書の書き方のポイントと、着手金や前受金向けの無料テンプレートを紹介します。

着手金や前受金の請求書を書く際のポイント・注意点

前受金や着手金の請求書を書く際のポイントや注意点は、以下のとおりです。

  • 前受金・着手金の意味を理解しておく
  • トラブルを防ぐため作業内容を明記する
  • 請求書を複数回に分けて発行することがある

ここから、詳しく解説します。

前受金・着手金の意味を理解しておく

あらかじめ前受金・着手金の意味・定義を理解した上で、正しく請求書に記載しましょう。

前受金とは、商品やサービスを提供する前に、代金の一部または全額を受け取った際に使う勘定科目のことです。前受金の具体例として、手付金や内金が挙げられます。

着手金とは、サービスの提供を始める前の段階で受け取る一部の金額のことです。会計上、着手金は前受金の勘定科目で処理します。

請求書を作成する際は、相手に着手金(前受金)の請求書であることを伝えることが大切です。そこで、文頭に「着手金請求書」などと記載しておくとよいでしょう。

なお、サービスの提供後に請求書を発行する際は、すでに受け取っている着手金を引いた額を請求します。取引内容の下の行に差し引きする着手金額(すでに受け取っている金額)を記載しましょう。

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トラブルを防ぐため作業内容を明記する

取引先とのトラブルを防ぐため、何に対して請求する着手金なのか内容を明記しましょう。なぜなら、単に「着手金」とだけしていると、相手は何にお金を取られるのかを理解できないためです。

たとえば、請求書を作成する際、取引内容の部分に「〇〇工事の着手金」などとすれば、相手に何の取引(工事)に対する着手金なのかが伝わります。

請求書を複数回に分けて発行することがある

建設業(建築・工事)では、請求書を複数回に分けて発行することがあります。請求書を発行する主なタイミングは、着手金・中間金・最終金などを受け取る時です。

中間金とは、建築工事請負契約を結び、建物を引き渡す前までに支払われる金銭を指します(着手金より後)。

また、最終金とは物件を引き渡す際に支払われる金額です。総建築費用のうち、まだ支払われていない分の金額が最終金に該当します。

なお消費税は、原則としてサービスの提供があった時点で課税されるものです。そのため、着手金を受け取るタイミングでは消費税課税の処理をせず、最終的な段階で消費税を認識します。

着手金・前受金用の無料請求書テンプレート(インボイス制度対応)

着手金用の請求書テンプレート

着手金-請求書テンプレート

着手金向けの請求書エクセルテンプレートは、こちらのダウンロードページから無料でダウンロードできます。

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前受金用の請求書テンプレート

前受金-請求書テンプレート

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免税事業者向けのシンプル・汎用的な請求書テンプレート

請求書テンプレート(免税事業者)

免税事業者向けの請求書エクセルテンプレートは、こちらのダウンロードページから無料でダウンロードできます。

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請求書テンプレート一覧まとめはこちら

請求書テンプレート一覧

なお、着手金や前受金向けの請求書以外にも、様々な請求書テンプレートを無料でダウンロードしていただけますので、詳しくはこちらのページからご覧ください。

マネーフォワード クラウド請求書

なお、マネーフォワード クラウド請求書では、エクセル不要でフォーム入力でカンタンに請求書を作成するが可能です。着手金や前受金用の請求書ももちろん作成できますので、ぜひお気軽にご利用ください。

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【項目別】着手金や前受金の請求書の書き方

続いて、請求書の書き方を項目別に解説します。

より詳しく知りたい方は、下記の記事に記載していますので、必要に応じてご参考ください。

1. 請求書のあて先

発注者の社名、事業部名、担当者名などを記載します。発注者とは異なる社名などを指定される場合もありますので事前に確認しましょう。

2. 請求内容

着手金や前受金は、プロジェクトやサービスの開始前に、作業の確約や資金の流動性確保のために支払われる金額です。以下に、これらの特殊な請求書項目の書き方とポイントを解説します。

品目

  • 書き方:「着手金」や「前受金」という表現を直接品目として記載し、それが何のプロジェクトやサービスに関連しているのかを明確にします。例えば、「XYZプロジェクト着手金」「2024年度建築工事前受金」などと具体的に記述します。
  • ポイント:品目の記述では、支払いがどの契約やプロジェクトに対するものかを明確にすることが重要です。これにより、支払いの目的が双方にとって明確になり、将来的な誤解を防ぎます。

単価

  • 書き方:着手金や前受金の場合、単価という概念は通常の請求書項目と異なります。ここでは、「単価」ではなく支払われる金額そのもの(総額)を記載します。
  • ポイント:具体的な金額を「単価」として記載し、その金額がプロジェクト全体の見積もり額のうちのどれくらいを占めるか(例:全体の20%)を明示すると良いでしょう。これにより、前受金や着手金が全体費用に対してどのような位置づけであるかがわかります。

数量

  • 書き方:着手金や前受金の場合、基本的には通常「1」と記載するケースが多いです。

3. 消費税の表示

消費税の金額を明記します。
また、内訳に軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。

※軽減税率の対象は、一般飲食料品や、週2回以上発行される新聞なので、着手金・前受金の請求書を書く場合は基本的に該当しません。

4. 発行日

基本的には、発注者が指定する締日を記載します。請求書の作成日ではないので注意しましょう。

5. 支払期日

双方で取り決めた支払日を記載します(「下請代金支払遅延等防止法」では、支払期日は受領より60日以内としています)。支払遅延防止のために毎回記載するとよいでしょう。

6. 発行者

ご自身の名前を記載します。

7. 振込先

銀行名、支店名、口座の種類(当座・普通など)、口座の名義、口座番号を正確に記載します。振込手数料を負担してもらう場合は、その旨を記載します。

8. 特記事項

支払い期日が変更される条件や分割払いなど、請求と支払いに関して特別な条件がある場合に記載します。

着手金や前受金の場合は、しっかりと支払い期日などの条件を記載するようにしましょう。

9. 請求書番号

後で請求済みや入金などの確認が簡単にできるように、右上に請求書番号を記載します。

10. ※適格請求書(インボイス)の場合の項目

インボイス制度に対応した請求書の場合は、下記の項目も必要です。

  • 登録番号
  • 軽減税率の対象である旨の表記
  • 税率ごとに区分して合計した税抜または税込対価の額および適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等

インボイス制度についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考にしてください。

インボイス制度を図解でわかりやすく解説!制度対応においてのチェックポイントや注意点は?

インボイス制度について|国税庁

着手金・前受金の請求書を作成する際のまとめ

この記事では、前受金や着手金の請求書作成に役立つテンプレートと書き方のポイントを紹介しました。

テンプレートを活用することで、効率的かつ正確に請求書を作成できます。また、クラウド請求書ソフトの使用もおすすめで、そのメリットとしてどこからでもアクセス可能で、データの管理や追跡が容易になる点が挙げられます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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